光合成の質問2014年

このページには、寄せられた質問への回答が新しい順に掲載されています。特定の知りたい情報がある場合は、光合成の「よくある質問」(FAQ)のページに分野別に質問を整理してありますので、そちらをご覧下さい。


Q:私はハウス農家です。呼吸と転流の関係について質問いたします。夜間の温度が必要以上に高いと消耗が多くなり、生産効率が下がるというのはなんとなく理解出来ます。適正な温度では葉や果実などへの転流バランスが良く、消耗も少なくなるため生産効率が上がるというのもなんとなく理解出来ます。温度が必要以上に低い場合では消耗自体も少なくなるのに生産効率が下がるのですが、呼吸が少ないと転流速度が遅くなるのでしょうか?転流のためにも呼吸しているのでしょうか?また温度によって転流先のバランスが適正でなくなるということはあるのでしょうか?また転流先のバランスが適正でないと、各器官で作られるホルモン量に差ができバランスが適正でなくなる結果、生産効率が下がるということは考えられるでしょうか?私の言う適正は生産性に対してのことですのでズレてしまってようにも感じてますし、無知で申し訳ありません。何かしらヒントをいただけたらと思い質問させていただきました。よろしくお願いいたします。(2014.11.8)

A:1.呼吸が低温などにより低下すると転流の活性も低下する例は知られているようですから、呼吸が低下すると転流も低下すると言ってよいと思います。
2.「転流先」は、送り出す側が決めるのではなく、受け取る側によって決まります。つまり、糖などを消費あるいは貯蔵することによって糖の濃度が下がっているところに転流されるわけです。「バランス」というのが何を指すかによりますが、一般論としては自然とバランスがとれる、つまり必要とされるところに転流される結果になります。もっとも、植物の特定の部分を低温にするなどして特定の部分への転流だけが阻害されれば、バランスは崩れます。一番極端な例は、木の樹皮(外側の篩部)をぐるりと剥いでしまうと、そこで転流ができなくなります。その場合には、その部分の上に光合成産物がたまって膨らみます。これなどはバランスが崩れた例と考えることはできます。(2014.11.8)


Q:日中は光合成で生成したスクロースがそのまま転流され、夜間は貯蓄しているデンプンを分解することで生成したスクロースがシンクへ輸送されると理解しています。夜間の方が、デンプンを分解する分、余計にエネルギーがかかるように思われますが、転流される量は夜の方が少ないのでしょうか?また、転流に使われるエネルギーは、日中は光合成で生成したもので、夜間は呼吸により生成したものなのでしょうか?(2014.11.5)

A:1.基本的に日中に転流しきれなかった分をデンプンとして一時的に葉緑体中に貯蔵し、夜間に転流するわけですので、基本的には、夜間の転流は、「昼間の光合成量」−「昼間の転流量」で決まります。昼間の光合成量は植物の種類と光などの環境条件によって決まります。昼間の転流量は、転流にかかわるスクロースリン酸合成酵素の活性に依存すると言われており、この活性は植物の種類によって決まります。ですから、植物の種類と環境によって変わり、一概には言えません。
2.細胞のエネルギーには、「光合成で生成した」「呼吸で生成した」という印がついているわけではありません。葉緑体から細胞質へのエネルギーの輸送は、主に糖の形で行われますから、それを実際に輸送などに利用する場合には、ミトコンドリアで呼吸によりATPに変換する必要があります。中学高校では光合成と呼吸を別個に教えますが、葉緑体とミトコンドリアは同じ細胞にあって相互に協調して働いているのです。(2014.11.5)


Q:植物は日中、光合成と共に呼吸を持続していますが、呼吸で分解する炭素は、光合成によりその場で固定されたものでしょうか?もしくは、元からある炭素プールの炭素から分解するのでしょうか?(2014.11.4)

A:光合成は葉緑体で行われますし、呼吸はミトコンドリアですので、基本的には「その場で」ということはありません。また、一般的に呼吸による二酸化炭素の吸収速度は光照射下では抑えられる傾向にありますから、光合成により生産された有機物が基質として呼吸を促進することもないようです。ですから、一般論としては、呼吸で分解する炭素は元からある炭素プールのものと考えた方がよさそうです。ただ、炭素に印がついているわけではありませんから、「元からある」といっても、どのぐらい前までを言うのかによって結論は変わるかもしれません。一方で、やや専門的になりますが、強光時などに光合成で過剰になった還元力が有機酸などの形で葉緑体からミトコンドリアに運ばれ、電子伝達により酸素まで渡されて安全に消去されるという報告があります。このような場合、電子伝達による酸素吸収は見られますが、クエン酸回路における二酸化炭素発生は伴いません。酸素吸収と二酸化炭素発生は1対1ではなくなりますので、これを「呼吸」といってよいかどうかは難しいところですが、少なくとも光合成の反応と呼吸の反応の一部がカップルして働く場合もあることは確かなようです。(2014.11.4)


Q:「光合成とはなにか」を読ませていただき,光害は活性酸素がたまって発生するものと理解しました。光合成が行われているときは活性酸素消去系が働いており,活性酸素が蓄積せず,なんらかの環境条件(低温,水不足など)で光合成が低下したときに活性酸素がたまり,光害が発生すると考えてよろしいのでしょうか?それとも過剰に光合成が進むと活性酸素消去系がおいつかず,結果的に活性酸素が蓄積して光害が発生することもあるのでしょうか?(2014.10.28)

A:まず「光害」ではなく「光阻害」です。それはともかく、最初の説明は「光合成が低下して」、二番目の説明は「光合成が進むと」という違いですね。これは、「光合成」というのをどのようにとらえるかによります。光合成は、光のエネルギーを吸収して、それを化学的エネルギーに変換するエネルギー変換の部分と、できた化学的エネルギーを使って二酸化炭素から有機物を合成する炭素同化の部分に分けることができます。低温や水不足などの条件になると、炭素同化が進行しなくなりますので「光合成が低下」するのというのは間違いではありません。ただし、そのような状況でも、クロロフィルは光のエネルギーを吸収し続けてしまいます。これによって過剰なエネルギーが生じて、これが活性酸素の生成につながります。したがって、過剰な光の吸収が光阻害の原因ですから、「過剰に光合成が進むと」という表現も、間違いとまでは言えないと思います。「環境条件によって炭素同化が低下して、光エネルギーが相対的に過剰に吸収されると光阻害が起こる」というのが正しい表現だと思います。(2014.10.28)


Q:中学1年の娘の勉強を見ていて疑問に思った点について質問させていただきます。基本的な事項で恐縮ですが、オオカナダモと緑色のBTB液を試験管に入れて光を当て、光合成と呼吸による二酸化炭素の増減に伴うBTB液の色の変化を見る実験です。試験管に赤色のセロファンを巻いた場合は「青色に変化」、赤色の場合は「青緑色に変化」、緑色の場合は「緑色のまま」が模範解答とされていたのですが、これについて伺いたいと思います。緑色の光は吸収効率が悪いために光合成が十分に進まず、二酸化炭素の吸収量が少なくなる一方、呼吸によって二酸化炭素を排出するため、それらがほぼ拮抗して「緑色のまま」という模範解答になっているものと考えます。しかし、セロファンの緑色の濃さや色合いによって透過する光量や波長は異なり、そのため二酸化炭素の吸収量も異なってくると思われますので、場合によっては、光合成が勝って「青緑色に変化」したり、呼吸が勝って「黄緑色に変化」ということも十分に想定できるのでないかと考えました。あるいは、緑色のセロファンを巻いた場合の二酸化炭素の吸収量は、仮に差異が生ずるとしても一定の幅にとどまるので、常に「緑色のまま」ということになるものなのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教示いただけると幸甚です。(2014.9.15)

A:光の色と光合成を絡めた実験については、質問が多いので、「よくある質問」の中に、「セロハンで光の色を変えて植物にあてれば、光合成が利用できる光を突き止めることができますか?」という項目を付け加えました。そちらをご覧いただければと思います。(2014.9.15)


Q:小6夏休みの自由研究で「でんぷんのできる量と光」の関係について調べています。
質問1:光の色(赤・青・黄・緑など)によりでんぷんのできる量にどのような違いがありますか。
質問2:よく晴れた一日のうちで午前6時→午前9時→正午→午後3時→午後6時くらいの時間帯でのでんぷんのできる量にどのような違いがありますか。
いずれもでんぷんの量は葉のヨウ素でんぷん反応による見た目の変化で比較できるレベルです。実際に実験をしているのですが結果にばらつきがありどれが正しいのか、科学的に裏付けがあるのかどうかも知りたいのです。どうかよろしくお願い申し上げます。(2014.8.8)

A:最初に小学生には難しいかもしれませんが、一言。実験に「正しい」答えがあるわけではありません。出た実験の結果は、正しいか、正しくないか、と言えば、常に正しいのです。現実にそのような結果が出ているわけですから。ただ、実験の結果が、自分の予想と外れる場合はあります。また、世間の常識と異なる場合もあるかもしれません。その場合でも、それは実験の結果が間違いであったわけではなく、予想していた、もしくは常識的に考えられるものとは、違う原因によって結果が生じていた、ということです。
 さて、質問に対する答えですが、「正しい」答えはないので、僕の予想を述べます。光の色によってそれほど大きな差は生じないのではないかと思います。葉は、黄色から緑色にかけての光を多少吸収しにくいのですが、赤や青の光との差はせいぜい2割ぐらいでしょう。とすると、ヨウ素デンプン反応によってその差を見分けるのは難しいのではないかと思います。時間変化に関しては、一般的には、陽があたる時間が長くなるにつれてデンプンは増えますが、それがどの程度増えるかは、1.朝の段階でデンプンがなくなっていたかどうか、2.どこまでデンプンがたまると、それ以上変化しなくなるか、3.夕方の光がどの程度弱いか(=夕方の光の強さでもデンプンが増え続けるか)、という3つの点によって左右されます。これらは植物の種類や光の当たり具合によって変わるでしょうから、実際に出た結果をみて考えるしかありません。ただし、その結果の再現性、つまり、何度やっても同じ結果になるのかどうか、を調べることは重要です。(2014.8.8)


Q:ビニールハウスでの石油類暖房機から発生するCO2ですが、殆どの場合が外部へ流出されています。熱効率から考えてもハウス内へ排出した方が燃料は少なくて済んで地球温暖化には良い筈だし、ハウス内の食物生育には役立つと思いますが、どうしてなのでしょうか?又、ハウス内のCO2濃度が上がり過ぎる点には注意が必要でしょうが、住宅の石油ストーブで体調が悪化することは無い訳だし、ハウスで使えるようなCO2高濃度警報機・設置位置や仕方などのデータはありませんか?(2014.7.22)

A:一番の問題点は「石油は純粋な炭化水素ではない」ということです。炭化水素は、燃やせばCO2と水になりますが、石油には、その他の微量成分(硫黄や窒素)も含まれていますので、燃やすとそれらの酸化物も放出されます。また、不完全燃焼した場合には、一酸化炭素COも発生します。これらの成分の植物、あるいはハウスに立ち入った人間に対する影響を考慮しなくてはなりません。それらの問題点を解決するための研究もなされていますが、それは、科学というよりは工学的な実用性の学問となりますので、僕はあまり情報を持っておりません。(2014.7.22)


Q:CD分光器を使った実験しました。ホウレンソウの抽出液を通したときの見え方と、抽出溶媒(水)を通したときの見え方とで対照実験をしたのですが、《光合成色素の抽出液だけで実験を終え、対照実験である抽出溶媒のみの実験を行わなかったら正しい結果がわからない。なぜだろう。》という考察があるのですが、なぜなのでしょうか。(2014.6.18)

A:「なぜだろう」という質問を丸投げしても答えは得られません。まず、「質問のコツ」を読んでください。この質問はそもそも光合成の質問ではなく、対照実験の意味を問う質問であることを自分で理解する必要があります。(2014.6.19)


Q:現在、群馬県で3aのハウスでいちご栽培を営んでいます。就農して8年軌道に乗ってきたところですが、もう一度基本に戻ろうと考え高校の教科書や図書館の本を見直しました。けれど、栽培の根本の光合成を農業生産に応用する実践的な資料が見つかりませでした。その方面で推薦できる文献がありましたら紹介して頂けますか。(2014.5.11)

A:農学分野における光合成の研究は1970年代から1980年代にかけて盛んでしたので、文献というと「作物の光合成と物質生産」(1971年)、「光合成と物質生産—植物による太陽エネルギーの利用」(1980年)といった古い本になるのではないかと思います。このころは、異なる作物、あるいは異なる環境において光合成速度を測定して、それを解釈する研究が大きな部分を占めていたので、ガス交換で光合成を測定する機械さえあれば、研究が進みました。しかしその後、光合成の研究が進んでその精緻なメカニズムが研究対象となり、より専門的な測定機器が重要性を増すにつれて、現場で収量と光合成の関係を追及するような研究は、光合成のメカニズムという観点からすると時代遅れになっていきます。個々のケースにおいて光合成と収量の関係を調べることが現場では重要だとしても、そこから光合成についての普遍性をもつ発見は生まれなくなったということでしょう。僕自身は光合成の分野におりますので、ちょうどよい文献を挙げることができないのですが、光合成の論文や教科書ではなく、各地の試験場の報告などには、もしかしたら新しい報告などがあるかもしれません。(2014.5.11)


Q:『理系総合のための生命科学 第3版』のP.40に、葉緑体の定位運動の模式図が書かれています。強・弱の光を受けた葉緑体が垂直・平面に集まる模式図です。理屈では分かります、人情的にも分かります。でも、細胞内小器官にすぎない葉緑体が、光の強弱をどう感知するのでしょうか?そして鞭毛が無いので移動エンジンはどのような仕組みなのでしょうか? 細胞内の圧力やイオン勾配などによる、受動的な結果の移動なのでしょうか?(2014.5.2)

Q:まず、葉緑体は自分で動いているのではなく、動かされているのです。細胞の中の細胞骨格と呼ばれる繊維を足場に運ばれると考えられています。光の検知も葉緑体がしているのではなく、細胞膜にあると考えられるフォトトロピンという青い光を感じるタンパク質(青色光受容体)が行ないます。ただ、光が来たという信号がフォトトロピンからどのように伝えられるのか、細胞骨格の向きがどのように変えられるのか、細胞骨格の上をどのように運ばれるのか、といった細かいメカニズムについては、まだまだよくわからない点がたくさんあります。(2014.5.2)


Q:キクをさし木して発根させることと,光合成との関係についての質問です。キクの穂をさし木するとき,最初は日よけをしたり,葉水をしたりして萎れを防ぎながら管理し,適温(15〜20℃)なら10日〜12日ぐらいで発根します。また,10℃以下や35℃以上の温度では明らかに発根が抑制されます。このようにキクが発根するときには温度の影響が大きいと考えられます。一方,光に関しては,暗黒条件では発根が悪いことも明らかです。これらのことは,根の出ていない穂が光合成をして,結果的に発根を促進していると考えていいでしょうか。ということは,発根を最も早めるには温度,光をコントロールして(真の)光合成量を高めることが大事なのでしょうか。(2014.4.28)

A:特定の植物種における特定の環境条件に対する応答がどうなっているのかは、その植物でいろいろ実験をしてみなければわからないと思います。一般論として言えるのは、連続暗条件というのは、植物にとって老化を誘導する条件であるということです。多くの植物では、3日も暗黒下におくと、葉の老化が進んで黄化します。したがって、光合成をする、しない、以前の問題として暗黒条件が植物に対して非常に強いストレスとして働いている可能性は十分に考えられます。一方で、弱い光と中程度の光を比べた場合には、どちらも老化は抑えられますから、そこで差が出た場合には光合成の影響を考える必要が出てきます。挿し穂も水が供給されていれば光合成をしますから、光合成によってエネルギーを得られる条件の方が、植物の状態はよく、発根も促進されるという考え方は自然だと思います。(2014.4.28)


Q:実験で植物に紫外線を当てると葉に障害が出ました。この現象は曇天の日ほど障害が大きく,晴天の日は障害が軽いこともわかりました。このことは,光合成をして活性酸素消去系がたはらいたため障害が出にくいのではないかと考えました。しかしいわゆる光阻害というのは紫外線に限らず光エネルギー全般の話をしていると思っていますが,紫外線による障害と光阻害は関係があるのでしょうか,また,紫外線の障害も活性酸素消去系で軽減できるのでしょうか?(2014.2.21)

Q:可視光による光阻害と、紫外線による阻害では、阻害の部位が異なります。紫外線の場合、強ければDNAの損傷などもおこしますし、光合成系では水を分解して酸素を発生する酸素発生系が紫外線による損傷を受けることが知られています。可視光による阻害は主に光合成系の光化学系2が阻害部位です。可視光による阻害の場合は活性酸素が関与しますが、紫外線による阻害の場合は直接的な損傷が起こるため、必ずしも活性酸素消去系によって保護されるとは限りません。ただし、いろいろな部分が阻害されたのちに引き起こされる二次的な損傷には活性酸素がかかわる場合が多いので、二次的損傷からの保護によって活性酸素消去系の効果がみられる可能性はあります。活性酸素消去系の作用は、光合成をすると強くなるものではありません。ただし、強光を含むストレスによって活性酸素消去系の誘導がかかる場合もあります。損傷したDNAを修復する酵素には、その作用に可視光を必要とするものがありますから、そのような光修復酵素が関与している可能性も考えられるのではないかと思います。(2014.2.22)


Q:炭酸固定系の酵素で暗所で失活しているものを教えてください。(2014.2.3)

Q:明暗によるレドックス制御を受けている酵素は、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、セドヘプツロース-1,7-ビスホスファターゼ、ホスホリブロキナーゼの4つです。(2014.2.4)


Q:はじめまして。クロロフィルの分解についてご教授下さい。シアノバクテリアを低温条件(20℃、光量は通常培養条件における適量)で培養しTLCで色素を展開したところ、クロロフィルの分解産物であるフェオホルビドの蓄積が見られました。クロロフィルの分解はフェオホルビドから更にRCC、FCC、NCCと進むようですが、フェオホルビドが蓄積する(フェオホルビドの分解が滞る)原因が何かあるのでしょうか。よろしくお願いいたします。(2014.1.29)

A:教えていただいた情報だけから原因を突き止めるのは難しいと思います。シアノバクテリアといってもいろいろな種類がありますが、通常シネコシスティスなどは30℃ぐらいで培養すると思います。その場合、20℃だと非常に生育が遅いと思いますが、どの程度の培養ののちに蓄積が検出されるのか。また30℃では蓄積が全く見られないのか。蓄積の温度依存性はどのようになるのか。光量によって蓄積量は大きく影響を受けるのか。蓄積するのはフェオホルビドに限られるのか。その辺りを一つ一つ見ていって総合的に解釈するしかないように思います。クロロフィルの分解系の制御の仕組みは、そもそもあまり分かっていないと思いますので。(2014.1.30)


Q:「光合成の教室→光合成の仕組み」より「最終的に反応中心という特別の光合成色素にエネルギーが渡ると、そこで、酸化還元の反応が起こる」とありますが、光エネルギーによって酸化還元の反応が起こる理由を具体的に知りたいです。よろしくお願いします。(2014.1.11)

A:これは答えるのが難しい質問ですね。以下、やや長くなりますが・・・。酸化還元反応は、酸化剤と還元剤の間で起こる反応です。反応の際には、電子が還元剤から酸化剤に移動します。といっても、酸化剤になるか還元剤になるかは相手との関係によって決まり、例えば、鉄イオンは比較的強い酸化剤である酸素と反応する時は、還元剤として働いて酸素に電子を渡しますが、比較的強い還元剤である水素と反応する時は酸化剤として働いて水素から電子を受け取ります。つまり、相手を還元する力の強さは、水素>鉄イオン>酸素という順番になっていて、この順番の、より右の物質にしか電子が渡らない(より左の物質が還元剤として働く)のです。ところが、反応中心の場合は、光のエネルギーを受け取ると、同じ物質なのに、この順番がぐっと左に動きます。最初の状態では、「電子を持たない物質A」>「電子を持った反応中心」となっているので、より右の反応中心から物質Aへと電子は動けないのですが、光エネルギーを受け取ると、「電子を持ったエネルギーを吸収した反応中心」>「電子を持たない物質A」という位置に反応中心が変化して、結果として反応中心から物質Aへと電子が渡る(酸化還元反応が起こる)のです。こんな説明でわかりますかね?我ながらもたもたした説明ですが・・・。(2014.1.11)


Q:はじめまして 『トコトンやさしい光合成の本』『光合成とはなにか』を愛読しているものですが、葉の表面が井戸水中のカルシウム塩やケイ酸塩等で汚れた状態(葉の表面を斜めにして見るとうっすら白く汚れている状態)では、汚れていない葉と比べたら光合成の効率は変わるのでしょうか お忙しいところ恐縮ですがご教授お願いいたします。(2014.1.9)

A:表面を斜めにしてみて初めて分かる程度の汚れであれば、葉の受ける光の量が変わるほどではないと思いますので、光化学反応の効率はそれほど変わらないでしょう。ただ、汚れによって気孔からの二酸化炭素取り込みに影響が出る可能性はあります。気孔の分布は植物の種類によって違いますが、葉の裏に気孔が多い植物の場合、表からの見た目よりは、むしろ裏側の汚れ具合の方が重要であることになりますね。(2014.1.10)