植物生理学II 第15回講義

光合成を制限する要因

第15回の講義では前回に引き続き光合成の効率について解説したのち、藻類によるバイオエネルギー生産を考えた場合に問題となる点について考えてみた。今回の講義に寄せられたレポートとそれに対するコメントを以下に示します。


Q:光合成の活性と葉の寿命は反比例するというお話がありました。これに関連して、常緑針葉樹と落葉樹を比べると落葉樹はその年につけた葉をその年のうちに落としてしまう一方で、常緑針葉樹は1年以上葉をつけたままですし、葉を落とさないせいか分かりませんが成長速度も針葉樹の方が大きいです。一見するとこの法則に当てはまっていないように思えるのですが、「成長速度が速い」ことはなにも葉の「光合成の活性が高い」ことのみで実現されているわけではないことに気づきました。そうなると常緑針葉樹の「個体の成長速度が速い」という表現型は「葉の数は落葉樹と変わらないけれど、葉1枚あたりの活性が高い」のか,もしくは「葉の数が多い分同化産物の量が増えるので個体の成長速度は上がるけれど、別に葉1枚あたりの活性が高いわけではない」のか、いずれかということになります。実際には針葉樹は密になって葉をつけていますし、LAIが高そうですから、後者のほうが正しそうです。

A:「成長速度も針葉樹の方が大きい」というのは、どのような根拠に基づいたものでしょうか。光合成の速度の話をした時に説明しましたが、異なる環境に生える植物の光合成を比べるためには、どのような環境で光合成を測定するのか、という問題を生じます。そのあたりから考えたほうが良いかもしれません。


Q:今回の授業でシアノバクテリアを多量に培養した際などに発生する問題点とその解決方法の仮説の話題が登場したが、調べてみると遺伝子導入によるエタノールやイソブタノールを生産、放出するシアノバクテリアの開発が報告されていた。よって貯蔵器官を人間が作ることには成功しているので、それ以外の問題点を解決する培養方法について考えてみる。
 まず私が考えた方法としては、光合成回路の際に話が出たロリポップ型の装置にように、薄い水槽内にシアノバクテリアを入れることでシアノバクテリア同士の重なりを防ぎ、光合成効率の低下を防ぐものである。しかし問題点としては、まず容器が薄いのでシアノバクテリア量が減少することでエタノールの収量が低下し、かつ内部の水量当たりの水槽の壁面に触れる表面積が大きなものより増加するため外部の環境を受けやすくなり、水槽内の温度変化が激しくなり、温度維持に別のコストがかかり、さらに収量を求めると装置が巨大化し、多数並べにくくなる点である。温度変化に対しては好熱性のシアノバクテリアを用いて解決することが可能と考えられるが、装置のサイズに関しては解決しない。そこで私がさらに考えたことは、植物のように立体的に、かつ重ならないようにシアノバクテリアの装置を配置することで、コンパクトで効率の良い装置になるのでは、ということである。今までの授業から、植物はいかに効率よく太陽光を受け、光合成を最大限におこなうことができるかを追求してきた生物であると言える。薄い水槽に入ったシアノバクテリアはいわば植物の葉であるといえるので、その構造を人工的にまねすることで光合成効率を最大限生かし、かつスペースをとらない装置に仕上がると考えられる。
 現在、私が上で述べたことを実践している、もしくは実践した研究所があるかもしれない。しかし、シアノバクテリアは光合成生物である以上、地球上でもっとも発達した光合成生物である植物を参考にできる箇所は多いと考えられるため、植物を研究すればいずれは効率の良いシアノバクテリア産のバイオ燃料が生産できるようになるり、現在の問題点を解決できるようになると考えられる。

A:植物をまねるという方向性の場合、結局、まねた結果、光合成の効率も植物と同じになるという可能性はないでしょうか。逆に言えば、まねてもこの点を植物と変えることにより高い光合成効率を実現できる、というセールスポイントを示す必要があると思います。


Q:今回の授業で、1枚の葉の一生の間の光合成量には限界があることを知った。そこで、なぜ葉には寿命があり、一生使うことができないのか、2つの理由から考えた。まず1つめの理由は、酸素による酸化によって光合成に必要なタンパク質を作るDNAに損傷が起きるからである。光合成の反応では水を酸化しているので、強い酸化力をもつ酸素が発生する。この酸素によって、光合成に必要なタンパク質をコードしているDNAに損傷が起きることが考えられる。そうすると、光合成ができなくなり、葉としての役割を果たせなくなってしまう。植物はこうなるリスクを考えて、DNAの損傷が起きる前に古い葉から新しい葉への交代ができるように、葉に寿命を設けたのではないかと考えた。もう1つの理由は、葉が虫に食われたり、病気になったりするリスクがあるからである。もし葉に寿命がなかったら、虫に食われた葉や病気になった葉を一生使い続けなければいけなくなる。こうなると、光合成を効率的に行えないばかりでなく、病気が他の葉に移る危険性もあり、植物にとっては不都合である。だから植物は、葉に寿命を設けて、自分にとって不利な葉をずっと持ち続けないようにしているのではないかと考えた。

A:着眼点は非常に良いので、あとは、せっかくこの2つの仮説を思いついたのですから、身の回りの葉を観察することによって、どちらの仮説が正しそうだ、と結論できるとよいでしょう。もちろんその場合、その結論が正しいか間違っているかは問題ではありません。


Q:今回の授業で、藻類と陸上植物ではバイオマスの増加量に差があり、藻類の方が相対成長速度が高いことがわかった。これは藻類に比べ陸上植物には非光合成器官があるためだ。ここで、陸上植物は非光合成器官というある意味ハンディキャップを背負って、どうやって効率よく光合成してるのか疑問に思ったので考察する。植物が陸上で生育するにあたって非光合成器官は必要不可欠である。しかし、その分バイオマスの増加量は下がる。もしも、藻類と同じように光合成をしていたならば成長速度はかなり低かっただろう。陸上植物の葉は柵状組織と海綿状組織という二重構造により光をなるべく多く吸収できる構造をとっている。また、それぞれの生育環境に合わせ、葉の形を変えて光の吸収効率を上げている。このような葉の変化は藻類にはあまり見られない。従って、陸上植物は非光合成器官を得る代わりに、光の吸収効率を上げてそのハンディキャップを維持しながら成長できているのだと考えた。

A:悪くはないのですが、大体講義のロジックをなぞった感じですね。もう少し自分ならではのロジックがほしいところです。


Q:今回の講義において、光合成活性を強光下で抑えることが自然条件で重要であると学んだ。光合成に用いる光があればあるほど、植物にとって有益であるように思えるが、なぜ光合成活性を抑える必要があるのか。まず、先生がおっしゃっていたように、光阻害があるからである。つまり、過剰な光は植物にとってむしろ毒になる。これはなぜだろうか。まず、紫外線が細胞を破壊するからだと考える。そのようなことを防ぐために、植物が強光下な環境を避けるのではないか。光合成の活性を抑えるということは、植物のエネルギー生産を減少させることであり、成長をも抑えることである。よって、背丈が高かった植物体が低くなることで、強光環境から逃れることができるのではないか。また、光合成の過程において、光化学系がはたらいている。強光下では、光化学系が盛んにはたらくことになるが、その際に電子がより多く必要になるだろう。つまり、盛んな光化学系の働きによって電子が不足し、その結果、細胞によって悪影響を及ぼす酸化状態が引き起こされてしまうのではないだろうか。以上の理由から、過剰な光は植物にとって毒であるといえるだろう。生命体の現象において無意味なことはないと思うので、その現象という結果の原因を追究するのは大変興味深いと感じる。

A:前半のロジックはややわかりづらいと思います。光合成が抑えられると、生育は遅くなりますが、背が高くならないだけで、低くなることはないでしょう。とすると、今以上に「逃れる」ことはできないのではないでしょうか。


Q:今回の授業では葉の寿命と光合成速度は反比例の関係にあり、葉の一生の間の光合成量には上限があることを学んだ。葉では光合成反応によって絶えずタンパク質が破壊されており、植物は常にタンパク質を合成しながら光合成を続けている。しかし結局のところタンパク質合成にもエネルギーが必要で、そのエネルギーを光合成から得ている。授業のオープン環境の光量頻度分布のグラフからも破壊が合成を上回るのは、自然環境だとわずかな時間である。したがって、一般には光を多く受ける植物はこの破壊と合成のサイクルが大きくなり、より大きく成長できると考えられる。このことは野菜の日照特性をみると顕著である。参考文献1によると野菜の大部分は陽性植物であり、陽性植物に分類されるものには比較的大きな果実や植物体である。逆に陰性植物では目立った果実はなく、葉を食す野菜ばかりである。このように陽性植物では植物が大型化し、多様な果実をつける。逆に陰性植物では生態的・形態的に似ているものが多い。陰性植物は光の制限のため多様化が制限され、逆に陽性植物では十分な光により多様性を獲得できているといえる。もしくは競争が激しい陽性植物では十分な光を得るために多様化したとも考えられる。しかし、今回は野菜から考えており、果実のことを主に指摘している。果実はあまり光合成を行わない器官であるため、十分な光によって多様性を獲得できたといったほうが正しいだろう。陽性植物・陰性植物の分化も含めて、光は植物の多様性に大きく貢献している。
参考文献1:http://www.atariya.net/kiso/nisho.htm

A:陽生植物と陰生植物の生育をそれぞれに生育環境においてを比べると、陽生植物のほうが速く成長します。とすると、野菜として人間が選抜する際に、早く成長する陽生植物を選んだ、という可能性は十分にあるように思います。なお、陰生植物・陽生植物が正しく、陰性植物・陽性植物ではありませんよ。


Q:葉には一生の間の光合成上限があり、1枚の葉の寿命は、光合成速度と反比例するということを習った。つまり、木本植物の葉よりも草本植物の葉のほうが寿命が長いということだ。ここで、以前の講義で習った、1年生植物などの草本植物の葉は色が薄く、常緑樹などの木本植物の葉は色が濃いことに何か関係があるかを考えた。草本植物の葉は木本植物の葉よりも葉緑体の数が少なく、1枚の葉のうちの1個の葉緑体で光を受ける頻度が高くなる。光を受ける頻度が高いと、水の発生など危険な反応のせいで寿命が短くなることは説明がつく。しかし、光合成速度と葉の寿命にはまた別の関係があるのかもしれない。

A:「木本植物の葉よりも草本植物の葉のほうが寿命が長い」の部分は逆ですね。最後「別の関係」といって済ませるのではなく、何らかの仮説を提示してほしいところです。


Q:今回の授業で陸上植物から藻類のバイオマスエネルギーへの転換の課題の中で藻類が光合成を続けるためにコストの高い増殖を抑える必要があった。光合成は光、水、二酸化炭素が必要に対して、増殖は窒素、硫黄、リンが必要だからである。しかし、一枚の葉が光合成する総量は一定であり、一生にできる光合成の上限が決まっているで、藻類も同様であると考えられ、コンスタントに光合成を続けさせるために藻類を増殖させる必要があり、これによるコスト増加は避けられない。このため、この消費を極力抑えるためには、解決すべき2つの考えがある。(1)藻類の増殖に関連する遺伝子とその機構はどのようなものか?(2)藻類1細胞あたりの一生に行う光合成の総量はどれほどか、藻類の光合成活性は一生の中でどのように変化するか?である。(1)は増殖に関する遺伝子と作用機構を解明することで藻類の増殖を制御することが可能になるためである。(2)は藻類の増殖のタイミングを知るために必要であり、藻類の増殖の関連遺伝子のスイッチをオンにしたとき最も効率的にエネルギーを得られるのはいつかを知ることができるためである。

A:葉では光合成と寿命の間に関係があるのですが、藻類ではどうなっているのか、あまり考えたことがありませんでした。あっさり「藻類も同様であると考えられ」と言っていますが、本当はきちんと考えてみる必要があるかもしれません。


Q:最後の授業では葉と群落の光合成に関して学習した。葉一枚と群落一つで比較すると(葉の面積当たりで)、葉は途中で飽和状態を迎えるが、群落では全ての葉に光が行き届いている訳ではないということで、幾ら光量を増してもなかなか飽和状態に達しない、ということであった。本来、葉が単体の場合で飽和状態を迎えているはずの光量で、未飽和である群落というのは少し勿体無い仕組みであるような気もするし、それなら少し葉を減らして、よりまんべんなく日が当たるような構造にした方が、光合成の効率も多少上がるのではないかと考えられもしたが、逆に無駄に見えるシステムにすることで、ある種の「保険」をとっているようにも考えることが出来る。例えば葉が病気になったり或いは枯れたり、もしくは餌として草食動物や昆虫などの食害にあったりした場合、それは光合成器官の減少を意味する。予め葉を多くしておけば多少の葉の減少も微々たる損失だと見なされるが、仮に光合成効率を上げるべく葉の枚数を減らしていた場合、葉の損失は植物体にとってかなり大きな打撃になるのではないか。割合的に大きな損失は、それだけ光合成速度の減少を助長させると考えられる。従って、植物は葉を多く付けることで、群落の葉の面積当たりの光合成速度を低下させてでも、それが葉の損失によってゼロに近くなることを避けているのではないか。言い換えれば敢えて余分に葉を付けておくことで、多少光合成効率を下げてでも、全く光合成が出来なくなるという状況だけは陥らないようにしているのではないかと推測した。

A:これは面白いところに目を付けましたね。本当に保険を掛ける価値があるかどうかは、病害虫による損害確率に依存するはずですから、そのようなところから確かめることができるかもしれません。


Q:藻類は構造がないため高バイオマス生産量があることがわかったが、構造がないことによる貯蔵器官がないことが問題の1つであった。貯蔵器官があればその部分のみを取れば良かった。しかし藻類は丸々全て破壊して炭化水素を抽出する必要がある。これをせず、藻類の光合成器官を残したまま炭水化物を抽出できれば効率が良い。では、どうするか。本来なら葉緑体でできた炭水化物は、輸送により細胞外に出て栄養器官に蓄積される。しかし藻類は細胞外がすなわち体外であるため、そのような仕組みはない。では、光合成に必要な炭水化物を残して体外に炭水化物を輸送する遺伝子を導入すれば、その周りの液体を回収することで効率よく炭水化物を得ることができるのではないか。しかし、そのような仕組みは多細胞生物、つまり真核生物の遺伝子であり、いくつもの反応から成り立っている。複雑な系をそのまま導入してうまくいくかというと、甚だしく疑問ではある。

A:この部分は、講義の中で説明したはずなのですが・・・


Q:今回の講義では、葉の寿命について学んだ。そこで、落葉樹と常緑樹では当然落葉樹のほうが寿命が短い。それでは、なぜ植物は葉を落とす必要があるのか。植物はどんどん上に育っていく。その際に、上に伸びれば伸びるほど太陽の光を全く受けない葉が出てくる。そうなるとその葉は光合成ができず、持っていても意味がないため、葉が落ちると考えられる。

A:なんとも幼いレポートですね。もう少し大学生らしいレポートをお願いします。


Q:今回の授業でシアノバクテリアからバイオエタノールを作り出すという話があった。現在は野生型より光合成速度を速めて生育速度も速くするために遺伝子操作による変異型が作られているということであった。しかし実際には光合成速度を減速させているpmgA遺伝子をノックアウトした変異体では時がたつと植物体の自体の生理作用によって成長阻害が発生してしまう。光合成速度が上がると多くのエネルギーや有機物を作り出すことができるため成長速度はむしろ速くなりそうであるが、なぜ阻害が起きるのか考えていきたい。
 植物の成長速度が速いということは植物体をつくっているタンパク質の合成が速いということでもできる。タンパク質の材料である炭素は光合成によって植物体に固定されるため光合成速度が速くなるほど多く供給される。しかしタンパク質の材料には窒素も必要である。窒素固定に必要なニヒドロゲナーゼは酸素存在下で破壊されてしまうために、窒素固定用のヘテロシストをつくるため、光合成速度とは関係がない。材料の一部のみが増えてもタンパク質が増加することはない。よって成長を始めて一定の成長速度の増加まではヘテロシストによる窒素固定が追い付いていたが、一定量を超えると窒素固定が追い付かなくなり、タンパク質の生成速度に限界がきて炭素固定のみが過剰に起きてしまうために成長阻害が起きてしまうのではないかと考えられる。よって成長阻害を起こさないためにはヘテロシストを多くする必要がある。しかし植物をはじめ生物は生命維持に必要な生産のみを行い、余分な活動は行わない傾向にある。そのため1か所の遺伝子を変化させたところで他の部分で通常の余分がない状態に戻そうという働きが起きてしまう可能があり、ただ成長速度が速い植物をつくるといっても様々な遺伝子を変化させえる必要があると考えられる。

A:これは視点は良いのですが、もしそうであれば、硝酸イオンなどの形で窒素を供給してやれば問題は解決してしまうはずですね。その場合、生育が栄養塩により律速しているにすぎませんから、植え継いでゆくと細胞の増殖が抑えられるという実験結果を説明するのは難しいように思いました。


Q:講義中の昼間12時の太陽光は強光にあたり、その光よりも弱光の時の時間が圧倒的に多いということ。そのため強光をいかにしのぎ、弱光をいかに効率よく回収するかが必要であるということに関して考察すると、夜の時間が非常に長い時間を占めその上で光がないために光合成を行えないというのは非常にもったいないなと感じた。そこで今回私は夜光合成を行う方法はないのかということを考えていくことにする。光合成に光は必須条件なので夜にどう光を回収するかが議論の軸になると思うが、私は月光と発光を利用することで光合成を可能にできないかと考えている。月光に関しては自然による照射されている光なのでそれを利用するということは容易に思いつくわけだが、現状も月光が利用可能ならば光合成は行われているはずである。しかし月光は太陽光に比べて圧倒的にその光エネルギーが小さいため光合成は行われているが非常に微量である。この光合成効率を上げるよりも昼間の弱光での光合成効率を上げる方が先決なのでこれは現実的ではない。次に発光についてだが、これは夜間に植物の茎が光るなどによって自ら光を供給できれば夜間も光合成をおこなうことが出来るのではないかと考えた。生物の中には提灯アンコウのように自ら光を発する生物も存在するため不可能なことではないと考える。もう一つこのシステムを作り得るのは蓄光というものが挙げられると考えている。蓄光とは昼間の光を吸収し暗所で光を発するような塗料などに利用されている。例えば茎細胞の核に蓄光物質を挿入すれば昼の光を吸収し夜間に発行するような植物を生み出すこともできるのではないかと考えている。そして特に蓄光において私がメリットと考えられるのは、正午の強光に対してより効率的に光合成へのアプローチが出来るという点である。しかし発光のためのエネルギーとその光から得られるエネルギーは発光のエネルギーの方が大きいことが予測される。

A:発想は面白くてよいと思います。ただ、2番目の発光は、論理が成り立っていません。光るためにはエネルギーが必要なのですから、光に変えてまた光合成で化学エネルギーに変えるより、その光のためのエネルギーをそのまま使ったほうがはるかに効率的です。


Q:今回の講義では様々な環境、要因における光合成速度、効率の変化について学んだ。そこで授業の最後の方で、葉の寿命と光合成速度についての話を聞いた。木は葉の寿命が長いが草本は葉の寿命が短いことを知り、また葉の年齢が上がるに従って光合成速度も落ちていくことを知った。ここで、なぜ草本と木で葉の寿命が変化していくのか不思議に思ったので自分なりに考察しようと思う。前者については、講義では水と酸素の発生はリスクを伴い葉に負担がかかるとおっしゃっていた。それは草本と木も同じだと思ったので草本と木の違いを考えてみると、草本に比べて木の葉は手触りからしても木の方が固く丈夫であるのも理由ではないかと思った。組織がしっかりとしているためストレスから耐えられるのではないだろうか。またもう一つとしては、本体の寿命である。草本に比べて木は寿命が数段長いと考えられる。そのため木がいちいち葉を入れ替えていたら草本の一生に比べて何倍も葉を入れ替えることになりコストも何倍もかかると考えられる。よって葉を丈夫にしてストレスから耐えられるようにし、入れ替えなくていいようにしたのではないかと考えられる。

A:これは、論理展開としては申し分ないのですが、その論理自体は、ある程度誰しもがこのように思うのではないでしょうか。もう少し自分なりの独創性がほしいところです。