光合成の質問2021年

このページには、寄せられた質問への回答が新しい順に掲載されています。特定の知りたい情報がある場合は、光合成の「よくある質問」(FAQ)のページに分野別に質問を整理してありますので、そちらをご覧下さい。


Q:突然のご連絡失礼しました。先生のホームページにひかれてここで質問させていただきます。自分の質問ではないですが、友たちが大学院の進学問題について伺いたいです。彼は学部で経営を専門として勉強していました。でも、彼はずっと植物について興味を持っていまして、自学で植物や生物などたくさんまなんでいました。今は大学院で植物生化学を勉強したいです。もちろん筆記試験は自分で頑張りますが、研究計画書も心こめて力を入れるなら、面接のときまたは事前連絡すれば、このような体系的に知識を勉強していない学生さんを先生にとっては受けられますか。(2021.11.5)

A:光合成の質問とは言えない気がしますが一応お答えします。僕のイメージでは、大学院は研究をするところであって、勉強するのは研究に必要だからです。勉強自体が目的であれば真剣に取り組めば追いつくことができますが、研究を進めるのは、最初に必要な知識を身につけるまでは難しいと思います。研究に「体系的」な知識が必要だとは別に思いませんが、大学院に入学して、まず必要な勉強から始めるのであれば、所定の年限で研究を終えることは難しいように思います。ただし「大学で普通の学生が学ぶことぐらいは自分一人で学んできた」というのであれば問題ないかもしれません。一方でこれから勉強したい、ということであれば、学士入学の制度の利用を考えるのがよいと思います。(2021.11.5)


Q:始めて質問させていただきます。自然光には右巻きと左巻きの円偏光が含まれており、『葉緑体はそのどちらか(右又は左)をより多く吸収して、光合成に活用している』という仮説があると聞きます。また、エンドウ豆やシロイヌナズナ等の植物に右(又は左)巻き円偏光をより多く照射する実験で、実際に生育速度等に差がみられたという文献がいくつか見つかりました。ただしいずれも明確な差異ではなく、再現検証も不十分に思われ、正直眉唾な感じがしております。この仮説に対して、先生のご見解はどのようでしょうか。(2021.10.22)

A:光物性については必ずしも専門ではないことをお断りしたうえで、僕の考えは以下の通りです。クロロフィル分子が光学活性であることには間違いありません。しかし、その光学活性による吸収の変化は、元の吸収に対してかなり小さいのではないかと思います。その差は、クロロフィルの溶液でCDスペクトルを分光器で測定すれば検出はできますが、植物体を使った実験の場合、(1)実際にクロロフィルに吸収されるまでの光路の途中で光は様々に散乱されて偏光の状態も変わると考えられること、(2)植物の生育の差を検出するためには、おそらく最低でも10%から20%の差が必要だと思われること、の二点を考えると、たとえ影響が存在したとしてもその差を検出することは極めて困難であるように思います。ただし、右旋光と左旋光の比較ではなく、直達光とフィルターを通した光の間で比べれば差は出るかもしれません。しかし、その場合は、旋光自体の影響ではないかもしれませんね。(2021.10.22)


Q:学部2回生です。DCMU存在下での光呼吸やメーラー反応の働きについて質問です。Bailleul et al 2017を読んでいたところ、有光下で光量に依存して酸素消費量が増加した原因を調査するためにDCMUを添加し、光合成を阻害した条件(水圏環境では光合成由来の新鮮な有機物によって呼吸が活性化されるようです)での酸素消費量を測る実験を行っていました。この実験について質問なのですが (1) DCMU存在下で光量に依存して増加する酸素消費過程というのは具体的に光呼吸やメーラー反応のような過程という理解でよろしいでしょうか。(2) DCMUが光呼吸やメーラー反応の働きをより活発化させることはないのでしょうか。光呼吸やメーラー反応は光合成の過程で発生した余剰な還元力を処理するための機構と理解しているのですが、DCMUによって光化学系2での電子伝達が阻害された場合、余剰な還元力は通常時より増加すると思います。お忙しいところ大変恐縮ですが、お教えいただけますと幸いです。(2021.10.13)

A:(1)はい。光条件下での酸素吸収として、光呼吸やメーラー反応が考えられていると考えてよいと思います。そして、メーラー反応と呼ばれる反応には、Water-Waterサイクルと呼ばれる反応や、シアノバクテリアなどに見られるFlvというフラビンタンパク質が関わる反応による酸素への電子伝達も含まれると思います。(2)光化学系1と光化学系2の酸化還元電位を比べると、光化学系1の酸化還元電位の方が低い(より還元力が強い)ので、酸素の還元は主に光化学系1で起こると考えられます。DCMUで光化学系2を阻害すると、電子は下流に流れませんから、光化学系1での酸素還元も起こらなくなります。一方で、光化学系2で過剰な還元力が生じるのはその通りなのですが、酸化還元電位が相対的に光化学系1よりも高いために酸素の還元よりは、たとえば逆反応による電荷再結合などが起こると考えられます。結論としては、DCMUの添加により酸素吸収は阻害されると考えられます。(2021.10.13)

Q:昨日は質問にご回答いただきありがとうございます。昨日の内容についてまた質問させていただきます。
(1)DCMU存在下ではメーラー反応や光呼吸のような反応も発生しないという解釈で良いのでしょうか?DCMUは光化学系2の電子伝達を阻害する薬剤で、メーラー反応や光呼吸はそれよりも下流の光化学系1やカルビンベンソン回路での機構だと理解しています。DCMU存在下では、上流から還元力がやってこないため、これらの反応は発生しないという理解でよろしいでしょうか?
(2)DCMU存在下での光依存性のある酸素消費について。Bailleul et al (2017)を読み進めていたところ、DCMU存在下でも光依存性の酸素消費反応が観察されました(Fig.4 B)。BailleulはこれをAsada(1996)などで紹介された有機物を媒介とした酸素の光還元反応なのではないか、と考えていました。この有機物を媒介とした酸素の光還元反応とはどのようなものなのでしょうか?学内環境からではAsada(1996)にアクセスできず、非常にアバウトな質問になってしまい申し訳ございません。お忙しいところ大変恐縮ですが、どうかお教えいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。(2021.10.14)

A:(1)はい。その通りです。光合成の電子伝達では、電子の供給源は光化学系2における水の分解ですから、それが止まってしまえば、電子は供給されません。(2)逆に言えば、光依存の酸素還元がDCMU存在下で見えたとすると、何らかの還元性物質からの電子が光化学系1に電子を与えていると考えるしかありません。そのような経路として考えられているものに葉緑体呼吸があります。これは、葉緑体のストロマ中の有機物が、酸化還元酵素のはたらきにより光合成電子伝達の途中(一般的にはプラストキノン)に電子を与え、その電子が(場合によって光化学系1を経由して)酸素を還元するという反応です。陸上植物では葉緑体呼吸はそれほど大きくないのが普通ですが、藻類においては、非常に大きな葉緑体呼吸がみられる場合があります。(2021.10.14)

Q:ご回答いただきありがとうございます。葉緑体呼吸についてもう少しお伺いしたいのですが
(1)葉緑体呼吸について、先の論文では光量との間の関係に線形性が見られています(Fig.4B)。一般的に葉緑体呼吸と光量の関係は線形で表されるものなのでしょうか。私の知る範囲では生体反応は非線形で表されるものが多い印象です。
(2)DCMU存在下での光依存性のある酸素消費反応の正体が葉緑体呼吸である場合、ストロマ中の有機物由来の電子が光化学系2より下流の光合成回路のどこかに与えられ、その後メーラー反応や光呼吸のような機構で酸素が還元されるという理解でよろしいのでしょうか?また、この場合光合成は駆動しないのでしょうか?
(3)先の回答でお教えいただいた葉緑体呼吸の機構について図示されたサイトや文献等がございましたらお教えいただきたいです。光合成回路中にストロマ中の有機物がやってきた後、どの段階で酸素が還元されているのかがいまいち理解できません。
お忙しいところ何度も質問してしまい大変恐縮ですが、お教えいただけますと幸いです。どうかよろしくお願いいたします。(2021.10.14)

A:(1)ほとんどすべての生化学反応の反応速度は、ミカエリス・メンテンの式に代表されるような飽和曲線を描きます。一方で、ミカエリス・メンテンの式は、基質濃度がKmより十分に小さい場合には直線で近似できます。これは、光合成の場合でも同様で、光合成速度は光量が低い領域では光量に比例します。一般的には、直線関係がみられる場合には、最初に基質(光量)が少ない領域だけで現象を見ている可能性を考えて、そうでなければ、何か生理的な反応ではない可能性を考えることが多いと思います。(2)メーラー反応は光化学系1による酸素の還元なので、光化学系1が駆動することが前提です。電子が来なければ光化学系1は機能しませんが、光化学系2が機能しない条件でも、電子が有機物から供給されれば、光化学系1は機能できます。観察された酸素吸収が光依存的であること自体が、光化学系1が機能していることを示唆しています。(3)あまり日本語でよい文献は思いつきません。英語ですが、まずhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1692878/pdf/11128007.pdfぐらいから見てみてはいかがでしょうか。(2021.10.15)


Q:植物を扱う研究室への配属を希望している大学2年生です。先生のサイトにはよくお世話になっております。有光条件下での呼吸について質問です。光合成の質問箱の過去の回答(2014.11.4分)で“一般的に呼吸による二酸化炭素の吸収速度は光照射下では抑えられる傾向にあります”と仰っていました。自身で調べてみたところ、植物の葉や藻類などを用いた実験で上記のような結論を出している文献が見つかりました。しかしその一方で、Peliter and Thibault (1985)のトレーサー実験の結果では”有光条件下でも呼吸速度は変化しない”と結論付けられていました。ここで質問なのですが、両者の違いは実験に用いた生物種の違いによるものなのでしょうか?お忙しいところ大変恐縮ですが、お教えいただけますと幸いです。(2021.8.21)

A:一般的な条件では、呼吸における二酸化炭素発生と酸素吸収は1対1に対応します。しかし、光照射下においては、過去の回答にありますように、光合成の産物が有機酸の形でミトコンドリアに運ばれ、その還元力が電子伝達を駆動して酸素が吸収される例が知られています。従って、一口に呼吸と言っても、二酸化炭素発生は光照射によって抑制されるのに対して酸素吸収は光照射の影響を受けにくい傾向にあるようです。Peliter and Thibault (1985)の実験は、酸素の吸収を見た実験ですから、むしろ呼吸の指標として二酸化炭素を使うか酸素を使うかの違いが反映されている可能性もあるように思います。一方で、彼らの実験は緑藻のクラミドモナスを材料としていますから、ご指摘のように、陸上植物とはふるまい方が異なっている可能性も考えられると思います。前者の可能性のメカニズムについては、東京薬科大学の野口航さんが日本語の総説を書いておられます。日本光合成学会のホームページから無料で見られますので参考にしてください。https://photosyn.jp/journal/kaiho55.pdfの中の「光照射下の葉の呼吸系の働き」という解説記事です。(2021.8.21)


Q:青色LEDと赤色LEDを葉緑体に照射した際の、光合成量の差を見る実験に関してです。光合成量の測定方法として、クロレラの増え方で判断できるのではと考えました。すなわち、容器に純水・栄養素(無機物)・二酸化炭素・クロレラを入れて青色LEDと赤色LEDを照射し数日後、それぞれの培養液の緑色の濃さが、行われた光合成量を表しているという事です。栄養素量や二酸化炭素量、光量は十分であるとして、この実験に何か致命的な問題点はあるでしょうか。(2021.8.17)

A:致命的ではないかもしれませんが、2つ問題になり得ることがあるように思います。(1)光の影響を考える上で、色も重要ですが、量も重要です。もし、青色LEDと赤色LEDで光量に大きな違いがあった場合、実験結果に違いが出たとしても、色が効いているのか、量か効いているのかを判断できなくなります。例えば、LEDのカタログでそれぞれの光量を調べて、光量が同じになるように利用するLEDの数を調節する、といった準備が必要かもしれません。(2)光は、光合成だけでなく、フィトクロム、クリプトクロム、フォトトロピンといった光受容体を通して細胞内の状態に影響を与える可能性があります。影響を生育で見た場合、それが光合成を通しての影響か、光受容体を通しての影響かを区別するのは、案外難しいかもしれません。もちろん、生育の差を見る実験としては成り立ちます。(2021.8.17)


Q:よろしくお願いします!「光合成とはなにか」の紅葉のコラムで、なぜ紅葉がおきるのかがまだ解明されていない。と理解しました。私は紅葉は広葉樹の葉のアポトーシスではないかと思います。紅葉は寒さにあたると進みます。そして紅葉が進むと葉が落ちます。秋から冬に向けての準備として冬眠に近い状態で寒さから身を守るためではないでしょうか。針葉樹は葉が落ちないので、紅葉しませんよね。この仮説いかがでしょうか?(2021.8.1)

A:『光合成とはなにか』を読んでいただいてありがとうございます。仮説として十分に考えられると思います。針葉樹との対比を考えるという方向性もよいと思います。一方で、世の中には紅葉しないで、単に茶色や黄色になって葉を落とす樹木もたくさんありますよね。もし、寒さから身を守るのに必要なのだとしたら、すべての落葉樹の葉が赤くなってもよいと思いませんか。おそらく、本当の意味での「なぜ」を明らかにするためには、紅葉する落葉樹と紅葉しない落葉樹の差を説明するような仮説が立てられるとよいのではないかと思います。(2021.8.1)


Q:光を吸収する際にクロロフィルbやカロチンなどではなくクロロフィルaが主要な色素である理由は何かあるのでしょうか。それともただ調べた結果がそうだっただけということでしょうか。(2021.6.16)

A:すべての光合成色素が光を吸収できる(=光のエネルギーを集めるアンテナとして機能できる)のに対して、クロロフィルaだけは、反応中心として電子伝達を駆動することができます。具体的には、光を吸収してエネルギーを持った状態(励起状態)になったクロロフィルaが電子受容体に電子を渡すことによって自らは酸化されます。これによって電子受容体を還元して電子伝達がスタートします。このような酸化還元する能力は、カロテノイドよりはクロロフィルの方が優れていますし、クロロフィルの中でもクロロフィルaは非常に優れていると思います。もちろん、系統的な制約もあると思いますが、基本的には酸化還元の能力がクロロフィルaの反応中心としての働きを決めている側面が強いのではないかと思います。(2021.6.16)


Q:お忙しいところ、初めての質問失礼します。学校にて各々実験をデザインしてそれを行うと言う授業で、光の角度と色の違いによる酸素発生量の違いを水草を使って行おうと思っているのですが、実験のデザインの部分で行き詰まっています。 1、どこを対象にして角度を決めればいいのか。2、どのぐらい光源と水草の距離を取れば確実に差が出るのか。3、どのような光源を使うのがベストなのか。
 最後にすごく根本的なことを尋ねるのですが、この実験はきちんと機能するのでしょうか?(2021.5.7)

A:このような実験は、原理的には可能なのですが、実際にやろうとすると、極めて難しいのではないかと予想します。一つの理由は、条件を変えてから酸素発生速度に違いが出てくるまでにしばらく時間がかかることです。植物の状態にもよると思いますが、10分ぐらいかかることは十分に考えられます。その場合、ある条件にして10分、次の条件にして10分という風に、条件ごとに時間がかかりますから、3つの条件を調べるだけでも30分かかります。そして、その間は他の条件が変化しないように気をつけなければなりません。次に、光の色に関しては、例えば、違う色のLEDを使うという手がありますが、違うLEDの光の強さを比べるのは、専用の測定機器がないと難しいと思います。その場合、差が出たとしても、それが色の差なのか、強さの差なのかが判断できません。これは、白色光に色セロハンなどを使って異なる色の光をつくった場合でも同じです。
 個別の質問について答えると、1.水草がオオカナダモだとすると、さまざまな角度に葉が出ていますから、光を当てる角度を決めるのも難しいですね。よい案は思いつきません。2.距離は光源の強さにもよります。光源が弱ければ、距離が長くなった時に当然酸素発生量が少なくて、差を見るのが困難になります。ただ、1の問題が解決して、一定の方向から光を当てることになった場合は、距離が短いと光が広がりますから、距離を遠くする必要があります。実際の距離は光源の種類にもよると思います。3.酸素発生をきちんと見るためには、ある程度強い光が必要ですので、まずはそれが重要です。本当は、太陽の直射光が強くて光が広がらないのでよいのですが、曇ったり、時間と共に確度が変わったりするという問題があります。蛍光灯や電球は、光が広がりますから、少なくとも角度を変える実験を考えた場合にはあまり適切ではないでしょう。LEDは比較的指向性があるので、よいと思いますが、1個では光の強さが不十分かもしれませんね。いずれにしても、なかなか難しい点が多いとは思いますが、一つ一つ困難を解決していくのも研究の醍醐味ですので、頑張ってください。(2021.5.7)


Q:「光合成とはなにか」をはじめ、「植物工場」に関しては、旧日立中央研究所高辻正基先生の著書等を読ませて頂きました。しかしながら、経済新聞などでは、植物工場の40%位が、光線にLEDを利用していても未だ赤字であるとの記載がありました。LEDを利用して太陽の光にかわる光を放射し、明反応は促進するとして、暗反応のカルビンサイクルを促進するために、明反応で出来た水素及び新しく水素を追加して、ADP+NADPHを強化し、植物栽培を積極的に助長していく試みは行われているのでしょうか?(2021.5.2)

A:前段から後段への論理展開がよくわかりませんでしたが、植物工場を黒字にするために光合成の側を改変できそうか、という意味のご質問でしょうか?そうだとすると難しいと思います。赤字の原因は、従来の農業よりも余計にコストがかかることにありますから、たとえカルビン回路を促進することができたとしても、それにさらに余計なコストがかかれば何の意味もありません。植物工場の黒字化は、基本的には付加価値の付与によってなされるのだと思います。一方で、前段には意味がなく、純粋に光合成を強化できるかどうかを聞きたいのであれば、いくつかの試みはなされています。質問文中で「水素」とあるのは、還元力を指しているのだと思いますが、これを「追加」しても光を強くすることと同じなのであまり意味がありません。しかし、カルビン回路の鍵となる酵素であるルビスコの改変の努力などがなされています。また、C3植物のC4化なども試みられています。それでも、光合成を改変して植物の生育をよくする研究で目覚ましい成果をあげた例はありません(理由は『光合成とはなにか』をお読みであればご存知と思います)。なお、これも『光合成とはなにか』に書いておきましたが、「明反応」「暗反応」という言葉は現在では使わないようになっています。(2021.5.3)


Q:光合成のデメリットはどんなことがありますか?なぜ全ての生物が光合成をするように進化しなかったんでしょう?光合成をする事は生物にとって負担になるのでしょうか?(2021.4.22)

A:これについては、いろいろな答え方があると思うので、以下はそのうちの一つとお考え下さい。例えば、ヒト(人間)が光合成をしようと考えたとします。一人のヒトの活動を支えるためのエネルギーを普通の植物の光合成によって得ようとした場合、数十平方メートルの面積の葉が必要となる計算になります。そのような大きな面積の葉を作るための負担もさることながら、そのような大きな葉を抱えて動く自体も大きな困難を伴うでしょう。光合成の泣き所は、エネルギーの密度が必ずしも高くない光をエネルギー源として必要とし、同じエネルギーを得るためには大きな面積が必要な点です。ヒトのような動物は従属栄養生物といって、光合成生物に従属して生きています。大きな面積を自分で作るより、他の光合成生物を食べて動ける生物として生きていく方がはるかに楽だったということのように思います。(2021.4.23)