光合成の質問2019年

このページには、寄せられた質問への回答が新しい順に掲載されています。特定の知りたい情報がある場合は、光合成の「よくある質問」(FAQ)のページに分野別に質問を整理してありますので、そちらをご覧下さい。

Q:黒い葉の方が光合成が盛んになると考え、葉に色を塗って確かめようとしましたが、反応が出ませんでした。色を塗ったことで光が葉にあまり届かなかったのではと考えました。葉を黒くする方法を探していますが、思いつきません。何かよい方法はないでしょうか。(2019.8.17)

A:ご質問に少しわからない点があるのでいくつか確認です。
1.「反応が出ませんでした」というのは、ヨウ素デンプン反応かなにかで、光合成の反応が出なかったということでしょうか。
2.その場合、色を塗らなかった葉は反応が出たのでしょうか。
3.「葉を黒くする方法」というのは、どのような意味でしょうか?色を塗ったら、葉は黒くなったのですよね?それでだめな理由は何なのでしょうか。もし、「光合成をしなかったから」という理由でしたら、それは、結果が予想と違っていたからダメ、ということになりますから、実験の計画を立てる上で、あまりよい考え方ではありません。一方、「葉に光が届かなかったから」という理由でしたら、どのような条件を実現したいのかを考える必要があります。もし、葉の表面が黒くないのに、葉が黒い条件にしたいのである場合、葉のどこが黒いのでしょうか。葉の中には光合成をする部分があるはずですが、葉の中を黒くすれば、やっぱりその部分に光が届かなくなるのではないでしょうか。それとも、光合成をする部分を改変して、その部分自身がすべての光を吸収できるようにする、という意味でしょうか。その場合、少なくとも、光合成をする部分がどのように光を吸収しているのかを調べないといけないでしょう。
 最後の点に関しては、光合成は光を吸収するためにクロロフィル(葉緑素)という複雑な分子を使います。例えば、その分子の構造を変えてすべての色を吸収するようにすることができればよいのかもしれませんが、葉にたくさんある分子をすべて違う分子に変えるというのは、ものすごく複雑な作業をする必要があるように思います。(2019.8.17)

Q:1.ヨウ素デンプン反応が出ませんでした。
2.色を塗っていない葉はヨウ素デンプン反応が出ました。
3.葉を黒くしたものがヨウ素デンプン反応が出なかったので、ポスカで表面を塗ったことで葉に光が入らなかったと考え、これではダメだと思いました。それで、表面を覆うのでなく、インクを吸わせるなどして中から染めることを思いつきました。しかし、先生からのメールで、その方法でも、結局は黒インクがじゃまをして葉緑体には光が届かないと気づきました。光の波長と光合成速度の関係や、光合成色素の光の吸収率などは、調べて学んでいるところです。葉緑体そのものを黒く変えることができればよいと思ってますが、僕には今のところ分子の構造を変える方法が分かりませんし、自宅でできることなのかも分かりません。僕は、黒い葉の方が光を吸収でき光合成が盛んになりそうなのに、葉はなぜ黒くないのかという疑問から実験を始めました。調べる中で、葉が緑に見える理由を知りましたが、本当に黒ではいけないのかを確かめたいと思い、何とか葉を黒くできないかと考えて行き詰まっています。(2019.8.17)

A:なるほど。わかりました。ただ、そうすると、やはり難しい気がします。葉緑体自体の色、もしくは葉緑素自体の色を変えることは、たぶん専門の研究者でもまだ成功していないのではないかと思います。何か別の方向から考えるしかないのではないかと思います。(2019.8.17)


Q:自由研究で「ミカンの観察」を今年で9年間継続をしています(現在、茨城県の中学3年生です)。中学2年の時は、単純にヨウ素液を使用してミカンの葉っぱデンプンを調べました。また、葉っぱだけでなく他の部分でもデンプン反応が出るかを調査しました。
調査結果:葉っぱ、果実の中心にある維管束、発芽し始めた種子、1年以内の若い枝で、デンプン反応が確認できました。
 ここで疑問なのは、光合成によってつくられたデンプンは水に溶けないので水に溶けるショ糖に変えられ師管を通ってからだ全体の細胞に運ばれ、それぞれの細胞で使われると教科書に書かれていました。ショ糖に変えられたのであればヨウ素でんぷん反応は出ないはずなのに、なぜ反応がでたのか知りたく質問箱に投稿しました。特に、若い枝には反応が出て2年目以降の枝には肉眼で確認できる反応が見られませんでした。ただし、ミカンなどの植物を研究している機関のホームページなどをみると、果樹の幹のデンプン量を計測すると収穫量とかも予測できると書いてありましたので、個人でもできる検査方法も合わせて教えて頂ければと思っています。「みかん 枝 でんぷん」で検索すると「ウンシュウミカン‘青島温州’の樹体内デンプン含量の時期的変化と 冬季の根中デンプン含量による着花量予測」など、の文面が出てきます(2019.7.21)

A:ご質問の内容にある通り、葉で作られた光合成の産物は、一度水に溶けるショ糖などの糖に変えられて他の場所に運ばれます。ただ、運ばれたその瞬間に使われるとは限りませんから、運ばれた先の細胞で一時貯めておくことになるのが普通です。そしてその際に、多くの植物では、もう一度デンプンにすることが多いのです。そのため、他の枝や根などでもヨウ素デンプン反応が観察されることになります。ただし、イネ科の草などの中には、デンプンにせず、ショ糖のままためておく植物もあります。そのような植物では、あまりヨウ素デンプン反応は見られないでしょう。
 枝におけるデンプンについてですが、ヨウ素デンプン反応は非常に良い方法で、デンプンの検出方法として専門家も使います。検出方法を変えることよりも、検出の条件を検討したほうがよいかもしれません。以下の3点について考えてみてはどうでしょうか。
1.枝や幹は硬いので、ヨウ素液が内部に入らない可能性があります。ごく薄い切片にしてみる、あるいはお湯などで柔らかくする、などといった対策が必要な場合もあると思います。
2.デンプンがたまるのは枝や幹の全てとは限りません。おそらくは、周囲の一定の場所にたまると考えられますから、どの部分を調べるのかを考えたほうがよいと思います。
3.上のこととも関係しますが、全面にデンプンがたまるとは限らず、特定の小さな場所だけにデンプンが集中する場合もあります。そのような場合、もし、学校の顕微鏡などが使えれば、顕微鏡で見てみると、ヨウ素デンプン反応がごく小さな点のように見える場合もあります。
 さらに面白い結果が出ることを期待しています。(2019.7.22)


Q:いつも楽しく拝見しています。葉の透過率、反射率を測るのに積分球を使いますが、その際入射光の強度はどれくらいにするのでしょうか?(2019.7.16)

A:積分球は、単独で使うものではなく、分光器につけて使います。従って、通常は、入射光の強さは分光器の設定次第です。性能の良い分光器であれば、弱い光も感知できますから、弱くてもよいでしょう。(2019.7.22)