植物生理学I 第6回講義

植物の茎

第6回の講義では、茎の働きから始めて、植物の進化の過程における形成層の獲得などについて講義を進めました。以下に、いくつかのレポートをピックアップしてそれに対してコメントしておきます。

Q:植物の形態を決めるシミュレーションにおいて、繁殖効率と力学的安定性だけを考慮したシミュレーションでは、二要素を考慮したのにも関わらず非常に画一的な結果のみが得られていた。このとき得られた形態は、現実世界の植物ではヤシやソテツ類を連想させる。長い1本の幹が伸び、頂部でのみ葉がコンパクトに展開される。もしシミュレーションの結果が現実の植物でも適応できるとすると、ヤシやソテツ類は、受光効率が適応率に大きく影響していないか、繁殖効率・物理的安定性の影響が大きすぎるのではないか。受光効率について、低緯度地域に自生する植物であるので、高緯度地域に比べれば、葉の展開量が少なくても十分な光合成を行えるということが考えられるだろう。長い茎が伸びるので、他者との競争はあるのかもしれないが、林冠に到達できれば強光が得られるのだろう。物理的安定性について、亜熱帯に自生する植物ではモンスーンによる強風の影響が考えられる。

A:講義では多様性が生じる原因を中心に考えましたが、ここでは、多様性が生まれない理由を考察している点が評価できます。話の流れとしては、最初に仮説を出して、それをサポートする考え方を後にしていますが、単に自分の仮説に合う考え方をしているだけだと思われる可能性があります。実験で検証するわけではなく、論理だけで展開するわけなので、むしろ、「多様性が生じない理由を考える」と問題設定を置いて、いくつかの考え方を書いて、最後に、「受光効率が適応率に大きく影響していないか、繁殖効率・物理的安定性の影響が大きすぎる」という部分を結論にした方がよいかもしれません。


Q:今回の授業では、茎の構造について学んだ。ここで、茎は人間などと違い茎頂から細胞を積み木のように積み重ねていくような成長方法を取る。このことから、同じ質量の物質を使ってなるべく高い位置にものを配置するために茎の下部を太くしておく必要があると分かった。このことから、仮説として「茎の長さの成長率は芽が出た時の茎の太さに比例する」と考えられる。これは、先ほどの理論から言えば当たり前の考え方で、細長い棒の先端にものをつけると落ちたたり折れたりしてしまうことから形成層の分裂によって茎がある程度は太くなるとはいえ、芽の時点での茎の太さがその後の茎の長さを決定しているのではないかと考えられる。しかしながら、ここで考慮しなければならないのはこれはあくまで植物が自立する時に限っての話であるということだ。例えば、アサガオにおいては茎はとても細いがツルとなって他のものを巻き付けながら成長していく。1)この場合、茎は細くとも周りのものに支えながら成長することで茎の長さ自体は長く成長していく。よって、先ほどの仮説に関しては「植物のシュートが自立している場合に関しては芽が出た時の茎の太さが茎の長さを決定している」という再設定の方が正しいことになる。
1) アサガオのつるの巻き方, 新潟大学, ;, 2023/11/13(参照)

A:面白そうな内容ですし、つる植物の例外をきちんと考慮している点は評価できますが、「芽の時点での茎の太さがその後の茎の長さを決定している」という点が今一つピンときませんでした。単子葉植物の場合は理解できますが、双子葉植物の場合は、やはり形成層の寄与は大きいのではないでしょうか。


Q:今回の講義の、ウニコナゾールによるヤマグワの矮化の話題を受けて、植物の茎が伸長することの利点を考察した。講義中で、植物の茎は伸長することで、よりよい日照条件を得て光合成に活かすという点は指摘されていたので、以下ではそれ以外の利点を考察した。ここでは、植物の茎の伸長成長による利点を考えたいので、根の量が変化しないヤマグワの矮化前後を比較して、茎が長いことの意義を考察する。矮化前のヤマグワは、茎が長く伸長していて、葉の数が多く、葉の色が薄い。一方で、矮化後のヤマグワは、茎が短く、葉の数は少なく、葉の色が濃い。このことは、矮化前と等量の根から吸収された等量の窒素が、葉の葉緑体合成に用いられ、矮化後のヤマグワでは葉数が少なくなる分、葉1枚当たりの葉緑体量が増していることを表している。つまり、矮化の前後で、植物体全体の葉緑体量は変化しないのである。このことは、一見、茎の伸長の度合いは植物全体の光合成速度に関与しないような印象を与える。しかし、以下のように、茎の伸長の度合いが高い方が、植物体の光合成にとって有利な理由を考えた。まず、茎の伸長の度合いが高いことは、葉の数が多いことを反映している。ここで、葉の数が多いことの利点を考える。葉は通常、茎の基部から先端部にかけてまんべんなく葉をつける。葉は、茎のどの部分につくかによって、一枚一枚が置かれた環境は異なる。例えば、ある高さでは、草食動物に捕食されやすく、より高い位置の葉が、捕食から逃れやすいという点で有利である。また、ある高さでは、他種の植物が、繁茂していて、風通しが悪くなり、空気境界層が大きくなり、二酸化炭素の固定効率が悪くなる。その場合は、他種の植物が繁茂していない位置についている葉が二酸化炭素固定の上で有利になる。これらの例から、茎の伸長の度合いが高いことで、ある高さにつけた葉が置かれた条件が、光合成に不利であっても、別の高さの葉が光合成をすることで、植物全体の光合成が維持されることがわかる。つまり、茎の伸長によって、葉の数が増えることは、ある高さの葉が不利な条件に置かれたときの、植物体全体の光合成速度の維持の保険になるのである。以上の論理展開から、茎の伸長は、植物の光合成速度を維持する上で有利だと結論づけた。

A:最終的な結論自体は、それほど目新しいわけではありませんが、きちんと論理構成を考えて書いていることがうかがわれて評価できます。光合成のメカニズムについては、植物生理学IIの内容なのですが、その部分の知識があれば、さらにいろいろな考察が可能になるでしょう。


Q:通常、植物の茎には葉がいくつも付いているものが多いと思われる。しかし、例えばタンポポには茎に葉がついておらず、根についていた。これはタンポポが花を咲かす環境下は森林のような背丈がある他植物が存在するところではなく、道路や草原などの光合成に必要な光の競争相手がいないからという理由があり、非常に面白いと思った。ゆえに、通常の茎の形態をとっていない植物について調べ、なぜそのような形態をとるに至ったか、その生物学的意義について考察しようと思う。最初に目に留まった面白い植物はアリウム・シクラムである。この植物は細く長い茎を延ばし、先端でシャンデリアのようにいくつもの花を逆さに付ける植物である。茎が非常に長いにも関わらず、葉は地表付近に少し生えているだけであった。先端を見ると少なくとも数十個の花が咲いているのに、なぜ茎にたくさんの葉をつけていないのか、栄養は不足しないのか疑問に思い生息地域や環境について調べた。そこで見つけた資料1によると、寒冷地が最も適しており、基本的には環境さえ合えばほとんど放置した状態でも毎年開花するが、乾燥した環境が得意ではないので半日陰になるように育てる必要があると述べられていた。つまり、アリウム・シクラムは乾燥に弱く、冷たく湿った環境が適していることが分かった。したがって、葉には気孔がおこなう蒸散により水分を排出する構造が密集しているため、進化の過程で葉を無くすことによって水分の蒸散量をできるだけ少なくし、乾燥することを防いでいるということが考えられる。また、寒冷地で湿った地域という環境さえ合えば放置しても毎年開花することから、寒冷地という日差しがあまり強くない場所でも栄養不足にはならない機構は備わっているので、やはり湿った環境を維持するのに特化した形態をとっているのだと考えられる。もう一つ挙げると、トクサという茎だけが非常に長く、まっすぐ伸びる植物がある。資料2によると、トクサの茎は表面が丈夫でざらざらしており、基本的にどのような環境でもすぐに育つということが書かれていたが、病害虫が付着していたりすると後々トクサが弱ってしまうことも書かれていた。したがって、1つの推測としてトクサが茎のみが長く成長し頑丈であるのは、虫への防御に特化しているからであると考えられる。もし、葉をつけていたら害虫に食べられたり病気をうつされたりしてしまい、密集して大量に繁殖するトクサにとっては、周りを巻き込んでしまい致命的である。したがって、害虫が食べるような葉は無くし、ざらざらして頑丈な茎のみにすることで、害虫や病気から身を守り、繁殖に特化した形態をとるよう進化していったと考えられる。このように、茎のみの構造に着目しても、その形態をとる原因について非常に面白い考察を広げることが出来た。生息する周りの環境や外敵状況などで形態が変わったと今回推測を立てたが、他の植物も調べることで、まったく別の面白い理由で形態を変えた植物も存在すると思うので、独特な形の植物を見つけたら生息条件などを調べ、自分なりに形態が変化した理由について調べるのも面白いと思った。
(1)育て方ボックス、ネクタロスコルダム・シクラム・ブルガリカムの育て方、http://www.sodatekata-box.jp/content/7405、掲載日不明、2023/11/16
(2)LOVEGREEN、トクサ(とくさ)の詳しい育て方、トクサ(とくさ)の育て方・栽培方法|植物図鑑、https://lovegreen.net/library/ferns-bryophytes/p92597/、掲載日不明、2023/11/16

A:手堅くまとめたよいレポートです。前半に関しては「日差しがあまり強くない場所でも栄養不足にはならない機構」が正体不明のままなのがやや気になります。単なる推測でもよいので、何らかの仮説があるとさらに良かったでしょう。後半に関しては、トクサは昔は木を磨くのに使ったぐらいなので、形態というよりは物質的な防御と考えた方がよいかもしれません。


Q:茎の役割として一般には通導(道管・篩管)などがあるが、地表で光合成ができると見込まれるタンポポなどは根に直接葉をつけるなど、茎が絶対的な必要性ではない。講義中で、ジャガイモやサトウキビは茎が貯蔵の役割を持つとあった。茎が土の中で膨れるというのは珍しいと感じたので、主にジャガイモがなぜ茎を貯蔵として使うのかを、茎の長さのトレードオフ・適応度の観点から考察する。ジャガイモの野生種は南米のアンデス山脈が原産(ⅰ)と言われている。この土地は高地でありそのため土地がやせ冷帯の気候である。アンデス山脈に生息しているジャガイモの画像を見ると可食部は少し小さく地上部に短い葉がまばらに生えている。葉の部分ははっきり見えなかったので、今一般的にみられるジャガイモを見ると緑色の茎に葉がついた部分が地を這うようなかたちで地上部付近にあることが見られた。このことから、アンデス山脈のような冷帯で土地がやせた場所で生育することを選んだジャガイモは、見た目からはあたりまえだがまず養分が少ない場所でできるだけ長く自分の栄養を失わないで貯蓄するために「地下茎」としてこのように養分をためるようになったと考えられる。このときなぜ根を膨らませなかったかは、ジャガイモは根をたくさんつけたり大きくしたり(根をジャガイモのように太らせると小さい根などがつくと考えられる)して「養分を得る」よりも「養分を蓄える」ことを優先したと言える。これは、高地で日中の気温差が非常に大きく土の水分が凍る可能性があるところで根を増やすことは不利になるからかもしれない。また、葉がついた茎を地上近くに這うような形なのは、講義の中の受光効率から平たい状態にした。しかし、茎を上方に延ばさなかった理由を考える。まず、上方に伸びなくても十分に日光が届く標高にあるため延ばす必要がないこと。また、養分・水分が少ないため、茎にコストをかけて風の耐性のために角をつけて四角形や三角、中空にするよりも風を受け流すような形のほうが適していたと考える。また、ジャガイモが地下茎で栄養生殖を行うことも、養分が少なく動物も少ない土地で繁殖効率を少しでも上昇させるための対策の一つとして考える。以上のように高山地帯という例外的な土地で生息を選んだジャガイモは茎に養分を蓄え、葉のついた茎を上方に延ばさないという選択をしたと考える。
(ⅰ)農林水産省 , "農業探検隊" , ジャガイモ 「どこからきたの?」:農林水産省 (maff.go.jp) , (2023/11/14) .

A:いろいろ考えていてよいと思います。一つ一つの点については、数を減らしてでももう少し丁寧に説明した方がよいかもしれません。例えば、「水分が凍る可能性があるところで根を増やすことは不利になる」のは、なんとなくわかりますが、凍る凍らないという質的な問題だとすれば、増やす増やさないという量的なことでは解決できない気もします。他にも「日光が届く標高にあるため延ばす必要がない」という部分など、「日光が届く」と言っても、低地でも日光は届くわけですから、どのような意味で言葉を使っているのか、例えば空気がきれいなので散乱が少ないと言ったことを言っているのか、といった点を説明する必要があるかもしれません。


Q:今回の授業で私が疑問に思った点について考察していく。茎の形について話があったが、普段見ている植物には全体の構造に対して茎は非常に細いものが多いと感じた。茎が丸い理由や四角、三角の形になる理由は折れ曲がらないためという話があり納得したが、力学的安定性を求めるのであれば円形の非常に太い茎の方がいいのではないかと考えた。しかし、大木では太い幹を見る事ができるが一般に生えている草などの植物は茎が非常に細い。この理由として1つ目はコストの問題が挙げられる。自然界では茎を曲げようとする力は風や動物に多少触れられるくらいであるのである程度の安定性があれば十分なので茎を無駄に太くする必要がないのだ。茎に必要な水分と栄養が非常に増えてしまう。茎の内部は半径に2乗して大きくなってしまうのでコストも2乗に比例して大きくなってしまうのだ。2つ目の理由として繁殖目的も挙げられる。大木などと違って小さな植物は個体数を増やして繁殖することが目的であるので1つの個体が長く安定して成長することをそこまで重要視していないことが考えられる。

A:考え方は悪くないと思うのですが、直接木と草を比べてしまうと、木は高いので茎(幹)が太い必要があるのだろう、という直感的な反論を招きそうです。本当に草の茎は細いのか、まず高さとの比率で議論する必要があるように思いました。


Q:今回の授業では、植物は茎にかかるコストをできるだけ少なく、かつ光合成効率をできるだけ高くすることができるように釣り合いを取って茎を作っていることを学んだ。そのことに基づいて、身近な植物の特徴について考えてみた。私の家の庭には丸い茎を持つメダケと四角い茎を持つシホウチクが生えている。太さは同じくらいだが、メダケの茎を横に切断しようとすると縦に走る筋が多くて切れにくいのに対し、シホウチクの茎は柔らかくすぐに切ることができる。この違いは、それぞれの戦略で安定性とバイオマスを最大にした結果なのではないかと考える。タケの仲間は茎を長く伸ばすことで葉を高い位置に持ち上げるので、茎の安定性は重要である。メダケや多くの丸い茎を持つタケは茎に筋を多くすることで安定性を保っているが、シホウチクは茎を四角くすることで安定性を高めているのではないか。それにはある程度のコストが掛かり、その代わりに茎に筋が多く作られるというコストは失われたのではないか。結果的に、両者のバイオマスの量はほとんど同等に保たれているのではないか。よって、タケの仲間では珍しい四角い茎を持つシホウチクも丸い茎を持つ他の種との競争に負けず、絶滅せずに残っているのではないかと考える。

A:これは今までに読んだことがない比較のレポートで、独自性があってよいと思います。その場合、二種類の竹は、結果的に同じ機能を果たしているのか、それともやはり違いがあって、それぞれ有利になる環境があるのか、その点が知りたくなりました。


Q:今回、以前から形態に興味深かかったバオバブ(Adansonia digitita)について、なぜバオバブは太く長い幹に上層部の少量の葉で構成されているのか、植物の形態を決める要因のシュミレーション・コストの観点から考察する。参考文献1よりバオバブは乾燥地帯の、主にアフリカ大陸のようなサバンナなどに生息する。繁殖効率の観点から考えると植食の生物からの捕食はすぐに体長が大きくなるため、葉を捕食されにくく繁殖効率は高いと考えられる。そして、受光効率に関しても上層部の葉が広く横に広がっているため高い。力学的安定性に関しても、幹が極めて太いため形態として特殊ではあるが、力学的安定性に関してもあると考えられる。ここで一つ疑問が生じる。3つの効率それぞれが非常に高く、水からのエネルギーを取り入れにくいサバンナではバオバブをどのようにここまで成長させているのだろうか。エネルギー不足にはならないのだろうか。私は、バオバブの特性である水を蓄えることができる幹の他に、葉が上層部にしか生えないことに関して着目した。講義内で葉を成長させるには葉緑体を作らなければならないためエネルギーを多く消費することが理解できた。そのことから、バオバブの葉は上層部にしか生えないことから幹の成長にエネルギー消費を割くことができ、太く巨大な幹を作りそこに水を最大限蓄えることで成長ができていると考えられる。アフリカでは光強度が高いことからも少ない葉であっても光合成で産生するエネルギーが不足しないことからも裏づけられるだろう。
参考文献:鳥取大学乾燥地研究センター「各種植物|乾燥地植物資源バンク室」 https://www.alrc.tottori-u.ac.jp/plant/plant_child/Adansonia_digitata.html(2023,11/18)

A:面白い考察でよいと思います。少し気になったのは、バオバブの十分育った状態を考えるだけで大丈夫かな、という点です。いくらバオバブでも、幼樹の時は小さいでしょうから、そこでどのように生き延び、そこからどのように大きくなるのかという点も重要なのかもしれません。


Q:今回の授業では、形成層を獲得したシダ植物のほとんどが現在までに絶滅してしまったことを習った。形成層の獲得は現在の双子葉植物においても見られるように、「植物が背を伸ばす際に茎を肥大成長させて倒れにくくする」という観点においては優れた形質であるはずなのに何故この形質を持ったシダ植物がほとんど絶滅してしまったのか疑問に感じたため考察することにした。そもそも、形成層を獲得して巨大化したシダ植物は現在の森林に生える樹木と近いような生き方をしていたと考えられるためK-選択種であると考えることができる。K-選択種の特徴として、繁殖速度や成長速度が遅く一度破壊されると再生が困難であることが挙げられる。そのため、形成層を獲得した巨大シダ植物は現在に至るまでの隕石や火山噴火による大量絶滅を通して再生が完全に不可能になるほどまでに数が減少(絶滅)してしまったのではないかと考えた。実際に講義内の「木のうろ」についての説明でもあったように、形成層を持つ植物の内側の木部は生きていない細胞で構成されていることから一度ダメージを負ってしまうと完全な元の状態に戻ることは不可能であった。
 しかしながら、形成層を持つことで巨大化したシダ植物は形成層を持たないシダ植物と比べて(ある環境において)生存に有利であるから生き残ったはずなのに、巨大シダ植物の絶滅後から現在までに形成層を持つように進化し、巨大化したシダ植物が再び現れていないことに私は疑問を感じた。この理由について私は現在存在している木本植物は種子植物であり、胞子より種子の方が防御の面で優れているからではないかと考えた。つまりシダ植物の場合には樹木本体のみならず胞子まで死んでしまうような急激な環境変動(寒冷化や火山噴火など)が起きても種子植物の場合は環境変動そのものに耐えうるだけでなく、芽を出せない環境が長期間続いても胞子と比べると腐ってしまうリスクも少なく耐え凌ぐことができるからではないかと考えた。

A:これは面白い観点ですね。再巨大化については、種子植物との競争における有利不利もさることながら、先行していたことによるメリットが失われたという点も考えられるのではないかと思います。