ヨウ素デンプン反応で色が付きません

もし、絶対に光合成でデンプンを貯めているはずなのに、ヨウ素デンプン反応がうまくいかない場合は、例えば、片栗粉など(これはいわばデンプンそのものです)で色が付くかどうか見てみましょう。もし、それで色が付けば、少なくとも、ヨウ素などの試薬は正常であることがわかります。もし、特別な植物で実験をしている場合は、アサガオなど、普通に実験に使われる植物で反応が見られるかどうかやってみましょう。光が弱かったりすると、アサガオなどでも反応が見られないことがあります。アサガオでは色が付くのに、実験に使った植物で色が付かない場合は、アルコールによる脱色がきちんと行なわれているかどうかを確認します。組織が堅い場合は、脱色がうまくいかず、そのような場合は、ヨウ素がそもそも葉の組織の中に入っていかない、などということも考えられます。最後に、全ての植物がデンプンを貯めるわけではありません。例えば、イネ科の植物の多くは光合成の産物をデンプンではなく、お砂糖(ショ糖)の形で貯めますから、ヨウ素デンプン反応は見られないはずです。光合成産物とデンプンについては、「光合成産物をデンプンにするかショ糖にするかは何によって決まるのですか?」をご覧下さい。なお、ヨウ素デンプン反応の実験ポイントについては「ヨウ素デンプン反応の実際」にもう少し詳しく書いてあります。

上のようなことを考えて実験をしても、うまくいかない場合は、「実験をするにあたって何に気をつければよいでしょうか?」も読んでみてください。