生命戦略科学レポート

以下に生命応答戦略科学の講義に寄せられたレポートの内、公開を了承してもらったものを掲載しています(未公開希望2名)。


 私がまだ小学生だったころ、祖母の家の庭にあった小さな水溜にお祭りで買った金魚を放ちました。そこには立派な青々とした水草が浮かんでおり、いかにも風流でよい感じでした。小学生の私はその金魚にこうした環境を与えることが出来た事がうれしくて、時間があれば外に出て水の中を覗き込んでいました。ある夏の、とても太陽のまぶしい日のことでした。私は「すごい光だ。これは、いけるぞ。」っと思いました。頭の中には「水草は光をあびて、酸素をだす。魚はその酸素を利用して呼吸をする。」という、簡単な方程式があったのです。私は棒をとりだして、日陰に隠れていた一番元気そうな水草にせっせと光をあててやりました。気が付くと水草は日陰に隠れていたのでそのたびに引っ張り出してジリジリと太陽を浴びせました。そうこうするうちに、青々とした肉厚の水草は茶色く変色し、ついにそこから復活する事はありませんでした。今回の授業を通して、私はあの水草の事を思い出しました。
 植物は動物とは異なり、自らの意思で移動することができないため、様々な環境変化に適応しなくてはなりませんでした。そうして獲得した生命応答のひとつに、強光条件下にも適応したものがありました。過剰すぎる光エネルギーを熱へと変換したり、消去したりする系です。ビオラキサチン(V)、アンテラキサチン(A)、ゼアキサチン(Z)の3つはpH勾配を利用して、互いに相互変換することができます。弱光条件では、ビオラキサチンのかたちで存在し、アンテナシステムとして光エネルギーの吸収と伝達を行います。強光条件ではゼアキサチンへと変換され、過剰な光エネルギーを熱として放出しています。また活性酸素消去系では、過剰な光エネルギーを消費するために、水を酸化することによって細胞にとって極めて有害であると考えられる活性酸素を生成し、それを還元してまた元の水にもどすという、Water-Water cycleと呼ばれる系が存在します。この一見して無駄な作業は、実は意味もなく電子を流す事によって、強すぎる光のエネルギーを消費するためであると考えられています。
 このように、植物の代謝経路は一見して無駄な生産性のないものであったり、必要以上に複雑で遠回りをしているように見えるものがあります。しかし、それらは少量のエネルギーを必要な場所に必要なだけ、最大限に利用するためのシステムであることがわかりました。
 得ることができたものを最大限に活かしきる。そんな植物の代謝経路と同様に、私の体の代謝経路も一生懸命になって無駄なく効率よく働いているのだろうと思うと、どうも燃費の悪そうな自分の生活に反省せざるをえませんでした。得ることのできたチャンスを見逃さずに、最大限に活かすことができるよう、がんばりたいと思います。


なぜニンジンは根(光が当たらない部分)なのに色素を含んでいるのか?
 講義の冒頭で、生物学はHow?(どのようなメカニズムで)だけでなくWhy?(なぜそうなったのか)という疑問にも答えられるような時代を迎えつつあるという話があった。また、光合成に関わる色素の話の中で「カロテノイド」の話があった。カロテノイドは光合成の補助色素としてクロロフィルと共に光を集めるアンテナの役割のほかに、強い光のもとでは光合成機構を光阻害から保護する役割がある。カロテノイドの代表的なものにニンジンに含まれることで有名な「カロテン」がある訳だが、ここで一つの疑問(Why?)が浮かび上がった。光を集めたり、有害な光から生体を保護したりする働きをする色素は、当然光の当たるところに存在するべきだろう。しかし、ニンジンは根であるにもかかわらず、鮮やかな色素を持っている。では、このニンジンに含まれる色素はいったいなぜ日の当たらない根に存在するのだろうか?
 一つ考えられたのは、ニンジンは食料として利用されるため、あの色素は食品用に人間が改良したものなのではないか、というものである。そこで、ニンジンの歴史を調べてみたところ、現在のニンジンの起源はアフガニスタンあたりだという。今なお、現地には白い花を咲かせる野生のアフガン・ニンジンが生息するそうだが、このニンジンもやはり淡黄色?淡橙黄色(アントシアン)や赤?濃紫色(リコピン)のニンジンらしい。実際、このアフガンニンジンが後にヨーロッパで品種改良され、現在のニンジンになった、という人為的な経緯は存在するようだが、野生のニンジンでさえも根に色素を豊富に持っているのも事実のようだ。
 それではいったいなぜ根に色素があるのか?植物の色素における他の役割を考えてみる。例えば、実の色素であれば、鳥などに食べられて種を遠くに運んでもらうために、実においしそうな鮮やかな色を与え、目立たせるのは合理的である。しかし、根は食べられては困る上うえに、光のないところではこのような役割は果たせない。では、ニンジン色素はニンジンの生存のために何の貢献もしていないのだろうか?ここで、もう一つ興味深いのは、古来、ニンジンは「野菜」と言うよりもむしろ「薬草」として使われていたことである(※ちなみに、現在薬用で有名な「高麗人参」は、ウコギ科のもので、ここで話題にしているセリ科のニンジンとは種そのものが異なる)。薬は見方をかえれば同時に毒にもなる。このことから以下のような可能性が思い浮かぶ。ニンジンは虫などの外敵から身を守るためにもともと根に毒成分を貯えており、この毒成分がたまたまその構造上、可視光を吸収する特性を持った結果、色素になったのではないか。実際、植物の毒、薬効成分の多くは環状(共役二重結合)構造をもち、色素となりうる特性を持っていることから、この可能性は支持されるのではなかろうか。
 しかし、結局のところなぜニンジンは根に色素を持つのかは分からいままである。ただ、調べていく中で、色素を持たない(もしくは少ない)ニンジンの突然変異体の論文があった(なぜ根に色素があるのかを研究する目的で作られた物ではないようだが)。このような突然変異体を用い、色を持たないニンジンの生育をみることで、ニンジン色素の本当の役割が明らかになるかもしれない。

(参考文献)
1. 山野由美子、伊藤允好(1998) 「ビタミン研究のブレークスルー:カロテノイド - 光合成における色素としての機能」 ビタミン 72:387-390
2. http://ns.agri.pref.hokkaido.jp/chuo/organization/soma/SOINDEX/ninjin.HTM 「ニンジン事始め、その古里と由来」
3. http://www2.vc-net.ne.jp/~abejun/donguri/01.htm 「根っこの話?どうして根っこがいるのかな?」
4. Goldman, IL. & Breitbach, D.N. (1996) Inheritance of a recessive character controlling reduced carotenoid pigmentation in carrot (Daucus carota L.) J. Heredity. 87:380-382.


 光合成に関して、地球の誕生から実際の研究までが一連の流れで整理されていて聞きやすかったという印象があります。最初の、地球の誕生から光合成生物の誕生・発展までの話は、私が先端生命のプレスクール論文で書いた内容でとても理解しやすいものでした。最近、初の生命体がどのようなものか、あるいは生命体が現れた時期については活発に論じられており、ホットな話題だと感じています。講義の中で、35億年前のストロマトライトが発見されたが、それは生物によるものではなく無機的なものらしいと言われているという話、また地層チャートの酸化鉄の色が酸素量の欠乏を物語るという話などは初めて聴くものでした。普段、光合成を研究していても、生い立ちと照らし合わせるということはそれほど頻繁にはないもので、知っている話のなかにも新鮮味が感じられ、興味深く聴かせていただきました。
 代謝系の話については、その経路の存在する意味という話が印象的でした。私は、教科書などでこういう経路があって、こういう反応があると知ると、「そうなのか」とそのまま鵜呑みにしてしまい、意味まで考えたことはありませんでした。解糖系につづいて乳酸発酵があるのは過剰な還元力があるためだとか、あるいはTCAサイクルなどで複雑な反応経路を構成しているのは効率よいエネルギー吸収を実現するためといった話をききながらなるほどと納得しましたし、またそのような視点から物事を見る大切さというのを感じさせられました。私は光合成に関わる研究をしていますが、それでも2つの光化学系が存在する意味など考えも及びませんでした。またひとつ重要なことを知ったと感じました。「これまでの生物学は"How"を追い求めるものだったが、これからは"Why"にも答えていく生物学だ」という話が一番はじめにありましたが、そのことがよく理解できましたし、その重要性も感じられました。
 さて、この講義では光合成の生い立ちから代謝系、光合成の具体的な内容、そして現在行われている研究内容と一連の流れができていてスムーズに講義内容を聴きいれることができたと思います。ただ、私としては今後光合成の研究がどのように発展し、どのような社会的貢献をしえるかという話があるとより自分にとって興味ある内容となったかなと思います。やはり光合成は、炭酸固定つまりCO2量の削減という面でも、また農作物収率向上という面からも、さらなる解明および発展技術の構築が望まれる分野ではないでしょうか。そのような内容の話もまた光合成研究の重要性を認識しうるものではないか、私はそう考えます。


 今回の講義で一番印象に残った点は"How"と"Why"の概念です.これまで授業でも教科書でも,ある生体反応について学ぶときはどのようにしてその反応が起こるのか,という機構についての説明がほとんどでした.そして自分もその事にあまり疑問を抱かず,どのようなことが反応の間起こっているのかを学び取ってきました.確かにカルビン回路を暗記した時,なんでこんなにたくさん酵素が出てくるのだろう,と思ったのですがそれ以上"何故"を考えたりはしていませんでした.一見不思議に思えるような現象にもおそらく意味があるだろうし,そのことを念頭において考えることが重要だということにあらためて気付かされました.
 特にその何故を考えたのはRubiscoの話です.Rubiscoは二酸化炭素を固定する酵素ですが,酸素も基質として用います.酸素との反応は炭酸固定につながらないためエネルギーのロスとなると考えられます.何故このような仕組みが備わっているのでしょうか.また,Rubiscoは分子量53万の巨大タンパク質であり,触媒活性も通常の酵素の1/100~1/1000ほどしかありません.そこで大量にRubiscoを作り出すことによってその効率の悪さに対応するのですが,何故植物にとってあまりにも効率の悪いままでいるのでしょうか.
 "どのようにして"Rubiscoがオキシゲナーゼ活性を持つようになったかは環境変化と関連があるのではないかと考えられます.炭酸固定をし始めた頃つまり光合成を始めた30億年ほど前の大気組成は現在と違い,二酸化炭素に富んでいたためRubiscoは二酸化炭素のみを基質に用いていたと考えられます.しかし光合成により放出された大量の酸素により大気組成が変化し,酸素を基質として反応する必要が出てきたのではないかということです.しかし,この場合でも"何故"酸素と反応する必要があったのかという疑問は残ります.酸素による障害から逃れる機構なのか,それとも酸素とも反応してしまったということなのでしょうか.
 では,何故Rubiscoは効率が悪いのでしょうか.C4植物やCAM植物では,空間的あるいは時間的に役割を分担させることにより効率のよい炭酸固定系を作り出しています.C4植物やCAM植物は熱帯などの光が強く,温度が高い乾燥した場所に見られます.これらの植物の場合は,乾燥から身を守ることが最も重要になってきます.大気中から二酸化炭素を取り込むには,気孔を開閉しなければならないのですが,その際水分が損失してしまうため,乾燥を防ぐ機構として効率のよい炭酸固定系を発達させてきたと考えられます.C4植物やCAM植物ではRubiscoそのものの改変ではなく,器官などを変えることによって効率のよい炭酸固定を行っています.このことからもRubiscoの改変というのが難しいのであろうことが推測できます.炭酸固定の観点からするとRubiscoはとても効率が悪いようですが,植物体全体のバランスからみるともしかして最適なものなのかもしれません.
 このように一つの酵素だけでも何故というのはわからないことが多いことを感じました.しかし,何の意味もないことを生物がするとは考えられず,この何故こそが本当は最も大切なのではないかともう一度考え直しました.


発酵とは、酸化するための経路である。生物は「還元」という現象はよく起こすが、「酸化」は苦手なようだ。この過剰な還元力を減らす目的で、発酵は行われているという。これには、正直言って驚いた。発酵といったら、乳酸発酵やアルコール発酵など、どれも我々の生活で有効利用されているものばかりであり、この産物がたまたま代謝されてできてきた物であるという考えが頭になかったからだ。確かにそうである。いつも人間というのは、自分本位に物事を考えがちなのだ。生物が代謝を行う時に、目的を持って代謝産物を作っているわけではない。結果として、たまたまできたのだ。それを人間が利用しているに過ぎない。そう考えると、植物で発酵が起こらないのもわかってくる。植物では、光合成の経路があるために、よく還元がおきている。しかし、よく起こるが為に、動物とは逆に、むしろ還元力の不足が起こる。それゆえ、発酵を行う必要がない。過剰な還元力を酸化によって中和する必要がないからだ。以上のことから、生物が現象・反応を起こす時には、何かしらの理由があるということがわかる。光合成、呼吸でも同じ事が言える。生物を選択していた人なら誰でも高校時代に躍起になって覚えた回路があるだろう。カルビン回路、クエン酸回路など、途中の産物が似ていてややこしい回路を。嫌がらせとしか思いようがない、誰がこんなもの考えたんだ、なんて憤慨しながら覚えたような気がする。これでさえ、意味があるというのだ。たくさんの段階を経ることで、光合成の場合は少しずつ、利用できる範囲のエネルギーを獲得することができ、また、呼吸の場合は一つ一つの反応に必要な活性化エネルギーが小さいため、体温で楽に越えることができるということだ。いまだに段階が多いことには腹が立つが、それも生物が進化の過程で、うまくやりくりして生じた経路であるならば許してあげましょう。

感想
 OHPを巧みに使い、テンポよく講義が進んでいったのですごくわかりやすく、興味が持てました。普段、動物しか扱ったことがありませんし、植物についての知識がほとんどないので、講義を受けるまで不安だったのですが、それでも、すごく楽しかったです。一般向け、というか、難しいだろうと思ったところは先生による説明がきちんと加えられて、聞いている人にやさしい講義でした。どうしても「どのように」を優先しがちなサイエンスの分野で、「なぜ」を説明してれたことに感動しました。いままで受けた講義のなかで、実際のところ一番面白かったような気がしました。もちろん、お世辞は抜きですよ。二日間、有意義な講義をありがとうございました。それと、お疲れ様でした。


 今回の講義では、幅広い話を伺うことが出来、とても興味深く思いました。特に「進化」には元々興味があったので、地球と生命の歴史の概説なども、とても面白く思いました。更に、色々な機会に耳にすることではありますが、進化という、経時的な過程そのものを実験室で検証できるようになっている、ということにもとても惹かれました。一言で進化と言っても、分子進化など新しい概念も内包する広い言葉ですが、その広義の「進化」という、環境、コンテクストによって狭められた中とはいえ多様な選択肢からの選択(更に環境によっても種は多様化するものですが)、この、生命についての「何故」やコンテクストに対する答えを秘めている「進化」の科学的な検証こそ、生命というものの根本的な解明に深く結び付くものだと思います。
 生体は膨大な数のコンポーネントから構成されており、光合成のカルビンベンソン回路や呼吸の解糖系のようにごく古くから共通に維持され続けるものもあれば、同じ祖先から分岐して異なる機能を獲得した電子伝達系や、C4回路のように独立に進化した類似の系など、ある程度共通に存在するもの以外にもその環境または種特有の形質まで非常に多様なものです。それらの個々の物質や系の進化の過程、その背後の必然性と偶然性にまで考察するという、一昔前には夢物語に過ぎなかったことが、現実として可能になってきていることに、驚かざるをえません。
 さて、進化という視点から興味深いと思われる生物は色々あります。例えば細胞内共生という分野で見ると、Cyanophora paradoxaという、真核細胞に藍藻が共生したまま経代維持されているような種や、二次共生したと思われる細胞内小器官の膜の枚数やヌクレオモルフなどの痕跡を持つ生物など、進化の痕跡と言えるものを持つ生物もいます。今はこれらの分子レベルでの検証が進められており、今後の研究成果が待たれます。こういった生物の近縁の種との環境から分子に至るまで様々なレベルでの類似点と相違点を比較していけばいずれは、細胞内共生という進化の過程において非常に重大な出来事をも、科学的に検証することができるでしょう。
 こういった時代に研究者を志す事は、少々困難な道ではありますがとても興味深いことでもあると思います。


 まず始めにこの授業に対しての感想を述べたいと思います。先生がこの授業の始めに強調しておっしゃられており、またレジュメの最初にも書いてあった、「ある生物現象を調べていく時にHOWだけでなくWHYを調べることも生物を対象として研究をする以上、非常に重要である。」ということには、言われてみれば本当に当然のことながらいざ自分の実験を進めているときにはあまり認識していないことだと感じました。今、私が対象にしている生物(カイコガ)はメスがオスを引き寄せるために化学物質(フェロモン)を放出します。この生物現象を説明する時、HOWの説明では「オスの触覚にある化学物質の受容体に物質が結合し、シグナルが伝達されオスはフェロモンの発信源へと呼び寄せられる様にプログラムされている。」と説明する事ができます。こちらが研究する対象になりやすいもので、実際自分もこのシステムの解明を試みています。しかし、WHYの説明では「メス・オス共に相手を探して動くよりもメスは動かず、オスが動いて交尾相手を探す方式。また、いろんな化学物質が存在し、合成できる中であえて唯一つの物質(ボンビコール)を用いる方式が種の生存に有利に働いてきたからだ。」と説明できます。このように考えてみると、カイコガ以外のガの仲間は混合物質をフェロモンとして用いているのに、なぜカイコガは単一の物質を使うのか?という視点から受容体のタイプを探索するのに一つアイデアの卵を与えられるかもしれません。このような考えがいろいろ頭に巡るようになった点でもこの授業を受けたメリットはかなり大きなものがあったと今考えています。
 授業にあった光エネルギーの消去についてですが、これはまさに授業の題名「生命応答戦略」のことだと感じました。物理法則・化学法則ではエネルギーが優位から下位へと流れることは当然のことであり、植物があえて光エネルギーを利用するのを拒否するには生物として生きていく上で有利になる点が存在すると考えられ、それが授業でもおっしゃられていましたが光強度の変化が激しすぎるところで生きていくにはいちいち変化に合わせて生きるよりも始めから切り捨てた方がコスト的に有利に働くからで、まさに生命が環境に応答し、生きる上での戦略が練られてきたことが窺えました。
 レポートとして書いたのですが、あまり授業内容に深く触れるものにはなりませんでした。ただ、レポートを書きながらいろいろ自分で考える機会できて非常に有意義でした。
 最後の最後に授業に対しての注文を書くのはどうかとも思ったのですが、かわいい後輩達がよりよい授業が受けられるよう少し注文を出させていただきます。代謝などの説明をOHPだけでされると何がなんだかよくわかりません。先生の考えでは、知識の獲得は重視していないとのことですが、聞いている生徒の側からするとよく分からない状態で授業をどんどん進められると集中力の持続が難しくなる(眠りの世界へと誘われます。)ので、ある程度の図を配ってもらって、それにちょこちょこ書きこむ方が知識うんぬんというよりも集中力を保たせる点で先生にもメリットがあるのではないでしょうか?


 今回の講義で最も印象に残った点はエネルギーの流れとして生命を捉えるという視点です。様々な生命現象を担う物質、例えばどんなタンパク質がどこに存在してどんな働きを行うのか、といった見方は論文でもよく出会うのでなじみがあります。けれどもその時には思い描いても化学結合のレベルぐらいまでしか視点が下がりません。無秩序な自由エネルギーを獲得し利用できることが生命を誕生させたと考えると高分子の以上にしか目を向けずにいるのでは本質はみえてこないのかもしれない、と思いました。植物においてエネルギーの視点を外せないのは特に光合成と呼吸です。大きな共通点はそのままでは扱いきれないほどの大きなエネルギーを段階に分けて利用するということ。呼吸の場合、糖と酸素が燃焼して一気に水と二酸化炭素になってしまう反応を小さく小さく繰り返す事で利用します。反応を起すための活性化エネルギーも体温で超えられるほどの大きさにし、蓄えて必要な時に必要なことに利用できるように活性型運搬分子を用います。光合成にしても同じ事が言えます。最初に太陽エネルギーから大きなエネルギーを受け取りそれを少しずつ段階的に分けて利用していくからです。エネルギーは現象として現れてくる時以外に実感する機会がないので捉えがたいくてよく分からない!という印象を持ちつづけてきたのですが、呼吸と光合成のエネルギーの図を見たときになるほど、と再認識させられました。複雑な反応がたくさん起こっていて難しい事には変わりないのかもしれませんが少なくとも本質は同じでその過程がそれぞれの特色を帯びているのでしょう。登場する物質がたくさんあったとしても酸化還元のエネルギーの単位で見ればすっきりするものなのか、とちょっと驚きました。
 講義の仕方に関しては図や表が手元にまったくなかったので自分の頭の中に入っていなかったところはとても難しく感じました。教科書に出ているから、と先生はおっしゃっていましたがこのような図が必要とあらかじめ伝えてくれれば用意できたのですが。せめて主要な図だけでもプリントして下さったら、もっと楽に理解できたのにと思うと残念です。とくに回路に関してはスライドの文字が小さいうえに似たような物質が所狭しと並んでいたのでこんがらがってしまいました。それから、どこで一つのトピックが終わって次に進んでいるのかが分かりにくかったというのが講義全体の印象です。キーワードが書かれたプリントが参照にはなりましたが、もう少し、今の話題の主要部分はここだ、という流れがあればいいのにな、と思いました。


 光合成の仕組みなどについての話は今までにも聞いたことがあったが、今まで見失っていたところを再認識して新たな理解ができた気がする。中学~高校レベルの理解では、呼吸はC6H12O6 + 6O2 → 6H2O + 6CO2 、光合成はその逆反応で表される。呼吸はその反応によりエネルギーを得てATPを作り、光合成は光のエネルギーを必要とする。ここまでで呼吸と光合成は進行方向が逆ではあるが本質的に同じような反応であると理解できる。「生産者」である植物が太陽光のエネルギーを利用して炭素固定を行ない、動物などの「消費者」が有機物を分解してエネルギーを取り出す、という流れも分かってくる。しかしその後、呼吸はミトコンドリアで解凍系→クエン酸回路→電子伝達系という流れで進行し、光合成は葉緑体においてクロロフィルが電子を受けてH2Oを分解する明反応とカルビン回路でCO2固定を行なう暗反応の2つから成り立つ、と習う。さらにその個々の部分を詳細に学んでいくと各論的な理解になって全体としての把握が希薄になっていた。
 今回の講義で一番印象に残って理解できたと思ったのが「還元力」であった。呼吸は本質的にはポテンシャルエネルギーの高い糖を分解してピルビン酸、さらにはCO2にし、その時に発生する熱化学エネルギーを利用してATPを合成する。その時、NADPHという還元力が余分なものとしてできてくる。NADPをリサイクルして効率的に解糖系を進める為には、その還元力を捨てなければならず、酵母などではそれをピルビン酸に渡してエタノールに変える。これが発酵であり、エタノールを作ること自体は本質ではなく、解糖系によりATPを得ることが重要なのである。酸素呼吸では電子伝達系においてO2に還元力を渡してH2Oに変え、その時にもエネルギーを得ている。一方、光合成はその逆でエネルギーを利用して炭素源であるCO2を取り込み糖に変えて固定する。その際には還元力を必要とし、それを生み出すのが光エネルギーを得て働く光化学系である。
 今回の講義で呼吸及び光合成の反応、エネルギー代謝について改めて理解しなおせたと思う。細かい部分の話は今までにも習ったことがあったし、実際の研究の内容も面白かったが学部の時に聞いた話だったので目新しい気はしなかった。しかし、2日間続けての集中講義だったこともあってか、通してまとまった話が聞けてよかったと思う。OHPや説明も分かりやすくて良かった。


熱力学第二法則によると、全てのものは無秩序な方向へと向かっている。しかし、単なる物質と違い、生きている生物は無秩序なものから秩序を作り出しているという特徴がある。
生物の細胞内のエネルギー獲得は化学反応によって起こるが、それは、普通に燃料を燃やして起こる反応ではなく、細胞内の合成系と正確に共役し合い秩序を保ちながら行われている。
植物や一部の細菌は、光合成によって太陽エネルギーを取り込み、それを化学エネルギーに変換し、有機物の生合成を行う。太陽エネルギーを取り込んだ色素分子により、水の電子がNADPHに転移し、ATP合成にエネルギーが作られる。これを光合成の第1段階と位置づけ、光反応と呼ぶ。それに対し、第二段階はATPやNADPHを使って空気中の二酸化炭素から糖が作られる反応、つまり炭素固定反応で、暗反応と呼ぶ。
動物や光合成を行わない生物は、太陽エネルギーの取り込みを行えない。どうやってエネルギーを獲得するのかというと、光合成を行える植物などを食べる、あるいは、植物を食べて成長した動物を食べるのである。一見すると、植物の方が損をしているように思われるが、そういうわけではない。動物の死骸は植物の栄養源になるし、栄養源を植物に供給する微生物もいる。長い間地球上で共存してきた植物、動物、微生物は、持ちつ持たれつの状態で種を保存してきたのである。
現在生物が持っているエネルギー獲得系はエネルギー源の相違はあるものの、基本的には同じATP合成系である。広範囲に使われているということは、それが非常に効率が良いということの証である。いったい、ATP合成経路はいつから生じたのであろうか。
最初の生物は、今からおよそ35億年以上も前に発生したと考えられている。このころの生物は、大量に溢れていた化学反応で生じた有機物を有機酸に変換する反応からATPを得て生育していた。そして、彼等の排出した有機酸の所為で環境が酸性に傾き、細胞内のPHを保つためのプロトンポンプが出現した。プロトンポンプにはATP駆動型と酸化還元電位の異なる分子間の電子伝達で生じたエネルギーで動くものの2種類が生じ、現在のATP合成系の基礎となっている。
こののち、CO2やNADPH、H2Oなど、様々な物質を利用してエネルギー獲得系のさらなる改良が加えられ、人類へと至る。われわれは、数十億年も前におこった秩序形成のうえに生きているのである。


講義でふれた『植物における二酸化炭素の固定様式』に関して簡単にまとめ、最後に講義に対しての感想を示しました。

植物は光合成-光化学系で生じたATPとNADPHを用いて、大気中または水中の二酸化炭素の固定を行う。CO2固定の初期産物が、C4-ジカルボン酸である植物は、それが3-ホスホグリセリン酸であるC3植物に対しC4植物という。C4植物では、維管束のまわりに葉緑体を多く含む維管束鞘細胞(BSC)が発達している。また、C4植物の葉肉細胞はBSCを取り囲むように配置されており、それはクランツ型構造と呼ばれている。C3経路に比べ、C4経路ではCO21分子の固定にATPを2分子多く必要とするがBSCのCO2濃度を高く維持し、光呼吸による効率低下を防ぎCO2固定効率を高めている。
 C4植物はBSCにおけるC4化合物の脱炭酸酵素の種類によって3つの型に分類されている。A)NADP-リンゴ酸酵素(NADP-ME)型…サトウキビ、トウモロコシ等 B)NAD-リンゴ酸(NAD-ME)型…キビ、オヒシバ等 C)PEP-カルボキシキナーゼ(PEP-CK)型…ローズグラス、シバ等
 C4植物はC3植物にCO2濃縮機構を付加した植物といえる。C4植物ではRuBPaseの周辺におけるCO2濃度が高くなるため、RuBPaseのもつオキシゲナーゼの働きが抑えられ、光呼吸がほとんどおこらず、効率よくCO2固定がすすみ、高温、強光下、低CO2濃度条件で高いCO2固定能を発揮する。また、水の蒸散量が少ないため、熱帯原産植物の光合成に有利である。
 この他に昼夜で有機酸レベルの変動がみられる植物の代謝をCrassulacean acid metabolisum (CAM) とよび、この代謝をする植物をCAM植物という。この代謝は乾燥地帯に生える植物が気孔からの水の蒸散を防ぐのに適している。多くのCAM植物は熱帯・亜熱帯の半乾燥帯にみられるが同一種でもCAMの発現程度は生育地により差があり、降水量の多いところではC3的となる。また、熱帯雨林内の水分保持力の低い幹上に生育する着生植物にもCAMが分化しており、沈水性植物であるIsoetesもCAMの特徴を示しすことからもCAM植物の生育環境は多様であることがいえる。
  以上、3つのタイプの炭酸固定様式の進化については、C3植物からC4、CAM植物と多元的に進化したものと推定されている。

参考文献
 太田次郎:植物の生理.基礎生物学講座5:1-66,1995

講義について
内容が広すぎて、途中ついていけない部分がありました。普段、他分野の研究を進める学生としては、実験系の話しは完全には理解できていませんが興味深いものでした。


 今回の講義の内容で、最も興味を引かれた点は、「なぜ(Why)このような機構が発達したのか」を考えることで、その生物の進化の過程が、部分的ではあるが、理解でき、面白く感じたことである。代謝経路や、ATP生成の機構など、大学受験や大学院試験の勉強中泣かされつづけてきた、複雑な経路も、すべては理由あってのものとして覚えられれば、なるほどと納得して習得できただろうに、と悔やまれる。このような複雑な機構があるんだよ、と一方的に教えるのではなく、どうしてこのような複雑な機構があるのだと思う?と聞くところから生物の授業は始められるべきであると、高校教師をしている私としては感じた次第である。
 特に醗酵の機構のお話で、なぜピルビン酸をそのまま細胞外に排出しないのか、という理由を考える、という点で、いままでそのようなアプローチを考えたこともなかったので、至極納得がいった。この醗酵経路をまわすためには、NADが無くてはならない、よってピルビン酸の時点で排出されてしまうとNADPが溜まり、NADが不足し、よってATPも生産されなくなる。そこでピルビン酸を乳酸にすることでNADを再生産することが可能になる。細胞がよく考えたな、と感心する。これが進化の過程でどれだけの時間をかけてなされてきたものなのか、それともこのような機構を持てるものだけが無酸素の状態で強く生き延びてこられたのかと、進化論の話になってしまうが、それを考えるだけでも想像がふくらみ、より生物が面白く思えてくる。
 もう生物学を専攻して長くなるので、日頃疑問もなく実験をしているが、やはり面白い、と思う心を常に持ちつづけることでモチベーションも変わり、進み具合も変わって来るだろう。今回のこの「なぜ」のアプローチで研究をすすめるのは、かなりの時間を要し、確実な説を得るのは難しいのではないか、と思った。しかしある機構の必要性の「なぜ」を考えることは、これまでの機構の仕組みを調べるという段階からひとつ前進した研究であると考える。子供の科学離れがさけばれている現在、面白さを伝えるべく、早くその成果を高校、中学の生物分野におろしていってほしいと思う。


昨年、早稲田大学の櫻井研究室で光合成に関する研究をしていました。具体的にはF1-ATPaseの触媒部と考えられているβサブユニットのアミノ酸残基の同定ですが、実験材料はラン色細菌Synechococcus 7002とSynechocystis 6803でした。
 以前から思っていたことですが、光合成の基礎研究成果を現実的に応用することはなかなか難しいことです。それは、エネルギー効率にしても生成産物(水素など)の利用にしても技術が追いつかず、ビジネスにならないという点が主にあると思います。しかしながら、エネルギー変換に関しては光合成や呼吸を学ぶとそのしくみだけでなく、講義でやっていたように「なぜそうなるのか」という疑問が湧いてきて、そのことを考えることが変換機構の理解や創造性を養う上で重要であろうと最近考えるようになりました。
 例えば、F1-ATPaseがATPをADPとリン酸に分解する反応は単純なミカエリス・メンテン型では無く、中心のγサブユニットが回転することにより三つのβサブユニットとそれぞれ会合し、三段階の反応過程を経ることで成り立っています。逆反応のATP合成も同じです。なぜこのように複雑なしくみになっているかというのは単純に言えませんが、一つにはエネルギー変換効率があると思います。ATP合成の際、Mitchellの化学浸透説におけるプロトン濃度勾配による電気化学ポテンシャルを無駄なく利用できる個体が進化の上で有利となり、現代生物の間で高く保存されているのだと思います。F1-ATPaseのエネルギー変換効率はほぼ100%であると言われています。
 また、記憶が定かではないのですが、六月の生物科学セミナーで光合成細菌のなかで光合成反応中心の電子伝達でキノン(?)を左右対称に持っているものがあったと思うのですが、一つで足りるのになぜ左右に二つあるのでしょうか。よく分からないのですが、常に同じほうのキノンが使われるとしたら、もう一方は片方が壊れた場合の予備となるのでしょうか。また、左右がランダムに使われているとしたら、それが進化の過程で何らかの有利になったのでしょうか。ここらへんは非常に興味深いと思います。


 講義の最初に話された「なぜ(Why)そうなるか」を考えることの大切さについて知ったことが、今回の講義で得た最大の収穫です。これまでにさまざまな文献に接したり、テレビ番組を見ることでサイエンスに関する知識を吸収して来ました。幼少の頃から現在に至るまで、それらをただ記憶する対象としか認識していませんでした。あんなことがある、こんなことを知っているといった具合に、知識は持ち運び不要な実体を持たない百科事典か、時には教養の深浅を示すための飾り物でしかありませんでした。
 思うに、知識や新しい知見を人々に知らしめる際に各種メディアはそれぞれに趣向をこらした方法で解説を試みますが、それらは残念ながら事象の解析に終始しているに過ぎないのです。それが物事への関心を表面的なところにとどめ、さまざまな現象への理解を深めることの促進を妨げているのではないかと思います。これはサイエンスの分野のみならず、政治、社会や教育への無関心を大いに助長している元凶とみなすことが出来ます。我々は歴史と文化を持っていることにより、先人や他人が見出した知見を享受することに満足してしまったのでしょう。
 しかし、なぜ(Why)について考えることについては、多大な期間と費用を費やした番組よりも、子供向け番組の方がその効果を持っているように思いました。込み入った話はせず、おおまかで簡潔な説明は見ていて全く苦にはなりませんが、同時に多少の不満が生じます。ある程度に成長すれば自力で疑問を解決するすべは幾らでもありますが、むずかしい本を理解出来ない頃は勝手に想像したものでした。何の根拠もない空想では意味がありませんが、ある程度の知識を持ってそれをするならば、正しいか否かは別として(Why)への一歩となり得るのではないでしょうか。
 つまり、知識をより多く与えるための努力でなく、適度に与えないためのさじ加減を考えることも大切だということです。同時に、うまい例えを用いた現象の理解も有効だと思います。今回の講義の中で使われた「ATPは共通通貨、NADPは各国通貨」の例えは、代謝経路に関するこれまでの記憶を一気に整頓させました。どのように(How)なるかの明快な理解、そしてそれらがなぜ(Why)起こるのかを考えることが理想的に行われるならば、サイエンスの分野はもとより、数多くの諸問題に対する解決がなされることでしょう。


 講義中の様々の内容のうち、生命と地球との共進化という点が興味深いと思った。地球の歴史を何十億年というオーダーで見てみると、地磁気の変化、火山活動による地表面の大地の組成変化、そして大気の変化、と生命の大きさからすれば一見不変のようにも感じられるこの巨大な地球においても、その時々によって様々に様相を変えていることがわかる。とくに大気組成に関しては、おもに生命の働きによって劇的に変化しており、もともと酸素がほとんど無く二酸化炭素が非常に多かった地球上の大気は、光合成生物の誕生により二酸化炭素を取り込む代わりに酸素を生産し、さらにその酸素がオゾン層を生みだし地上に到達する紫外線を減少させ、現在の生物種が住み良いような環境を作り出した。
 ここで注目したいと思った点が一つあった。それは太古の微生物の(現在から見れば)極限的な環境における生活である。現在でも嫌気性菌、高熱菌、硫黄細菌など(我々から見れば)極限環境微生物が存在するが、これらの生物はどういった環境にまで生存が可能なのか知りたいと感じた。生命にとって、気圧や温度の限界はどこまでなのか?
 そして続いて感じたことは次の通りである。太古の地球のこうした環境でこれらの生物が生存できたのならば、太陽系4番目の惑星である火星においては生存できるのか? 火星は平均気温-58℃、大気圧が地球の100分の1であり、二酸化炭素95%、窒素2.7%、酸素0.1%の大気組成を持ち、その地表面はドライアイスに覆われた死の世界であるが、火星南極のアルベドを何らかの方法によって変化させれば、ドライアイスは平衡を失い連続的に気化して、発生する二酸化炭素の温室効果により気温を上げることができるのではないかとの説(※)がある。こうなれば、一定の大気圧を確保でき、また火星の地下にある氷から水を得ることがでる。
 仮定とする点が多くなってしまったが、こうした環境が整えば火星にも生命が生存することができ、地球の進化の歴史をリプレイすることも可能なのではないかと思う。勿論その実験結果を見届けるのは非常に困難だが。
 しかし、現在地球には人口爆発に起因する、エネルギーや資源の枯渇、環境汚染等のさまざまな問題があり、火星をエネルギー、資源(石油など有機物の)の採取地にしようという試みは差し迫った現実的な課題であると考えられる。こうした中で、惑星と生命の関わりについての考察することは非常に意義深いことであると思われ、また、地球において生命が現在のかたちで存在していることの奇跡を改めて実感する。
 講義は地球環境といったマクロなレベルから細胞内の反応系といったミクロのレベルまで、「なぜ」そうなるかという点に重きが置かれている点が良かった。さらにもっと、細かい説明よりも、ある生命現象の存在意義や役割について考えさせられるような講義になれば良いと感じた。

※「火星のテラフォーミング」に関するWebページを参照した。