代謝生物学 第3回講義

光の吸収と電子の伝達

第3回は光合成色素による光の吸収、反応中心における電子の伝達、2つの光化学系などについて解説しました。今回の講義に寄せられた意見と、必要に応じてそれに対するコメントを以下に示します。


Q:光化学系IIからQ-サイクルまでの流れをまとめる。光化学系IIのフェオフィチンが初期の電子受容体として働き、その後電子は2つのプラストキノン分子(QA,QB)へと順番に渡る。QAとQBは反応中心に結合している。QBへの2回の電子移動により、QB2-が生成する。QB2-はストロマ側から2つの水素イオンを取り込んで、プラストヒドロキノンQH2となる。QH2になると、反応中心との結合が外れ、膜内の炭化水素鎖に囲まれた領域に出て、シトクロムb6f複合体へと電子を渡す。プリントのQ-サイクルの絵で、プラストキノン1分子分ではなく、2分子分の電子伝達が描かれていたのには意味があるのですか?また、中心のPQは、移動中のQH2を表しているのですか?Q-サイクルでは、まずQH2が酸化され、2つある過剰電子のうち、1つが電子伝達鎖を通って光化学系Iへと流れる。もう1つの電子はb6f複合体内を循環する経路を流れて、膜を横切る水素イオンの流れを増加させる。b6f複合体のコンフォメーション変化ですが、Q0からFeSに電子が渡ることでb6f複合体のコンフォメーションが変化し、それによりBLの準位が下がって、Q0からbLに電子が渡せる、ということですか?また、bLからbH、bHからQiへは、電子はどのように渡るのでしょうか?

A:Q-サイクルのところでプラストキノンが2分子になっていたのは、電子の数を4にするためです。なぜ、4かというと、酸素を1分子発生するごとに4電子流れるからです。中心のPQは移動中のPQH2を示していますが、もちろん帰っていくPQが図には書かれていませんが、存在します。b/f複合体の中の電子伝達はおよそその通りです。複合体の中の電子伝達なので、単に、いわば「電子が飛ぶ」ということになります。


Q:植物の持つ色素には、光を感知する役割のアンテナ色素と、そのアンテナ色素から励起エネルギーを受け取って光化学系IIに電子を渡す反応中心とが200:1くらいの割合で存在しているという話が今回の授業で出てきましたが、なぜこのようなシステムになっているのでしょうか。考えられることは、ふつう植物が得ることのできる光の量は、普通植物が持っている色素の密度に対して200分の1程度に収まるものだということ。植物体に当たる光を余すところなく光合成に利用するためには、色素を葉全体に分布させておいて全ての光を吸収する必要がある。けれども、その色素1つ1つにすべて光化学系を用意していても、その全ての光化学系が常に光合成を行っていられるほどの光量は与えられないから、必ず「あぶれる」光化学系が出てくる。だとすれば、葉全体に分布させたクロロフィルのうち、多くは励起エネルギーを反応中心に渡す役割をし、反応中心に集められた光がそこにセットになっている光化学系にエネルギーを与えて光合成を行う、という風にしておくことは、光化学系という複雑な機構を用意するためのエネルギーコストを節減している上手いやり方のように思えます。と、ここまで書いて、そういえば教養のときの授業で「植物にアンテナ色素というのがあって、光を効率よく利用するために云々~」なんて説明をほんのちらっと聞いた記憶もありました。その時はよく話を理解できなかったのですが、こういう話だったんでしょうか?あまり関係はないですが、なんだか、生物のDNA配列のなかの大部分=ジャンクと思われていた配列の多くが実はmicroRNAなどに使われる配列らしい、という話題を連想しました。一見、「重要」と思われるもの(クロロフィルで言えば反応中心、DNAで言えば遺伝子をコードしている領域)が全体のごく一部であっても、そのまわりの構造もまた、「重要」なものを制御するための重要な要素として働いているものなのかな、と。

A:まさにその通り。コメントの付け加えようのない簡にして要を得た内容です。


Q:クロロフィルと構造が酷似した色素をもち、赤外線を感知するために使用している魚がいるというところから、動物の赤外線感知の方法について調べてみました。まず、人間は、皮膚で熱を感じることができます。しかし、人間の目では赤外線を見分けることはできません。ガラガラヘビやマムシの仲間は、赤外線を「見る」ことができます。といっても本来の目ではなく、目の前下方にある左右一対のくぼみ(ピットとよばれる)を用いて、立体的に赤外線を感知することができます。これは赤外線を発する熱源としての物体を立体的にみていることになります。蚊も、他の生物から発生する赤外線を感知することができます。これも、赤外光をとらえるのではなく、熱を発する物体によってそこに生じた上昇気流を感知し、それにのることでその物体に近づくことができる、というものです。つまり、赤外線を熱ではなく光としてとらえ、色素内で光エネルギーによる励起がおこり、感知することができる、という仕組みを持つ動物は、Malacosteus nigerの他にいないようです。またこの色素は、クロロフィルなどの植物がもつ色素と起源は同じで進化の過程で役割や構造が変わったものだと考えられます。植物が光合成に使用する色素と、動物の体内に存在する色素、その構造には似たものも多いようなので(クロロフィルとヘモグロビンなど)、関連性や進化の過程などの研究もおもしろそうな気がします。

A:蚊が赤外線ではなく、上昇気流を関知しているとは知りませんでした。真夏の場合、蚊は朝夕に多く出てきて日中には少ない気がしますが、体温と気温の温度差が小さくなると上昇気流が生まれなくなる、と解釈すると説明できますね。


Q:代謝経路の決まり方では、酵素を使ったり、電子伝達において距離を遠くする、もしくは、反応速度を速めることで、経路を順調に進めていくという点が非常に理に適っていると感じ、深く感心しました。特に、光の収集のアンテナに関しては、エネルギーレベルをうまく調節し、反応中心に有効な波長の光子を多く集めることのできる点に関しては、圧巻でした。しかし、このアンテナに関して、一つ思うところがありました。光収集のアンテナは、ただ、光を集めるのではなく、光子がアンテナをくるくるめぐるという風に先生はおっしゃっていたと思うのですが、もし、このことが間違えていなければ、このアンテナは光子の収集を調節できるということなのでしょうか。もし、過剰な光が植物に降り注いだときは、その光子を逃がしたり、もしくは、アンテナ内で移動させ続けることによって、光子をある程度、とどめることができたりするのでしょうか?ただ、その場合ですと、光子のエネルギーがどんどん消耗してしまうような気もするのです。

一方、電子伝達に関してです。P-700からの電子伝達の仕組みに関してなのですが、この反応では、A0→A1以外の反応では、反応時間が比較的短いと、酸化還元電位の変動が大きいと思いました。これは、単なる偶然なのでしょうか?確か、酸化還元反応は可逆的であるということで、進みやすい反応と進みにくい反応に分けることができたと思うのですが、このことと、電子伝達の反応時間、反応物質との距離も関係あると捉えてよいのでしょうか?

また、話が前後してしまうのですが、代謝経路と酵素の関係に関してです。代謝経路を決定するために、酵素が非常に重要であるということは、何か、植物体に突然変異が生じ、酵素の活性が不活性になった場合、その代謝経路は正常でなくなり、別経路を選択すると考えてもよいのでしょうか?もし、そうであれば、光合成以外の別の代謝に関して、何らかの形質変化も生じると思います。

A:アンテナの中の色素の間のエネルギー移動は、多くの場合偶然に起こります。つまり、エネルギー準位の同じ色素同士の場合、AからBへエネルギーが動く確率とBからAへ動く確率は同じで、いわば酔っぱらいがふらふら歩き回るようなものです。調節のメカニズムとして「留めておく」ということができるわけではありません。また、分子レベルのエネルギー移動は確率の問題で、エネルギーが完全に移動するか、それとも熱などの別の形になるか、の1−0で決まります。従って、反応中心に行き着くまでに長くかかれば、熱などの形でエネルギーが無駄になる確率は増えますが、エネルギー移動の効率は極めて高いので、「どんどん消耗する」ということはありません。

電子伝達の速度は、主に反応する分子(原子)間の距離によって決まります。エネルギー準位の差も影響しますが、これはむしろ差が小さい方が速度が上がるぐらいです。二つの原子の間にエネルギー順位の差がある場合は、周囲の溶媒などとの相互作用によってその原子のエネルギー準位が変化し、たまたまエネルギーの差がなくなった場合に電子の移動が起こります。ですから、真空中にエネルギーレベルの差のある原子が二つ浮かんでいた場合には、ほとんど電子伝達は起こらないはずです。

代謝を担う酵素が不活性化した場合に別経路が働く可能性がある、という点はその通りです。植物ではぱっと具体例が思い浮かびませんが、ヒトの遺伝病などでは、酵素の不活性化により、普段たまらないはずの物質がたまって発症する、という例はよくありますよね。


Q:光合成色素にはクロロフィルa、b、c、d、カロテン、キサントフィル、フィコシアニン、フィコエリスリンなど色々な種類が存在し吸収波長が異なっているため、水深のある条件下や水表面付近での様々な環境や波長条件に対応してそれぞれの色素を持っていることがわかりました。また各々の光合成色素には光捕集以外にも役割を果たすものもありカロテンとくにβカロテンなどは何らかのストレスや光合成の過程で生じる酸化物質である活性酸素(主に一重項酸素)を抗酸化してやる役割をもち、植物の生命活動を行うための防御機構となっています。ただ、疑問なのはカロテンを持たない光合成細菌などは太陽光という強いエネルギーを受けながら活性酸素に対するどのような防御機構を持っていたのでしょうか?それとも活性酸素が発生しないように非効率な回路を組んでいたのでしょうか?

A:光合成細菌がカロテンを持たない、と言った覚えはないのですが・・・。特定の種類のカロテンを持たない光合成細菌はいるかも知れませんが、カロテノイドを全く持たない光合成細菌は存在しないと思います。ちなみに、ほとんどの動物でも、カロテノイドは生存に必須の成分です。


Q:今回の授業では、光の吸収と電子の伝達、ということで、「色の違いは波長の違いであること」や、「植物の色が緑色に見えるのは植物は緑色の光を吸収しないから」といった、当たり前のようであまり意識しないことがわかってよかったです。また、クロロフィルa~dのそれぞれの違いについても知ることができました。プリントの水深と透過する光、という項目にあった外洋のきれいな水・プランクトンのいる内海・浮遊物のある汚い池の3地点でクロロフィル等の光合成色素の量を実際に測定すると実際にどのような対応が見られるのか興味を持ちました。

A:興味を持ったら、まず予想してみましょう。どうなるかな、と考えてみることが研究者にとっては非常に重要なのです。


Q:海藻のクロロフィルの種類が海水中の透過光によるものだとは知らなかったので、様々なクロロフィルを持つ理由が分かってよかった。ただ、臨海実習以来海藻とは縁が無いので、褐藻、紅藻といった分布も透過光の種類、つまり水深によって決まっていたかどうか忘れたので、その内確認してみます。あと、red dropの説明の時に、どうして二箇所両方が働かなくなったと考えずに、その内の一箇所しか働いてないという話になったのかがよく分かりませんでした。

A:red dropの話の中で問題となっていたのは、「収率」です。つまり、吸収した光あたりにどれだけの反応が進むか、ということです。光合成は色素による光の吸収によって始まる反応なので、基本的には「光を吸収しさえすれば反応は起こるはずだ」というのが前提なのです。両方働かなくなった、と考えると、「では、吸収した光はなぜ光合成に使われないのか」という別の疑問が生じます。二つのうち一方だけが「光を吸収できない」のであれば、光を吸収しない方は働かないのが当然ですし、光を吸収する方も、もう一方が働けない以上光合成ができませんから、光を吸収して、かつ光合成に使われないことには疑問が生じません。2つ仮説がある場合、より前提が少ない仮説をとるのが、科学の常ですから。


Q:反応中心が光受容体の中の1/100程度であるということで、アンテナとしてのみ機能しているクロロフィルと反応中心のクロロフィルに構造上の違いはないのか、また、反応中心は長時間固定されているのか、それとも短時間に入れ替わっているのかも知りたい。クロロフィルは、落葉する植物が回収することから高コストの光受容体のようだが、ほかの光受容体になく、そのコストに見合ったメリットがあるのだろうか。

A:アンテナでも反応中心でも、分子としては全く同じです。タンパク質との結合の仕方が差を生じており、その結合は入れ替わったりはしません。コストという意味では、クロロフィルは窒素を含むので、その意味でコストがかかります。カロテノイドなどは窒素を含まないので、基本的には光合成産物だけを原料として作ることができます。メリットという面では、励起された状態をある程度安定に保てる、ということがあるでしょう。また、カロテノイドなどに比べて電子の授受も起こりやすいと思います。


Q:クロロフィルやヘムなど、生物にとって重要な役割を担うタンパク質に多く見られるポルフィリンについて調べてみました。ポルフィリンはグルタミン酸もしくは、グリシンとスクシニル(コハク酸)CoAから作られたピロール酸が4つ縮合し閉環してできる。またクロロフィルとヘムの生合成の最終共通経路を担う酵素、プロトポルフィノーゲン酸化酵素は動物植物を問わず広く偏在している。ポルフィリンはほぼ全ての重金属を中心に迎えられ、このため様々な触媒効果をもち、さらに吸光係数が極めて高くまた酸化還元特性もきわめて高い。このため様々な生物で重要なタンパク質や補酵素として存在する。全てが同じものから合成されるわけではないので収斂かとも思ったが、よく見られるアミノ酸からそう難しくない経路を経て合成され、酵素も各生物に偏在しているので環境に応じて原材料がかわるだけで生物に広く保存された物質であろう。また吸光係数の高さから太陽光電池への応用もみられる。細胞内の生命現象などは雑多な印象を受けるが、行っている事の大半は電子の授受なので様々な経路でポルフィリンを利用した反応がみられ、偶然にも得た効率の良い産物の応用利用を持って生物が複雑化していったのだろうとおもった。

A:吸光係数が高いというのは光合成にとっては非常に重要なのですが、場合によっては不利益になります。光は、物質が無色であれば単に透過するだけですが、吸収されるとその物質にエネルギーを渡しますから、そのエネルギーが適切に利用もしくは消去されないと細胞に損害をもたらす可能性があります。時々思うのですが、ヘモグロビンに吸収された光のエネルギーはどうなるのでしょうね。


Q:水中では届く光のスペクトルが環境によって大きく異なり、それが色素の多様性の原因であるという考えは面白かった。光合成生物の系統的な多様性も水中の方が大きいので、進化的な側面もあると思うが。集光システムとしては、shallow trapとdeep trapは異なる環境に対する適応形態というよりは、deep trapの方が効率の良い、優れた集光装置という認識で良いのだろうか?shallow trapの中で、プリントに挙げられていた緑色硫黄細菌のように複数の反応中心が多くの集光装置を共有しているようなものは、反応中心ごとに集光装置を持っているよりも光環境を均一化するという効果があるとは思う。しかし、小さな体で空間的な均一化を行うことにどれほど意味があるのか分からない。

A:deep trapの場合も、エネルギー伝達の効率、という意味では非常に優れている、というわけではないと思います。一方で、いろいろな色の光を吸収して使うことができる、という意味では非常に有利でしょう。緑色硫黄細菌のアンテナ系は極めて特殊ですから、実際には、生息環境の特殊性なども含めて考えないといけないかも知れません。


Q:以前高校の生物の授業で植物がなぜ緑色に見えるのかということを取り扱った記憶がある。緑色の光を吸収せずに放出するためというのは当時の自分でもよく理解できた。これをふまえて次にこのような実験を行った。植物の葉のクロロフィルを抽出して得た液体を試験管に入れて白色ランプで光を当てる。試験管をはさんだ光源の向かい側で通過光を見ると緑色に見える。しかし、光源側にて反射光を見ると赤色に見える。その理由を考えるものであった。当時の自分には全く見当もつかなかったが、抽出した色素は緑色以外の光をいったん取り込むが、実際に光合成を行うことができないのでそのまま反応に利用されずに反射光という形で放出されるという説明であった。これは、光合成は単にクロロフィルの存在だけでは行えないことを意味しているのだろう。長い年月をかけた進化の結果生み出された光合成というシステムの壮大さを感じずにはいられない。

A:その実験が「光合成は単にクロロフィルの存在だけでは行えないことを意味している」というのはまさにその通りですね。ただし、赤い光は正確に言うと「反射光」ではありません。反射光というのは、吸収されずに戻る光を言うのですが、その実験の場合は、一度吸収された光が、いわば行き場がなくてもう一度光となって放射されるので、蛍光といいます。反射光の場合は、吸収されないので、当てた光と同じ波長の光が帰ってきますが、蛍光の場合は、一度吸収されて一部のエネルギーが熱となるため、エネルギー的に低い(より長波長の)光が放射されることになります。実験で、当てた光が白い光なのに、戻る光が赤く見えたのは、そのような意味があるのです。


Q:クロロフィルは可視光のうち赤と青の領域を吸収するため緑色に見えるということだった。緑色も吸収できるよう遺伝子操作すれば農作物の成長は早くなるだろうか。緑も吸収したら真っ黒になって畑の見た目がよろしくないが。ランなどの花は、遺伝子操作か掛け合わせかわからないが、最近新しい種類が増えている。葉も観賞用に色素を抜いたり加えたりすることができるのだろうか。

A:今は、作ろうと思ったら青いバラまでできていますから花の色の方がいろいろできるでしょう。ただ、光合成の方では、単に緑の光を吸収できるようにするだけでは足りずに、そのエネルギーをきちんと反応中心で使えるようにしなくてはなりません。しかも、そこで余計に得られるようになるエネルギーが、緑のアンテナをつくるエネルギーを上回るようにしなくてはいけませんから、なかなか大変そうです。


Q:今回の光化学系と電子伝達経路のように光合成反応は見事で、毎回のことながら作られるべくして作られている反応経路であると感じます。その一つであるQ-サイクルにおいて酸化還元電位に逆らってQ0からFeSとbLへと電子が受け渡され、電子がリサイクルされているところについて質問です。エネルギー的に有利であるFeSへの流れとbLへの反応を一緒にすることで自然では起きない電子のサイクルができていると理解したのですが、これはb/f複合体のコンフォメーション変化により別の反応を同時に起こさせているためでよいのでしょうか?他のメンブレン上と同じ仕組みになっているのでしょうか?また、deep trapの説明でのシアノバクテリアのアンテナについてです。エネルギーの高いほうから低いほうへとアンテナ分子が配置されているのはエネルギーの受け渡しがスムーズになるということでしょうか?わざわざいくつもの種類のアンテナを介して無駄ではないのですか

A:Qサイクルについては、「別の反応を同時に起こさせている」という時に「同時」という意味によります。もし、これは全く同じ瞬間に、という意味でしたら違います。どちらかというと、「交互に」という感じでしょうか。1つの電子を渡すと、コンフォメーションが変化してもう1つの電子を別の方向へ渡せるようになる、というイメージかと思います。

上にも書きましたが、複数のアンテナを持つ意味の中で重要な点はいろいろな色の光を使えるという点です。もちろん「受け渡しがスムーズになる」という側面もあります。「無駄」についてですが、光合成の反応は「光子あたり」で起こり、高いエネルギーを持つ青い光でも、エネルギーのより低い赤い光でも、光子1個あたりで起こる光合成の反応は同じです。ですから、複数のアンテナを介することによって、光子1個あたりのエネルギーが低下しても、その光子が反応中心クロロフィルを励起するだけのエネルギーを持っているうちは全く問題ないのです。