先端生命科学入門 第9回講義

遺伝子組換え植物の科学

Q:修復酵素を利用してピンポイントに遺伝子導入を行うと言う話が面白かった。ただ、ミスマッチ修復の時にはどちらの鎖がエラーなのかを見極められるほど正しいsequenceを認識できるはずの修復酵素が、配列が殆ど同じとはいえ中間に余計な遺伝子を挟んでいるT−DNAを正しいsequenceと誤認識して相同組換えをおこすというのは不自然な気がした。いったい何を基準にして修復酵素は正しいsequenceを認識(or記憶)しているのだろうか?後、通常の遺伝子導入時に、どうして導入したDNAが導入されたDNAに組み込まれるのかも不思議だった。核内にDNAを打ち込むだけで元のDNAに組み込まれると言うのは、まるでDNAを積極的に取り込んでいるようにすら見える。これも修復酵素の働きなのだろうか?


Q:遺伝子組換え食品というのは造るのは面白そうだが、食べざるを得ない状況というのは考えたくない。ゴールドライスの成功を見ると、たしかに、種の壁を越えて組換えて、ビタミン、各種必須アミノ酸、脂質、デンプンを光と水と空気から作り出し、かつ面積あたり収穫量が多いというような完全食イモとかトマトなどというものはいつの日か出来るかもしれないし、魅力的な計画だ。しかし、それはやはり近い将来起こりうる食糧危機を見据えてという気がして、何か悲しさを感じてしまう。光るシロイヌナズナ、青いバラやカーネーションそういった遺伝子組換え植物には遊び心のようなものが感じられるが、そういうものだけを作っていてばかりというわけにはいかないのだろうか。