先端生命科学入門 第10回講義

第3の生命鎖 -糖鎖の情報解読をめざして-

Q:前々から糖鎖について少し興味があったが自分で学ぶ機会が今まで無かったので今回のゼミはとても面白かった。まず、糖鎖の情報が直接にはgeneにcodeされていないというのが驚きだった。異なる糖鎖ではタンパクの活性が低下するとあったがこれは糖鎖の立体構造の違いによって正しくタンパクがfoldingされないということなのだろうか?後、一つのタンパクに複数個の糖鎖が付いている、ということも気になった。糖鎖の種類は数十種しかないので、複数種の糖鎖をタンパクにつけることで多様な行き先指定をしているのだと思われるが、その際の糖鎖のつき方と行き先の指定との間にはどのようなruleが隠れているのだろうか。また、Macrophargeが糖鎖を認識して自己非自己の区別を行っているということも初耳であった。今まで後天性免疫についてはclassIclassIIのMHC(HLA)やILにまで踏み込んだ説明を聞いたことがあったが、先天性免疫については殆ど何も知らなかったので非常に有意義な時間を過ごすことが出来た。


Q:シグナルとしての糖というのが、タンパク質などが機能するのに不可欠な要素というのはあまりよく知らなかった。講義でゴルジ体についてふれるときも単にここで糖鎖が付加する、程度しか触れられない(細胞外で機能するのだから当たり前かもしれないが)。あまり身近なものではないか、と言えばそうでもない。血液型や赤血球の寿命というような当たり前のようだがよく考えてみればどうやって決まっているのか知らないものが実は糖鎖によって決められていたのに驚いた。これから、細かい分子レベルの技術が発達していくにつれて、作ったタンパク質もしくはウィルスなどをどうやって組織に使わせるか、入れるか、ということが問題になるようになればより一層この分野が重要になっていくのだろう、と思った。