先端生命科学入門 第12回講義

活性酸素と次世代的抗酸化剤

Q:今日は宮本教官から課題が出されたのでそちらに解答いたします。

課題・(授業で説明したもの以外に)生体内でのスーパーオキサイドアニオンの発生反応を一つ示し、簡単に解説せよ。

解答・macrophageの殺菌の手段としてスーパーオキサイドアニオンが利用されている。macrophageには通常、細胞膜因子 (cytochrome b558 の gp91 および p22 サブユニット) とサイトゾル因子 (p67, p47, p40) からなるNADPH oxidaseが存在している。この酵素は、普段は、これらの因子がcell membrane側とcytosol側に分配されているために不活性型をとっているが、 病原体を認識すると直ちにサイトゾル因子が細胞膜へ移行して活性化され、細胞膜上でこの酵素を介して NADPH → NADP+ + e-、O2+e- → O2-(ラジカル) という反応を起こし、スーパーオキサイドアニオン (O2−)を生成して殺菌を行う。このため、先天的に活性酸素生成能を欠く慢性肉芽腫症(CGD: chronic granulomatous disease) の患者は、真菌感染を繰り返して死に至ることも稀ではない。

追記・・・白金によって活性酸素を分解すると、自然免疫に対して何らかの(上記の反応の阻害など)副作用が起こったりしないものなのでしょうか?