代謝生物学 第4回講義

二酸化炭素の固定

第4回は光合成のいわゆる暗反応、つまり炭酸固定の仕組みについて解説しました。今回の講義に寄せられた意見と、必要に応じてそれに対するコメントを以下に示します。


Q:現在硫黄代謝を行っているのもルビスコなのですか?葉緑体にたまったデンプンは何に使われているのですか?水の動きは浸透圧では説明しきれないのに、シンクとソースについては圧流説で説明できるのが不思議です。100メートルを超える植物でも光合成産物の輸送は圧流説だけで説明できるのでしょうか。なぜC3植物だけが光呼吸をして、C4植物は光呼吸しないのでしょうか。C4植物では光合成にたくさんの光を利用できるから光阻害が起こらないのでしょうか。

A:疑問を持つのはサイエンスの第一歩なのですが、そこで終わってしまったら、それは単なる疑問でサイエンスにはなりません。短いけれどもレポートなのですから、自分が抱いた疑問に対して、自分なりに考察する過程が必ず必要です。その考察が正しいかどうかは、必ずしも問題になりません。論理的な考察を展開できるかどうかが一番重要なのです。その考察のために、何か教科書なり文献なりを調べることも必要になってくるかも知れませんが、この講義ではそこまでは要求しません。これは、他のレポートについても言えることですが、ここに書いておきます。


Q:生物の酵素活性の特性によって生物体内の同位体比が変わるということは面白いと思った。12Cと13Cでは質量が8%も違うから反応が異なるのはありうることだと思うが、その酵素の反応は電荷の偏りによる静電気力ではなく、分子間力によるところが大きいのだろうか。また、そのようなことが起きるということは3Hなど放射性同位体を標識とした研究に影響はないのだろうか。

A:12Cと13Cは異なるのは中性子の数だけなので、電荷の偏りというのはあまりないような気が・・・。トリチウムは炭素などに比べると質量が小さく、交換速度が速いので、炭素の場合とは使い方も若干異なります。もちろん、同位体効果というのは常に頭に置いておく必要があります。


Q:今回の授業を聴いて、C4植物には二酸化炭素を濃縮して光呼吸を抑制する、という利点があるので、いずれC3植物はいなくなってしまうのではないかと感じた。その他の利点を調べてみると、「PEPカルボキシラーゼの高い活性は、C4植物の気孔の開口を抑えることができるので、体内の水分保持に有利である」という記述があったが、どのような仕組みで機構の開口を抑えるのでしょうか?また、「高温でより効率よく光合成を行うことができる」のは何故でしょう?C4植物の問題点(?)は、その最大の特徴であるCO2濃縮のためにATP2分子を必要とすることである。故に低温地域ではC4植物よりC3植物の方が有利になるだろう。今回のプリントの5ページの右下の絵を見る限り、葉肉細胞におけるCO2固定とC4酸の生成は葉緑体のストロマで行われる。6ページの左下の絵のように、細胞質でその反応を行って、1つの細胞内でのC4化(?)を自然に行う植物はいないのでしょうか?C3植物にもPEPカルボキシラーゼの遺伝子はありますか?或は発現していて、C4回路とは別の働きを持っているのでしょうか?

A:別に「PEPカルボキシラーゼの高い活性は、C4植物の気孔の開口を抑える」といってもカルボキシラーゼ自体が気孔に働くわけではありません。単に、「気孔を閉じても平気である」という意味です。1つの細胞内でC4回路的な代謝をする植物は知りませんね。PEPカルボキシラーゼ自体はC4回路以外に、オキザロ酢酸から糖を作る過程で働きますので、C3植物にもみられます。


Q:ホウレンソウなど、光合成産物をショ糖の形で保存する植物もあるという話を授業で聞きましたが、これは初めて聞きました。確か昔に、「植物が光合成産物をデンプンの形に保存するのは、糖をたくさん繋げて濃度を下げることで浸透圧を調節しているためだ」というように習った覚えがあるのですが、ショ糖を保存形態としている植物では浸透圧をどう調整しているのでしょうか?また、ホウレンソウでショ糖が蓄積されているのだとしたら、食べたときにもっと甘い味がしてもよさそうなものですが、ホウレンソウではあまり産物が蓄積されず、すぐ使われるということなのでしょうか。過去の質問には、ショ糖で蓄積されている分からさらに余剰になった分がデンプンとして蓄積されるといったことが書いてあるようですが、そのことと関係があるのでしょうか?

A:これはよく考えた質問ですね。ショ糖を転流する植物では、その師管液のショ糖濃度は 1 M にもなることがあるそうです。師管の場合は、まさに浸透圧を利用して師管液の流れを作っているのでよいのですが、その他の細胞では、確かに問題でしょうね。隣り合う細胞の浸透圧の差を余り大きくしないことで対応しているのかも知れませんが、よく知りません。一般的にホウレンソウのような一年草は稼いだ炭水化物をためるよりはどんどん次の成長に回すと思いますから、そんなにショ糖濃度は上がらないでしょうね。また、特に葉っぱの部分では、糖の濃度が上がると一種のフィードパック阻害がかかって光合成遺伝子の発現が抑えられてしまいます。従って、貯めるとしても葉っぱ以外の部分に貯めるのではないかと想像しますが、これもよく知りません。


Q:Rubiscoの二酸化炭素の固定反応の効率はとても悪くC3植物では光合成反応の際に無駄にエネルギーやATPを浪費している一方でC4植物においては二酸化炭素濃縮機構を持つため光合成反応の効率がC3植物と比べるといいことがわかりました。それは一種の進化ということでしょうか?そしてイネのC4化の研究がなされているとのことでしたがC4化に成功すればイネの生育が早くなったり色々な面での応用が利きそうだと思うんですが、イネに限らず多くのC3植物がC4植物ではなくC3植物であり続ける利点みたいなものはあるのでしょうか?

A:二つ上のレポートで、二酸化炭素の濃縮にATPが必要であると書いてありますが、その通りなのです。第1回の講義でエントロピーの話をしましたよね。もともと均等に散らばっていたある物質が特定の場所に濃縮される、ということが自然には起こりえないこと(エントロピーの減少を伴うこと)はわかりますよね。とすれば、ATP2分子を必要とする、などと言った知識がなくても、第1回の講義の知識を使えば、二酸化炭素の濃縮には何らかのエネルギーが必要なことは明らかなわけです。学んだことを単なる知識の習得で終わらせるのではなく、それを組み合わせて論理的に考えることが大事です。


Q:Rubiscoのは世界中で最も多い酵素ということを聞いたことがあったのですが、その酵素が「効率の悪い酵素」だということが、何やら不思議に感じました。理由は、「世界中で最も多い」ということは、Rubiscoは、「最も重要で、需要の高い酵素」だと考えたからです。今までの講義の流れから見ると、生物はエネルギー獲得のために、非常に効率的で、理に適った手段を編み出してきたと思ったからです。そのために驚くくらい巧妙でも、簡潔に反応の進む経路を実行し、進化してきたものだと思いました。しかし、ここに来て、Rubiscoが効率の悪い酵素という話になったからです。

それは、Rubiscoが現れたときは、まだ、大気中の酸素の占める割合が今よりもうんと少なかったため、酸素との親和性はあまり気にならなかったためではないだろうかということで、「なるほど!」と納得した点もあったのです。が、では、何故、酸素量が増加してから、今まで、何の進化も遂げなかったのかということが疑問として浮上しました。それは、植物が陸上に進出するまでの時間が非常に長くかかり、陸上に進出したころには、もう、なくてはならない酵素となったと考えました。だから、酵素を改めるのではなく、C4植物やCAM植物などによる光阻害からの回避を独自に獲得した形であり、進化の結果なのかなと思いました。

一方、CAM植物に関してなのですが、植物は、液胞にリンゴ酸のプールを作り、炭素固定に用いるとのことだったのですが、植物が液胞内にリンゴ酸を蓄積する際、細胞質と液胞との間にpHの勾配ができるのではないかと思いました。ということは、この勾配を利用して、ATP合成などを行うことはできるのでしょうか?

A:後半は面白い視点ですね。その通りで、pH勾配があれば理論的にはATPの合成を行なうことができます。ただ、これも上のレポートの話と同じで、液胞の中を最初に酸性にするためには、何らかの形でエネルギーを使っているはずです。そして、これもエントロピーを考えると、つぎ込んだエネルギー以上のエネルギーを回収することは不可能ですよね。つまり、エネルギー生産系としては役に立たないことがわかります。


Q:植物が光合成の効率を上げるためにはC3回路よりもC4回路のほうが適している、というのがわかった。しかし、なぜすべての植物がC4植物ではないのか、という疑問も持った。そのことについて調べたところ、C4植物はCO2を効率よく固定するためにエネルギーが必要であり、高温にならない環境では余計なエネルギーを使わないC3植物のほうが有利である、ということがわかった。植物は生育に不利な自然条件に対応するためにC4回路のような方法で生き延びようとしていることがとても興味深く感じました。

A:あと一歩。調べたところまではいいのですが、それを鵜呑みにせずに頭を使いましょう。なぜ、「高温にならない環境では」なのでしょうか。これは少なくとも自明ではないでしょう。必ず考える習慣が必要です。


Q:イネのC4化って具体的に何かメリットあるのですか。光合成の効率が上がるようでいて、実は二酸化炭素の濃縮しかできなくなる細胞が増えるために、トータルの光合成効率は変わらないらしいのですが。また、イネのように水田で育てる植物は水ストレスがかかっていないために、ケナフのように気孔を開けっ放しにしており、特に二酸化炭素を濃縮する必要もないと思います。他にも何かイネをC4化するメリットがあるのでしょうか。

A:この場合に、まず考えなくてはいけないのは、誰にとっての「メリット」か、という点ですね。イネは進化の過程でC4化しなかったわけですから、現実にイネが生える環境下においては十分ハッピーで、イネ自身にとってはおそらくC4化するメリットはないはずです。とすると、この場合のメリットは人間にとってのメリットだということになります。「イネのように水田で育てる植物は」と動かしがたい前提のように書いてありますが、なぜ水田で育てるのかを考えてみましたか?それはイネがC3植物だから、というのが一つの理由です。陸稲というのがありますが、通常、水田でなく育てれば、稲の生育はどうしても低下します。けれどもC4化すれば水田にする必要がなくなるかも知れません。そして、水田を維持するためには十分な潅漑が必要でコストがかかります。ということで、その点だけをとっても人間にとってはメリットがあることがわかります。

ちなみに、「トータルの光合成効率は変わらない」とありますが、C4植物では光合成の量子収率が高いとの報告があります。ただ、炭素固定の回路と光化学系の量子収率がなぜ関わるのか、よくわからない点もあり、こちらはまだ研究の余地がありそうです。


Q:C4植物について調べてみました。C4植物は、簡単に言うと、CO2固定の過程を葉肉細胞に存在する葉緑体で、カルビンベンソン回路の過程を維管束鞘細胞に存在する葉緑体で行います。C4植物の利点として、まず、Rubiscoは基質としてO2とCO2が競争関係にありますが、気孔付近での炭酸固定をRubiscoでない酵素(PEPC)によって行い、RubiscoはO2が少ない維管束で働かせることにより、RubiscoとO2との反応(光呼吸)が起こらないようにさせることができます。このため植物の補償点が低くなり、CO2が少ない環境(現在の地球)でも効率よく光合成を行うことができます。また、水や窒素、さらには光の利用効率すら高くなります。(光化学系I、IIで生じる還元力をすばやく大量に消費することができるため)これだけの利点があるのなら、どうしてすべての植物がC4の仕組みを使わないのか、不思議に思っていました。そこで調べてみると、C4植物では、C4(オキサロ酢酸)のかたちでとりこまれたCO2を、カルビンベンソン回路に放出する際にC3であるピルビン酸が生成します。このピルビン酸をまたCO2を取り込むために利用できる形(PEP)にするために、ATPが2分子必要となります。つまり、C3植物よりもATPが余分に必要となるのです。そのために、光呼吸の悪影響と、ATPの消費とで、植物にとって得な方が進化の過程で選択されたと考えられます。

A:きちんと調べましたね。あと、欲を言えば、「光呼吸の悪影響」、「ATPの消費」という2つの要因を考えた場合、どのような条件でC4を選択肢、どのような条件でC3を選択すると有利になるのかについて考察があれば完璧です。


Q:SPS活性が高まると葉内デンプン量が限りなく小さくなっています。普段は葉内でのデンプン貯蔵量を維持する必要はなくて、カルビンサイクルで生成されたトリオースで転流が出来ない分が単にデンプンとして蓄積されているということになるのでしょうか。SPS活性と糖の合成の関係をみると葉内デンプン量がほとんどなくなっているので、葉内デンプン量を一定に維持する機構はないものなのかと思いました。圧流説での師管液の流れもSPS活性が関係する事になりますよねデンプンが分解されないというsex1はWTと同じように生育するのでしょうか?配布資料には葉の形がWTに比べて丸い形になっているようなのですが、デンプンが分解できないと糖の輸送がうまくいかないと思うのですがCAM植物の朝の葉の汁のpHは3となるとかなり酸性になっていても平気なんですね。簡単な実験なのでベンケイソウとかが手に入ったらやってみたいです。

A:葉の中のデンプンは、基本的には「余り」なのだと思います。葉は光合成器官なので、基本的には有機物は自分で合成できますから、デンプンを貯めておいても特に利点はありません。本当は有機物を必要としている器官に転流したいのですが、それができない時にデンプンとして貯める、というイメージでよいのではないかと思います。

葉の汁がpH 3になる、ということですが、これは、細胞質のpHが3になるということではありません。葉をすりつぶす時には、液胞が壊れてしまうので、液胞の中の酸によって全体が酸性化するだけです。


Q:今回の講義で紹介された光呼吸は、はっきりとした生理学的意義が見出しにくいということではあったが、この何億年にもわたる長い年月をかけた進化の結果存在しているということは、やはり、大きな意義があってしかるべきではないだろうか。C4植物は、気孔で取り込まれたCO2が葉肉細胞で酸の形で濃縮されて維管束鞘細胞に輸送され、そのCO2の濃縮で光呼吸が抑制されているようだが、本当に光呼吸に意義がないとしたらC4植物はC4回路に余計なエネルギーが必要とはいえ、もっと地球上に蔓延っていたのではないだろうか。これは何の根拠もないでたらめな推測だが、確かに光呼吸には光阻害の回避という面もあるだろうが、植物はあえて光呼吸という無駄な消費をすることによって大きな環境変動といった緊急時に余裕を持って備えられるようにしているのではないだろうか。現に人間も火事場の馬鹿力に代表されるように、本来持っている力を普段は全て出し切らないようになっているので、植物にも似たようなものがあるのではと考えたが…。

A:光呼吸の場合がどうかは別として、火事場の馬鹿力説はいろいろな面で当てはまる場合があるようです。次回の講義では、もしかしたらそのような事例を紹介するかも知れません。


Q:今回の講義の中からルビスコについて調べてみました。ルビスコ、リブロース-2-リン酸カルボキシラーゼ/オキシナーゼはRuBPと二酸化炭素、酸素との反応を触媒しており、二酸化炭素固定においてもっとも重要な酵素である。しかし元は枯草菌において硫黄代謝に働いているRLPとも言われておりそもそもが二酸化炭素固定用の酵素ではなかったため非常に効率が悪い。その上分子量544000ほどの超巨大タンパク質のため、必要量のデンプンやアミノ酸を得ようとすると細胞は膨大な投資を行わねばならない。

分子量が膨大なのに対し炭酸ガスとの結合に使うのはたった19アミノ酸残基分であり、カルボキシラーゼのほかにオキシダーゼの役割を持RLPの機能も保存していることから、もう少しスリム化してもよさそうだとまず思った。結合部位は1大サブユニットにつき1箇所のようなので節約のしようもありそうだが、オキシダーゼの反応部位はカルボキシラーゼの反応部位と同じなので削除しにくく、また他の部位についても二酸化炭素濃度が下がって久しいのにあまり変化が見られないことから中立の変異は起きにくいと考えられる。または歴史的にみて二酸化炭素濃度低下が新しい出来事で変化するのにまだ十分な時間が経っていないとも考えられるが、各種植物がルビスコの変化より投資率の増大を採択しているのが実情で、ルビスコの、効率の悪さは甚だしいが、生命維持における重要性がうかがい知れる。 そもそもルビスコの効率の悪さは低二酸化炭素と高酸素によるのだからC4植物のようにルビスコの存在するところのCO2、O2の濃度調節を獲得する方向に変化したのは頷ける。しかし、やはりルビスコの改良が第一のように思える。 海草のノリの一種から通常の2倍以上の二酸化炭素との親和性をもつスーパールビスコが見つかったそうだが、農業的導入や、また収斂的に他の植物での獲得が期待される。

A:酵素の能力の指標としては、基質との親和性を示すKmと、基質が飽和した時の最大活性を示すVmaxがあります。スーパールビスコの問題点は、その両方をよくしようとするとうまくいかない、という点にあります。そこが解決すればよいのですがねえ。


Q:炭素同位体の分別という現象から、縄文人の食生活や砂糖の由来がわかるという点が興味深かったです。PEPカルボキシラーゼは非選択的、普通は選択的と聞いて、あまり性質の変わらない2種の原子を区別するのには複雑な機構があるのかと思い調べてみると、相対的に見ると2種の質量差は意外と大きく拡散速度や反応性にも違いがあるので、ある程度同位体を区別して使うことは酵素にとってはそう難しいことではないのかもしれない、と思いました。

A:光合成の分野においては、酸素発生によって生じる酸素が二酸化炭素由来か、水由来かを決める実験も同位体を利用して行われました。酵素の場合は、別に同位体を区別して得があるわけではないので、たまたま、ということなのでしょう。


Q:酵素の進化について。二酸化炭素を固定する酵素が、ケトを異性化してエノールを作る酵素から進化したという説には非常に驚いた。ルビスコは二酸化炭素と酸素を見分けられずにリブロース二リン酸と結合させてしまうというのだから、オキシゲナーゼから進化したという方がありそうなのに。不思議に思ったので、論文を調べてみた。その結果、リブロース二リン酸と、枯草菌のRLPの基質(DK-MTP-1-P)が非常に似た構造をしていること、ルビスコが触媒する最初の反応はエノール化であって、その後に二酸化炭素/酸素が付加するという二点が分かって納得した。光合成生物のルビスコと枯草菌のRLPの間でアミノ酸配列の比較結果と、ルビスコで得られているアミノ酸の機能的知見はよく一致しているようだ。ルビスコは、リブロース二リン酸のエノール化まではそこそこ良い効率で触媒できるけど、その先の効率が悪いのだろうか。これについては調べられなかったのだが、もしそうであればエノラーゼ起源説を支持するものであろう。 生物が炭酸固定できるのは、リブロース二リン酸とDK-MTP-1-Pの他人の空似のお陰なのか!といたく感心していたら、ルビスコを使わずに炭酸固定を行っている生物も存在するという記載にいきあたった。なぜ優秀とも思えないルビスコが多数派になったのだろう。たまたまルビスコ型の炭酸固定を行う生物が広まっただけ、という進化上の偶然なのか?それとも、酵素単独では優秀じゃなくても、回路全体が系として優れていたのだろうか。

A:いくら効率が悪いの何のといって悪口を言っても、現在地球上の多くの植物がルビスコを使って二酸化炭素を固定しているわけですから、進化的な選択圧をくぐり抜けてきたことは確かです。 では、他の炭酸固定の方式と比べた時にどうか、ということを考える場合には、生物種も違うのでなかなかすっきりと答えを出すわけにはいきません。でも、常にそのような考え方を頭に置いておく姿勢は必要だと思います。


Q:先週に続き爆睡してしまいました。授業をカメラで記録してますよね。あれ見たいのですが可能ですか?先週のも。工業化などで空気中の二酸化炭素濃度が高くなり温暖化などが問題になっている。遺伝子操作をして、光合成の効率がいい、合成したデンプンを呼吸で消費できない植物は作れないだろうか。デンプンが使えなくて死んでしまったものは焼却処分せずに、封印。

A:カメラで撮っているのは、今年度の後期にストリーミングサーバから配信予定、と聞いていますが、具体的にどのような形で配信されるのかについてはよく知りません。学内からは見られる形にはなるのではないかと思いますが。次回は最終回なので、寝ないで頑張ってくださいな。