光合成解析センター(早稲田大学植物生理学研究室)

センターの目的

光合成解析センターは、新学術領域研究「新光合成」のプロジェクトの一環として、領域内外の研究者の光合成研究をサポートするために作られました。このうち、早稲田大学の光合成解析センターでは、主にクロロフィル蛍光測定による光合成の解析を担当していますが、それだけでなく、吸収測定や電気化学的測定による光合成解析まで幅広く対応しています。

光合成測定の概論

生物試料の分光測定・・・ここでは、生物試料を分光学的に解析する際にどのような装置が必要か、そして何に注意をしたらよいのかを解説しています。

光合成とクロロフィル蛍光・・・ここでは、クロロフィル蛍光測定の原理と、蛍光測定によって光合成を解析する手法について解説しています。

光合成解析センターの測定装置

以下に、光合成解析センターに設置されていて利用可能な装置がリストアップされています。

紫外可視分光光度計(日本分光、V-650ST+積分球ISV-722)・・・細胞や葉などの散乱試料の吸収測定が可能です

蛍光分光光度計(日本分光、FP-8500+冷却ユニットPMU-830)・・・液体窒素温度における蛍光スペクトル測定が可能です

ジョリオ型分光光度計(Bio-Logic、JTS-10)・・・吸収変化測定に特化しており、さまざまな電子伝達成分の酸化還元状態のモニタリングが可能です

◎クロロフィル蛍光測定装置(Walz、PAM2500) ・・・携帯型のクロロフィル蛍光測定装置で、野外での葉の光合成測定などに適しています

クロロフィル蛍光測定装置(Walz、Water-PAM) ・・・希薄溶液に特化したクロロフィル蛍光測定装置で、藻類・シアノバクテリアの光合成測定などに適しています

◎クロロフィル蛍光測定装置(Walz、DualPAM) ・・・クロロフィル蛍光とP700の吸収変化の同時測定が可能な装置で、NADPHのレドックス状態も測定可能です

顕微型クロロフィル蛍光測定装置(Walz、MicroscopyPAM) ・・・顕微鏡に接続されたクロロフィル蛍光測定装置で、細胞レベルでの光合成測定が可能です

◎イメージングクロロフィル蛍光測定装置(Walz、ImagingPAM) ・・・顕微鏡に接続されたクロロフィル蛍光イメージング装置で、細胞レベルでの光合成のイメージングが可能です

◎クロロフィル蛍光カメラ(Photon Systems Instruments、FluorCAM) ・・・クロロフィル蛍光イメージング装置で、葉やプレートレベルでの光合成のイメージングが可能です

二重変調クロロフィル蛍光測定装置(Photon Systems Instruments、FL200/PS)・・・蛍光のキネティクス測定に特化していて、光化学系IIのQAからQBへの電子伝達の測定に適しています

◎藻類培養型クロロフィル蛍光測定装置(Photon Systems Instruments、FMT150)・・・藻類をLEDの光で培養しながら経時的にクロロフィル蛍光を測定する機器で、細胞濃度を一定に保つ連続培養条件での経時測定が可能です

液相酸素測定システム(Hansatech、OXYG-1)・・・酸素電極により酸素濃度の変化を鋭敏に検出し、電子伝達活性を測定することが可能です

光合成蒸散測定装置(LI-COR、LI-6400)・・・二酸化炭素が赤外線を吸収することを利用してガス中の二酸化炭素を測定して光合成によるガス交換速度を見積もる装置です(貸出中)

逆引き光合成測定事典

以下には、目的別に光合成関連測定の手法を紹介しています。あるものを測定したい場合に、どのような手法を使えばよいのかがわかると思います。(現在整理中)

光合成の速度を測定したい

酸素電極・・・光合成によって発生する酸素量を測定することにより光合成の速度を見積もることができます。液相による測定なので、藻類細胞や単離したチラコイド膜の測定用です

光合成蒸散測定装置・・・光合成によって吸収される二酸化炭素量を測定することにより光合成の速度を見積もることができます。気相による測定なので、陸上植物の葉の測定用です

二重変調クロロフィル蛍光測定装置・・・クロロフィル蛍光を利用することにより、光化学系IIの電子受容体QAからQBへの電子伝達を簡便に測定することができます

光合成関連成分を定量したい

クロロフィルの量を定量したい

クロロフィルの定量法・・・色素の抽出さえきちんと行えば通常の分光器で測定可能です。細胞のまま非破壊的に測定する場合には、積分球の付いた分光器が必要となります

光化学系Iの量を定量したい

チラコイド膜におけるP700の吸収変化測定・・・光化学系Iの反応中心量を測定すれば系I量を見積もることができます

低温クロロフィル蛍光スペクトル測定・・・絶対量を測定するのは難しいのですが、低温クロロフィル蛍光スペクトルにより系Iと系IIの量比を見積もることができます

光化学系IIの量を定量したい

原子吸光によるMnの定量・・・光化学系II量の酸素発生系はマンガンクラスターを持っていますから、マンガン量を定量すれば、系II量を見積もることができます。ただし、現在はセンターはこの装置を保有していません

低温クロロフィル蛍光スペクトル測定・・・絶対量を測定するのは難しいのですが、低温クロロフィル蛍光スペクトルにより系Iと系IIの量比を見積もることができます

藻類の細胞や植物の葉の吸収スペクトルを測定したい

V-650による吸収スペクトル測定・・・散乱が強い資料でも、積分球ユニットを装着した分光光度計を利用すれば、きれいな吸収スペクトルを取ることができます。