植物生理学I 第2回講義

植物の茎、導管

第8回の講義では、植物が茎を持つ意義と、導管の構造がなぜ篩管とは異なるのかについてを中心に講義を進めました。以下に、いくつかのレポートをピックアップしてそれに対してコメントしておきます。

Q:光競争がほとんどない場所では、葉は地面に近い方が土壌呼吸により二酸化炭素濃度が高く、光合成活性が高くなることを学んだ。講義ではタンポポをその例として挙げていたが、加えて、スズメノカタビラやシロツメクサ、カタバミなどの、所謂雑草と呼ばれる種では茎をほとんど持たない。これらの種は種間競争が激しいように思え、高い茎を持った方が有利に思えるが、なぜ茎が低いのだろうか。私は、これらの種が、自分の成長よりも他種の生息域を奪うことに重点を置いているからだと考えた。本来であれば、茎を使って葉の位置を高くすることで光競争に勝ったり共存できたりする。しかし、定住することなく転々と生息域を変えていく植物種であるならば、共存する必要性も持たないので、どれだけ新天地で先行種に負けずに生きられるかが鍵となってくる。このとき、例えば先行種が芝のような茎を持たない植物だったとき、その上を平べったく覆い被さるように葉を広げることによって先行種が受け取る光を逓減し、競争を有利に進められる。茎があると覆い被さるような葉の広げ方はできないので、生息域を奪うという観点から見ると、茎がない方が有利であると考えることができる。一方、先行種が茎を持つ植物だったとき、先行種に光を奪われるので、自身に降り注ぐ光は相当少なくなり競争には不利になる。しかし、全く光が降り注がないわけではないので、最小限の成長だけを終えて新しいところへ生息場所を変えれば問題はない。このような理由から、スズメノカタビラなどの種では茎を持たないと考えた。

A:比較的よく考えていると思うのですが、先行種というアイデアを使いながら、自身が先行種である場合を考えていないのがやや不思議に思いました。撹乱などによってオープンになった場所に最初に入る植物を考える方が考えやすいように思いましたが。


Q:今回の講義では、植物の茎について学んだ。植物の茎の役割として、通導や花を目立たせるなどがあり、多くの植物は地上に茎を持つ。では、地下に茎をのばす地下茎にはどのようなメリットがあるのかをエネルギーの貯蔵面と植物の形態を決める要因の一つである力学的安定性より考えたい。まず、地下茎を持つ植物には、ハスやジャガイモ、タマネギ、ショウガなどが挙げられる。もう気が付くかもしれないが、例として挙げた植物は食用に用いられており、それも、地下茎を可食部としている。これらの植物の可食部(地下茎)は、茎と言われて一般に想像するような丸く細長い茎とはかけ離れている。ショウガのように非常に太く歪な形をしているものもあれば、ジャガイモのようにボールのように丸い形をしているものもある。種によって形は違うが、一貫して言えるのは地上に生える茎と葉異なり太くしっかりとした構造をとることで、エネルギーを茎の部分に貯蔵しているということである。例えば、ジャガイモはこの茎の部分にデンプンを貯蔵している。次に力学的安定性について考える。地上に生える茎は自力で折れないように体を支える必要があるのに対して、地下茎は周囲が土壌に囲まれているため自分で体を支える必要がないことから力学的安定性は非常に高いと言えるだろう。それ故、地上の茎のように体を支えるための茎をつくることにコストを割く必要がなくなる。この力学的安定性が、前にも述べたようなエネルギーの貯蔵にもつながるのだと考えた。エネルギーを茎に貯蔵することができれば、ジャガイモのように栄養生殖が可能になり、地下茎を持つことで種子をつくるコストも軽減されるというメリットも生まれると考えた。

A:考えててよいのですが、根本的にここで述べられている点は、茎でなく、根の場合(例えばサツマイモ)でも全く同じ論理で展開できるのではないでしょうか。茎に限定される話ではないように思いました。


Q:今日の講義では主に植物の茎について習った。そこでタンポポは根と葉の間に茎がほとんどないロゼッタ型をとり、自生する環境「高い植物がない(競争相手が少ない)場所」を選び、「動物に食べられにくい」「風を避ける」などの有利な形状になることで生存しているとのことだった。また、タンポポの特徴としてそこらに生えている雑草よりも根が長い印象がある。逆に雑草の方は、茎はひょろ長いが、根っこは短い印象がある。長い茎を持つ植物は、ロゼッタ型のような有利な効果が無いにも関わらずロゼッタ型よりも繁栄している。このことから言えることは、植物が体を形作る際にある器官を発達させたいとなると、どこかの器官が未発達(コストを割かない)な傾向にあると考えた。この関係を示すために行えることはそれぞれの特徴を有する植物の根と茎の重量を計測して、根と茎の重さに関する散布図を作成すれば、結果が得られると考えた。根をy軸、茎をx軸にした場合、ロゼッタ型において反比例の関係、茎が長い植物において比例の関係が得られれば上記で記した”ある器官を発達させるには別の器官に割くコストを減らす”という仮説が証明できるだろう。なぜ、根と茎の両器官にコストを割かないのか、そこには植物の限界が挙げられる。根を深く張るにしろ茎を伸ばすにしろ、そこには水ポテンシャルが大きく関わっていると思われ、根が深いものは下まで水を運ぶ構造を、背が高いものは上まで運ぶ構造を植物全体で形作っているのではないかと考えた。どちらか一方を選択しなければ水を安定して供給することが難しくなってしまうのだろう。

A:全体としてはよく考えていて悪くないと思います。ただ、個々の細かい点については、やや植物学的に気になる点はあります。


Q:今回の講義において茎の形状に関して、「曲げ」に対してより強度を得ようとした場合、茎の形状を角があるものや中空であるものにすることが考えられると紹介があった。この際、では全ての植物の茎がこのような形状ではないことに関して(つまりは断面が円形であることに関して)、戦略の相違によって適度に茎が曲がった方が良い場合もあるとも紹介があった。そのため、茎の断面において角を形成する植物に関して、特に断面が三角形であるカヤツリグサ科の植物に関してその意義に関して考察する。講義内で紹介のあったススキに関して、本種は吹く風に対し茎が折れることを防ぐために断面を円形にする戦略を選択したと学んだ。しかし、茎が非常に細い場合に関しては、角を形成して強度を得た方が、茎が折れるのに対し有効な対策であると考えられる。言い換えれば、茎を太くすることに対しコストを割かずに、その補強にコストを割く戦略である。茎が非常に細い場合に関しては風によって折れるリスクが高いと言える。そのため、前述したような補強にコストを割くことでこのリスクの解消を行っている可能性が考えられる。カヤツリグサ科の植物においてもこのような戦略によって茎の断面を三角形にしている可能性が示唆される。根拠としては、カヤツリグサ科の植物においては茎からある一点において小穂を展開する茎が枝分かれする場合が多い。そのため、これらの茎の太さは分岐前の茎の太さと比較すると細い場合がある。(参考文献より)よって、これら分岐後の茎において風に対する強度を図るためにこのような戦略を取ったと言う仮説が考えられる。この際、分岐前の茎においても断面の形状は三角形である。植物の成長点は茎頂と根端にあるため、伸長の際に三角形であった茎を同様にして三角形に何分割化する、と言う仮説も考えられるが、これは前述した成長点位置を理由に棄却されると言える。そのため、本仮説(風などの外的刺激に対して細すぎる茎に関する補強)は分岐前の茎においても当てはまる可能性が示唆される。
(参考文献:“カヤツリグサ”.EVERGREEN. https://love-evergreen.com/zukan/plant/6410, (参照2022-11-26).)

A:これもよく考えていることはわかります。最後の話は、パイプモデルを念頭に置いているのだと思いますが、その論理を完全に理解することができませんでした。


Q:今回最も興味深かったのはグラフを用いた茎の長さと光合成生産量の関係であった。植物の葉が密集している場合は茎の長さが長いほど光合成量が多いのだという。確かに茎の長さが長いと葉が重なり合う面積は小さくなり、効率よく光合成できる。では茎の形態の違いが光合成量にどこまで影響があるのだろうか。そこで長さの次に茎の太さについて注目してみたい。実験としては茎の長さがほぼ均一で太さが明らかに異なる一種の植物の光合成量を調べるというのはどうであろうか。この場合太さがあまりにも細い固体は茎が大きくしなり、まっすぐに伸びている植物と比べると太陽光が収集しにくく光合成量が少ないのではないかと考えられる。また太さが細いと維管束の太さも比例して細くなり、地中からの水の吸い上げによりエネルギーを要するために光合成効率があまりよくないのではないかと考えられる。

A:ここでは実験を考えていますが、述べられているように、茎の太さを変えた植物をうまく用意できたとしても、構造的強度や通導効率など、複数の点に変化が現れてしまいますから、難しそうですね。やはり、実験は、要因を一つだけカエラらるような実験系をデザインする必要があります。


Q:講義で紹介された植物の形態を決める要因のシミュレーションでは、その要因として「繁殖効率」「受光効率」「力学的安定性」が挙げられた。そして、その要因が増えるほど適応度は減少し形態のバリエーションが増加することがわかった。したがって、どれか一つの要因を諦めるまたは別の形で叶えることができれば他の要因への適応度が増加すると言い換えることができる。では、どのような形態であればそのようなことが起こるのだろうか。
 1つ目の繁殖効率について考える。繁殖効率の良い形態としてシミュレーションではなるべく高いところで花をつけ種子散布を行う形態が挙げられていた。これは自家受粉ができない植物や風散布型のような種子散布型の植物では有効だが、自家受粉ができたり種子が高い場所にある必要のない種子散布型を持っていたりする植物では不要である。
 2つ目の受講効率については基本的に葉が高いところに重ならずについていることが効率の良い形態とされている。しかし講義で紹介されたタンポポやフクジュソウのように葉の高さが光合成速度に影響しない植物の場合は必ずしもシミュレーションの例では表せない。
 3つ目の力学的安定性についてはどうだろうか。水中の抵抗は空気中の抵抗より大きい。したがって水中では水の流れによって植物体が倒れてしまってもポッキリと折れてしまうことは起こりにくいと言える。沈水植物の中で直立型に分類されるオオカナダモやササバモなどがこれに当てはまる。
 このように3つの要因についてそれぞれを補完できる場合があると言えた。このような場合に、3つすべての要因を網羅したシミュレーションから外れた形態の植物が存在すると言える。

A:これは素晴らしいと思います。「どれか一つの要因を諦めるまたは別の形で叶えることができれば他の要因への適応度が増加すると言い換えることができる」という発想の転換が見事です。


Q:今回の授業では、植物の茎とその役割について学んだ。植物の茎には葉や花を高いとこに上げることで光合成効率を高めることや繁殖効率を高めることなど様々な役割が挙げられたが、中でも私はサトウキビが茎に栄養分を蓄える理由について気になった。例えば、他の植物ではサツマイモやニンジンは根に養分を蓄え、タマネギやチューリップなどは葉が変化したものに栄養分を蓄える。ジャガイモもサトウキビと同じく、茎に栄養を蓄えるが、こうして挙げてみると植物が栄養を蓄える場所は地下であることが多い。授業内では落葉樹も冬の間は根に栄養を貯蔵するとのことだった。では、なぜサトウキビはなぜわざわざ地上の茎に栄養を蓄えるのだろうか。
 まず私が考えた可能性としては、蓄えるという機能が二次的に進化した可能性である。サトウキビはC4植物として知られているが、この光合成様式では夜に気孔を開いて、リンゴ酸という形でCO2を昼に備えて蓄えておく必要がある。つまり、細胞内に浸透圧の原因となる物質を蓄えなければならないのである。普通の植物であるならば、CO2は気孔を開いて気体の状態で取り込めばいいので、光合成に使うCO2分の浸透圧を考慮する必要はないが、C4植物の場合はそうはいかないということである。すると、C4植物はリンゴ酸を大量に蓄えても浸透圧に耐えられるシステムを進化で手に入れたと考えられることができるだろう。そうなると、高い浸透圧に耐えるシステムがスクロースを蓄えるシステムとしても有効であることが当然予測できる。他の植物ではデンプンで栄養を蓄えることが多いが、サトウキビのようにスクロースで栄養を蓄えるメリットとしては、デンプンをいちいち作って蓄え、使うときにはそれを壊すという手間が省けることだろう。このことから、浸透圧にさえ耐えられれば、スクロースで栄養を蓄えるメリットは大きいということが考えられる。したがって、リンゴ酸を蓄えるシステムがスクロースを蓄えるシステムとして流用されたとしても不思議なことではない。そして、栄養を蓄える場所としては光合成する場である葉に近い方が、栄養を移動させる距離が少なく済み、移動させることに伴うコストの消費を抑えることができるだろう。しかし、葉は光合成効率を上げるためにできるだけ葉緑体を持った葉肉細胞を詰め込む必要がある。また、葉に栄養を蓄える場所を作って葉が分厚くなると光合成効率が下がることも予想できる。したがって、葉に近く、光合成の障害とならない場所として、茎が一番都合の良い場所ということになると考えられる。
 しかし、これだけではサトウキビが地上に栄養を蓄える理由にならない。もし、地上の茎に栄養を蓄えるシステムが一番都合が良いなら、他の植物でもそういった進化が起きるはずである。ここで考えたのが、サトウキビの天敵についてである。サトウキビのスクロースの多く含まれる茎は動物にとっては格好の食糧だろう。他の植物では地下に栄養を蓄えることが多いのは、大型哺乳類や昆虫から目立ちにくい場所に栄養を蓄え、食害を抑えるためだろう。一方、サトウキビは地上から丸見えの茎に栄養を蓄える。このことから考えられることは、サトウキビの原産地にはサトウキビを積極的に捕食するような大型哺乳類がいないことだ。実際、サトウキビの原産地であるニューギニア島には大型草食哺乳類の代表であるイノシシやサル、シカは自然分布していない。また、サトウキビの葉や茎は非常に硬いことが知られている。アブラムシなどの液を吸う昆虫は避けられないだろうが、直接葉や茎をかじるような虫の被害はある程度避けられるだろう。このことから、天敵がいない状況ならば、地上に栄養を蓄えても問題は特になく、光合成の場に近いことから都合がよいだろう。むしろ、ニンジンやタマネギは天敵がいる状況で仕方なく地下に栄養を蓄えているものと考えられる。
 まとめると、サトウキビは栄養の移動のコストの面から葉に近い茎に栄養を蓄え、茎を直接齧れるような天敵がいなかったことから、この形質が進化したと考えられる。

A:これはよく考えていてよいのですが、惜しむらくは一点だけ、C4植物がリンゴ酸を蓄積するというのは勘違いです。リンゴ酸を蓄積するのはCAM植物で、代謝系としては似ていますが、成長速度などは大きく違いますし、C4植物の場合はリンゴ酸の蓄積は起こりません。


Q:今回の授業で茎の長さと葉のバイオマス割合、光合成生産量の関係について学んだ。現存する植物は茎の長さと光合成効率の関係によって環境に適した茎の長さが決められている。では、周囲の環境によって植物のスケールが変化することはあるのだろうか。授業で習ったように茎が長くなるほど、葉以外のバイオマス割合が増加しそれらを作るために多くのエネルギーを使用するため茎を伸ばし続けてもエネルギー効率が悪くなってしまう。では周囲の環境において二酸化炭素濃度の増加や日照時間の増加が起きた場合、光合成効率が良くなりエネルギーに余裕ができるため植物が今以上に大きくなることが可能になるのではないだろうかと考えた。しかし、植物が大きくなると上部まで水を運ぶことが困難になってしまう。豊富な二酸化炭素を利用してより多く光合成を行うためには多く・大きい葉が必要でありその分蒸散量も増えるので多くの水が必要になるとともに水を高くまで吸い上げるために圧力が必要であり上部での水不足が起きてしまうのではないだろうか。そのため周囲の環境の変化によって今現存する植物のスケールが大きく変化するというのは難しいのではないかと考える。

A:視点が面白くてよいと思いました。ただ、周囲の環境という場合に、講義で触れた周囲の植物の密度については考えないのかな、と思いました。


Q:今回の講義では、茎の長さを長くする程光合成生産の量が増えることを学んだ。また、日当たりの良い環境に生息するタンポポは葉を高い位置に付けなくても光合成ができるため、茎がない植物の例として挙げられていた。このように茎がなくても十分な光合成が出来る場合は、茎を持たないことでコストを削減することが出来る。そこで、陰生植物のような光の弱い環境でも光合成が出来る植物は茎をなくしてコストを削減した方がいいように思われる。しかし、陰生植物であるドクダミは高さは高くないが茎を持っている。これはドクダミがより光を求めて高い位置にいこうとしているからだと考えられるが、陰生植物であればその必要はないように考えられる。ドクダミをこれまで何度も見たことがあるが、集団で同じ場所に生息している印象を受けた。このように同じ場所に生息していると葉同士が被るため、、光をより多く受けるには、より高い位置に葉がある必要がある。つまり陰生植物でも光が少なすぎると光合成量は低下するため、集団で生息しているドクダミ同士による競争によってより茎を短いながらも伸ばしているのではないだろうか。

A:これもよく考えていると思います。ドクダミをよく観察すると、地下茎でつながって繁殖していることがわかります。つまり、集団で生育しているドクダミの多くはクローンである可能性があります。そうすると、そもそもドクダミ同士で競争すること自体、あまりプラスにならないような気がしますね。


Q:今回の授業では植物の茎について学んだ。植物個体の密度が低い環境では光をめぐる競争が起こりにくく、キソウテンガイやタンポポといった茎を持たない植物もあることを知った。密度が低い環境に生育する植物にサボテンがある。サボテンのトゲは葉が形を変えたものであり、その他の部分が茎である。アメリカなどの地域に自生するサガロサボテンは低密度環境に生育するが、茎が発達し、高い位置まで葉がついている。この理由について考える。低密度環境に生育するサボテンは光をめぐる競争とは違う理由で茎が発達したと考えられる。サボテンは乾燥地域に生育している。茎を大きくすることは蒸散量を大きくし、かえって不利になっているようにもみえる。植物の茎の主な役割の一つに通導がある。サボテンは乾燥地域に生育し、体内の水分が失われやすい環境にある。そのため、体内で水分や養分を循環させるには、維管束を乾燥から守る構造が必要であると考える。サボテンの茎は大きく発達し強固である。これにより、茎の内部を通る維管束の水分は体外の乾燥から保護される。サボテンはこれを利用し、自身の体を乾燥から守っていることが考えられる。ただし、これだけではサガロサボテンの茎が高くまで発達している理由とはなりえない。維管束を保護するだけの目的なら維管束を横に伸ばし、低い位置に歯をつけることもできるからである。そのため、サボテンの茎が発達したのはもう一つの別の理由があると考えられる。これを自分は草食動物からの被食を防ぐためと考えた。葉を高い位置に配置することにより、動物が葉に届かなくなり、食害を防ぐことができる。以上より、体内の水分を保護しつつ動物から葉を食べられるのを防ぐためにサボテンは茎を発達させたと考えられる。

A:これも面白い考えた方だと思います。ただ、サボテンの場合、上に葉がつくわけではなく、上も下も茎ですから、下の部分が食べられてしまったら、結局枯れてしまうはずです。つまり、この仮説が正しければ、茎の下と上とでは硬さなどが違っていて、下は動物に食べられにくくなっているはずでしょうか。


Q:変わった形の茎のことを考えると、竹のことを思いついた。外見は草本のように色は緑色でも、草本にない硬さを持っている。内部は緑色ではなく、他の植物と比較して大きな空洞があり、節のように板で隔てられているなど特徴的な部分が多く、草本とも木本とも言い難い見た目をしており、なぜこのような形態をしているのかが気になった。木本と草本の違いは形成層の有無によって分けられている。形成層がなく、成長しても太くなることがない竹だが例外的に木本として分類されていることが多い。通常の植物と異なり先端以外にも全ての節に成長点が存在し、非常に成長速度が速く、1日に1m以上成長したという記録もある。また、寿命も20年と長くなっている。イネ科の植物であり形成層を持たないという特徴からイネ科の草本から茎が木質化することで今の形に進化したということが推測できる。原産地を調べると、竹は中国や東南アジアから広まった植物で、森林が広がり、競争が激しい場所で生まれている。しかし、竹林をイメージすると、竹林の中にはほとんど竹と小さな草本しか存在せず、他の種の木本に紛れて竹が生えたり竹林に他の木本が紛れているという印象はない。このことと非常に速い成長速度や高さ、節と中空構造によるしなやかで折れにくい構造のことを考えると、竹はもともと攪乱耐性を身に着けることを最大の生存戦略としていたのではないかと考えられる。丈夫な地上部は強風や地震、土砂災害などの物理的な被害を受ける災害に強く、地上部が消失しても地下茎が広域に広がっている。竹と比較すると折れやすく背が高い木本が攪乱によってなくなると、光を遮るものがなくなる。遷移によって草本や陽樹などの背が低い樹木が生え、陰樹が生えていくが、それらが成長する前に飛びぬけて速い成長速度で成長し、光合成をして地下部を地下茎で覆ってしまえば光を遮る陰樹が成長することができずに、竹のみが生育できる環境になっていく、という流れが想像できる。このため、竹林の様子を見ていると竹は光を巡る競争に強い性質を持った種であるように思えるが、実際は攪乱によって競争に強い種が淘汰されるのを待ってこのような形態が作られたのではないかと考えた。
○参考文献
・木下直, 木と草の違い, 森林・林業学習館, https://www.shinrin-ringyou.com/topics/mokuhon_souhon.php(参照:2022-11-26)
・林野庁, 竹の性質, 林野庁, https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take/seisitu.html

A:よく考えられたレポートであると思いましたが、特に最後の部分、撹乱耐性と撹乱が起きた後の先駆植物としての特徴が一緒に議論されているので、少しわかりにくいように思いました。