光合成はどのような光を使いますか

光合成において使うことができるのは主に可視光といわれる人間の目に見える光です。光には可視光以外に赤外線、紫外線といったものがありますが、これらは、普通の光合成に使うことができません。基本的にどのような光を使えるかは、光合成色素がどのような光を吸収できるかによって決まります。陸上植物ではクロロフィルが可視光線を吸収しているのですが、バクテリオクロロフィルは赤外線を吸収するため、バクテリオクロロフィルを光合成色素として持つ光合成細菌では、赤外線を使って光合成を行なうことができます。

別の面からこの質問を考えてみましょう。太陽の光は可視光を含みますから、当然、光合成に使われます。別に直射日光でなくても構いませんし、曇り空からの光でも光合成は進みます。電球や蛍光灯でも充分強ければ大丈夫です。非常に明るい環境を好む植物の場合は、室内では栽培しづらい、ということはありますが、その場合でも、原理的にはたくさん電球をつけて明るくしてやればきちんと光合成をするはずです。さらに、最近は発光ダイオード(LED)を使って野菜を栽培するなどということもなされています。ただし、蛍光灯やLEDの場合は、光合成は問題なく行なえても、光の波長に偏りがあるので、植物の形などは若干、自然環境のものとは異なる場合があります。

では可視光のうち、何色の光がよく使われるかについては「植物は何色の光をつかうのですか?」をご覧下さい。