植物生理学I 第3回講義

植物の葉の構造

第3回の講義では、二酸化炭素の取り込みに関して、気孔や境界層抵抗なども絡めながら説明し、葉の形や大きさとの関連を考えてみました。


Q:タビビトノキの葉がちぎれることと拡散コンダクタンスについて考える。今回の講義では二酸化炭素取り込み効率のみに着目して葉がちぎれる現象を考察したが、私は太陽光の強さや栄養塩類もこの現象に関連していると考える。タビビトノキの生育環境は熱帯であり、高木となるため光には不自由しない環境であると考えられる。一方この大きな葉のため拡散コンダクタンスが低く二酸化炭素濃度は光環境に対し枯渇する傾向にあるのではないかと考えた。そのためタビビトノキは定期的に来る強風を自ら利用し葉をわざとちぎらせ、拡散コンダクタンスを低くして、古いちぎれたぼろぼろの葉となって初めて最も効率的な光合成を行っているのではないかと考える。ではもともと葉を細く細かく作っておけばよいのではという話であるが、ここでタビビトノキの生育環境で不足すると考えられる要因を考えた。それは栄養塩類である。葉を細く細かく作るのは遺伝的に困難であったという理由も考えられるが、一方で栄養塩類が枯渇し物理的に不可能であったということも考えられる。講義中で温室では葉がちぎれていないということが議論されていたが、熱帯より高緯度でかつビニールハウスに覆われた環境では光が枯渇する。そのためバランスをとって拡散コンダクタンスがそれほど高くなくてもよいため葉がちぎれていないのではないかと考えた。蛇足であるが、タビビトノキの名称の由来は葉の根元に水がたまりそれを旅人が利用したということのほかに、葉を決まった方向に広げるため(実際はそうでもないらしいが)旅人が方角を知るために利用したからという話を以前聞いた。

A:僕が講義でしゃべったことを鵜呑みにしないで、自分できちんと考えていて素晴らしいと思います。温室における観察について、自然環境と異なる点を考察する姿勢もよいですね。科学には批判的精神が非常に重要です。


Q:風が強いところで育つ植物は葉の大きさだけでなく、硬さにも違いが出てくるのではないかと考えた。なぜなら葉にある程度の柔軟性がないと葉が風に揉まれた際に簡単に葉が裂けてしてしまうからである。例えば水中で常に流れる水の影響を受けるオオカナダモの葉は非常に薄く柔らかい。陸上の葉が柔軟性を持とうとした場合、各細胞の細胞壁を変化させる、もしくは葉の細胞数を減らして葉を薄くすることが考えられる。オオカナダモのような水中植物は乾燥することがなく、また、水と直接ガス交換を行えるため、クチクラ層やガス交換に必要な細胞を省略した結果、葉の細胞を2層にまで減らすことができ(1)、結果として水の抵抗にも順応できたと考えられるが、陸上植物の場合は葉の機能を減らすことは難しいので、細胞壁を変化させているのではないかと考えられる。細胞壁はセルロース、ヘミセルロース、ペクチンからなり、ヘミセルロース、ペクチンの比を増やすことで細胞壁を柔らかくできる(2)。よって、風が強いところで育つ植物の細胞壁の成分はヘミセルロース、ペクチンが多いと予想する。
(1) 日本植物生理学会. “水草の蒸散”. みんなの広場. 2012-08-25.、https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1100, (参照 2018-04-28).
(2) 日本植物生理学会. “細胞壁について”. みんなの広場. 2009-07-03.、https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=0233&target=number&key=0233, (参照 2018-04-28).

A:最後に考察した結果ら、検証可能な仮説に行きついているところがよいと思います。オオカナダモの話は、次の回の講義を先取りされてしまいました・・・。


Q:境界層により空気の層がある程度固定される影響により葉の大きさが変動する、そのために土地土地に合った葉の形状を取るとの講義内容は、今まで葉の大きさは日陰や支える重さによって影響してくると考えていた私にとって大きな衝撃をうけました。だが本当にその要因だけで決まってしまうのかとも同時に思いました。そして気孔による二酸化炭素供給のみが葉の大きさに影響してくるのならば、気候変動が進みCO2濃度が高くなっていくと葉の巨大化が進行していくのでは?と疑問に思ったため、天然CO2噴出地近辺のようなCO2濃度が高い箇所における植物の葉の大きさについて調べてみました。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/52/2/52_113/_pdf)こちらの論文では葉の大きさには触れてはいませんでしたが二酸化炭素濃度の上昇は光合成速度上昇に有意に差が出ています。僕はその上昇因子に大きさが含まれていると考え、そして長期的に見ればやはり気候変動により葉の大きさは巨大化していくのではないかと思いました。SF小説みたいで面白いです。

A:二酸化炭素噴出地に目を付けたのは面白いですね。一つだけ注意しなければならないのは、環境変化に対する生物の応答の時間スケールです。環境変化に個体が「馴化」する過程は、場合によっては数日でおこりますが、「進化」となると、生物にもよるでしょうけれども何万もの世代を重ねる必要があるでしょう。そうすると、もし、「巨大化が進行」というのを進化を頭においてイメージしているのであれば、その二酸化炭素噴出地が、どのぐらい前から二酸化炭素を出していたのか、という見積もりが必要でしょうね。


Q:植物の葉の気孔の働きにおける温度と二酸化炭素の吸収の関係性について言及する。まず、植物は光合成において基質として二酸化炭素を吸収し、気孔から水分を蒸発させることで茎の中を水が蒸発する蒸散流を作り出し、物質を輸送している。また、水を蒸散させることで温度の上昇を防いでいる。また、葉において、二酸化炭素濃度が上昇すると気孔は閉じ、葉の温度は上昇することがわかっている。さらに、植物は温度上昇よりも水を失わない方を選ぶことがわかっている。何故、植物がこのような選択をするのか疑問を抱いた。よって、この2つの現象による影響について考察する。まず、植物は温度上昇において、細胞内の酵素の働きが低下し、温度に伴う葉の表面からの蒸散が起こる。一方で、植物は水分を失うと、前述したように物質移動ができなくなり、光合成の反応性も悪くなる。ゆえに、両者を比較した時、水を失うことの方が、植物の生命において、より影響が大きいと考える。

A:悪くはないのですが、最後の部分、例えば温度上昇が一定値を超えれば、酵素が完全に失活して、すべての生命活動は不可能になりますよね。もう少し、定量的な議論をするか、あるいは、身の回りの観察から何らかの推測をすることが必要だと思います。


Q:今回の講義では植物の気孔について学んだ。気孔は基本的に葉の裏側にありガス交換を行っているのだが、表裏が無い葉ではどのように配置されているのだろうか。そう考えたときに真っ先に思い浮かんだのがサボテンである。サボテンは茎が肥大し葉が棘状になっているため、他の植物とは異なる気孔の配置をしていると思った。調べる前の仮説として「サボテンの気孔は茎の部分に配置されている」を考えた。なぜなら、サボテンの葉(棘)は白色であり、葉緑体をもつ気孔が存在するとは考えられないからだ。それに加えて、気孔は細胞での光合成や呼吸でのガス交換をするのに効率が良いほうがいいため、葉緑体が豊富な茎に配置されていると考えたからである。調べた結果、サボテンの気孔は茎にある(文献1)ことが分かった。さらに、自分が先ほど「光合成でのガス交換を効率良くする」と言ったことがCAM植物特有の二酸化炭素固定様式として詳しく述べられていた。逆に普通の植物の茎に気孔があるのか調べてみると、ヨモギの茎に気孔がある(文献2)ということが分かった。このことから、一般的な植物の茎にも気孔があると考えられる。上記のことから、サボテンの祖先の植物は葉にも茎にも気孔を持っていたが、葉の形態を棘として特化させる過程で葉緑体や気孔を失い、光合成や呼吸の機能を茎の部分に集中させたと考えられる。
【参考文献】
(1)今関英雅、日本植物生理学会”サボテンについて”、https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=0984
(2)柴岡弘郎、日本植物生理学会”パンジーの茎とヨモギの茎”、https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2232

A:これもきちんと考えていてよいですが、結論は、やや予想通りという気がします。別に予想通りだといけない、というわけではありませんが、できたら、他の人も考えそうな議論ではない、自分しか思いつけないぞ、という議論を目指してください。


Q:今回は植物の葉についての講義であったが、ここで自分が気になったのは、気孔の形についてである。気孔とは植物における気孔の役割は主にCO2の取り込みと蒸散である。気孔の形は人の唇のような形をしているが、なぜこの形になったのだろうか。なぜなら、開閉という面だけで見れば、二つの細胞が向き合うこの形はその二つの細胞をくっつければ閉じ、離せば開くという非常に単純な構造であり、なおかつ開閉に余計なエネルギーを必要としない。さらに、箱のふたのように平面である葉に対し、構造的に邪魔になることもない。以上の理由から、二つの孔辺細胞が向き合っているこの形は一番気孔の役割である開閉に適しているようにみえる。

A:自然な考え方ではあると思うのですが、このようなときは比較の対象を設定すると、説得力が増します。気孔の形だけを考えてそれがよい、と議論するのは、自分の商品しか宣伝しないセールスマンのような感じです。そこで、他社の製品では、このような点に問題が生じますよ、というと買う気が増す感じがします。


Q:今回の授業では、植物の気孔がどのような環境で開閉するのかについて学んだ。特に、周囲のCO2濃度も気孔の開閉に関わっているのは初めて知った。ここで私が疑問に思ったのは、植物は、何によって自分の置かれている環境を感知しているのか?ということである。拡散の原理か、あるいは水分子や二酸化炭素分子に反応する受容体がそれぞれ存在するのか。ここで自明の事について考える。光が当たっていることを感知する機構は、光受容体フォトトロピンなどによって司られていることが分かっている。それらによって気孔細胞のカリウムイオンの移動が司令され、気孔の開閉が起こる。しかし、様々な物質の移動により起こる気孔の開閉は、拡散の原理だけで起こされているとは考えずらい。結局、葉の内側と外側、どちらの濃度が高いかを判断する必要があるということは、各物質に応答する受容体があるということではないかと考えられる。

A:「自明の」とありますが、確かにもう一つ踏み込んだ議論が欲しいですね。例えば、同じ水不足に対する応答でも、気孔はわざわざ根の乾燥状態と葉の周りの湿度を個別に感知しているようです。何でそのような必要があるのでしょうか。小さなことでもよいので、自分なりの疑問に基づいて人の考え付かない議論を目指してください。


Q:この講義で1番関心を持った話題は、CO2濃度による気孔の開閉と葉の温度の変化だった。以前から水分量によって気孔の開閉が調整されているのは知っていたが、CO2濃度が気孔の開閉に影響しているとは考えていなかった。講義では、CO2濃度と葉の温度の関係を扱ったので、ここではCO2濃度と植物の成長を扱っていきたいと思う。近年、CO2濃度の上昇が問題になっているが、これは植物の成長にとってどのような影響を与えるか考えていきたい。単純に考えると、CO2濃度が上昇すれば、気孔の開閉が少なくなりエネルギーもあまり使わない。しかし、蒸散量が減少して葉の温度は上昇する。葉の成長の観点から考えると、気孔の開閉に投資するエネルギーが少なくなる分を生育に充てることができ、成長が促進されると考えた。また、葉の温度が高くなっても気孔の開閉の回数は少ないので、水分不足になる心配もある程度まではなさそうだ。なので、CO2濃度上昇は植物の成長にとってプラスの影響を与えると考察する。そこで、関係する研究を調べたところ、サイエンスの論文を見つけた(1)。これは過去30年に緑地において世界レベルで緑化が著しく進んだというものだった。逆に砂漠では、砂漠化が拡大している。これが示すのは、CO2濃度上昇は確かに植物の成長にはプラスの影響を与えるが、同時に確実に地球温暖化が進行していることを示している。つまり、CO2濃度上昇は植物の成長と地球温暖化の両方を促進していて、地球温暖化の方が強く促進されるということだ。CO2濃度上昇は植物的観点から考えると良いものであるかもしれないが、地球環境を考えると悩ましい問題であることが改めて理解できる。
(1) Gli alberi hanno sempre piu foglie, Giovanni Forzieri,SCIENCE

A:よく考えていてよいと思いますます。途中、砂漠化=地球温暖化という論理を前提なしで使っていますが、この点は注意が必要です。行間を読ませるのではなく、最低限説明が必要ですし、砂漠化が進む一方で、極地が緑化すればよい、という極端な考え方も可能ではあると思います。


Q:今回の講義で気孔の開閉時間に差があることに疑問を感じた。気孔が開くまでは1時間ほどかけてゆっくりと開くのに対して閉じるときはわずか15分程らしい。二酸化炭素濃度と光の変化で気孔は開閉するが今回は光に焦点を当てて考える。まず気孔が開くときは光を感じ細胞膜内のチャネルの流れが変化することで孔辺細胞の体積が変化する。つまりチャネルが動くためのエネルギーが必要となる(参考文献)。チャネルの移動などの過程を経て開口するため時間がかかるのかもしれない。しかしこれは閉口する際にもチャネルが変化することには変わりないので開閉時間の差の原因としては考えにくい。そこで気孔は開くほど生産量が増加するが、開きすぎると夜は気孔を閉じる傾向にあることに着目する(参考文献)。つまり気孔は時間をかけながら自身がどの程度まで開口すれば使用するエネルギーと生産できるエネルギーとの収支が合うのかを見比べて開くのかもしれない。開きすぎると乾燥しやすいことも関わってくる。つまり開口時間が長いのは乾燥しない、エネルギー収支が合う開き具合を調節しているかだと考えた。
参考文献 環境変動に対する気孔開閉制御 木下俊則 名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 https://katosei.jsbba.or.jp/download_pdf.php?aid=441

A:目の付け所はよいですね。ただ、最後の結論部分も、結局閉じるときに早くなくてはいけない理由には、あまりなっていない気がしました。


Q:葉緑体は細胞の表面に並んでいることから、光合成による有機物の生産量を増やすには細胞の数を増やすことが有効であると考えられる。風や水流の強さなど環境要因を考えると葉を大きくしすぎることはできず、限られた表面積で細胞数を多くするには葉を厚くすることが有効だと考えられる。葉を厚くする要因としては主に、表皮のすぐ下にある柵状組織の発達が考えられる。この柵状組織には葉緑体が多く含まれており、活発に光合成を行っている。柵状組織は細長い形をしていてたくさん並ぶことで葉緑体の数を増やすことができるが、細胞が長すぎる(葉が厚すぎる)とCO2が行き届かず葉緑体の数が無駄になってしまうこともあるのではないかと考えられる。
参考文献:日本植物生理学会ホームページ、https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2366

A:これは、その通りですとしか言いようがありません。一般的なレポートとしては優秀なのですが、僕の講義のレポートとしては、もう少し独自の視点が欲しいところです。


Q:僕の地元では6月ごろにあやめ祭りが開催される。このあやめという植物は普通の植物とは違う性質を持っている。あやめの葉は表面が内側でくっ付き裏面が表にでる単面葉という形をしている。そのため目に見える部分は全部葉の裏面であり表面は見えない。普段料理に使うネギなども単面葉の植物である。単面葉の植物では裏面が表に出ているので全身に気孔があり、光合成も呼吸も同じ面で行われる。なぜ普通の葉の形ではなく単面葉という特殊な形態を選んだかについて考えてみる。葉緑体密度の高い表面が裏に隠れることにより光合成効率が落ちるように思われるが、その分裏面が360°表に出ているので太陽光を最大限に浴びることができ、裏面にも葉緑体は存在しているので光合成効率はかえって上がっていると考えられる。また気孔の量も裏が表に360°出ているので普通の植物に比べても多く呼吸の面でも有利であると考えられる。よってあやめは単面葉の方が普通の葉よりも呼吸、光合成の面で有利であると考えられるのでこの形を選択したと考えられる。

A:これも目の付け所はよいと思います。ただ、もし、単面葉に利点しかないのだったら、世の中の植物の葉は、すべて単面葉になるはずです。そうでないということは、おそらくは環境条件によって単面葉が有利になる条件と不利になる条件があるはずです。できたら、そこまで踏み込んで議論してください。


Q:今回の授業で最も興味を持ったのは、植物の葉は平たいということである。その理由として、光合成の効率を良くするために薄く平たい形になったと考えられている。しかし、あまりにも薄い形にしてしまうと、風や雨などの影響で破れる恐れがあり、また、乾燥に耐えることができなくなってしまうという恐れが考えられる。それらの兼ね合いを経て、今の植物の葉の薄さになったと考えられる。そういった理由で薄い葉の植物が多いのと考えられるが、厚ぼったい葉をもつ植物も存在する。それは多肉植物といったサボテンやアロエなどであり、葉が退化して代わりに多肉質の茎が光合成をする植物である。中でも気になったのが、ストーン・プラントというツルナ科の植物で、まるで石のような葉をもつ。アフリカの乾燥地に生息しているので、乾燥に耐えられるよう水分を確保するためにこのような形になったと考えられる。このようなことから講義でも話があったように、植物は光合成よりも水分を重要としていると考える。また、厚い葉であっても、葉の内部で吸収した光を光ファイバーのように全反射させ奥にある細胞に届かせることができれば、効率よく光合成できるのではないかと考えたが、今の植物の形が最善であるのかもしれないと思った。
参考文献:葉はなぜ薄くて平べったいのか、http://takenaka-akio.org/repro/aroma/03/index.html 2018/4/27

A:考えようという姿勢は感じられます。ただ、いろいろ頭を巡らせている様子がそのまま文章になった感じなので、できたら、頭を巡らせた結果を整理して一つの問題を設定し、その問題を解明していくという論理構成でレポートを書けるとよいと思います。


Q:葉緑体は気孔から入ってくる二酸化炭素の取り込みやすさから壁沿いに張り付いているということを習ったが、どのようにして葉緑体光定位運動といい葉緑体がその地域で浴びる光の強さや角度、波長によって配置を変えることができるという。 光の情報に従って葉緑体が細胞内での配置や存在場所を変える現象を葉緑体光定位運動という。一般的には青色光によって誘導される。弱光(数W m-2 s-1以下)下では葉緑体は葉の表面側に集合し,強光(10 W m-2 s-1以上)下では葉緑体は光を避けて光と平行な細胞壁面に逃避する.前者を弱光反応または集合反応,後者を強光反応または逃避反応という。弱光反応は光合成の効率を上げ,強光反応は光傷害を避けるという生理学的意義がある[日本光合成学会 葉緑体光定位運動 http://photosyn.jp/pwiki/index.php?%E8%91%89%E7%B7%91%E4%BD%93%E5%85%89%E5%AE%9A%E4%BD%8D%E9%81%8B%E5%8B%95 より]。こういった葉緑体の運動はどのように行われているのかはアクチンや微小管が関係していると予想されており、未解決問題が多く残されている。

A:これは、小学生の調べもの学習のようで、レポートになっていませんね。この講義のレポートは、自分で考えた論理を示すようにしてください。


Q:気孔は水とCO2の両方の出入り口となっているため、片方を保つためにはもう一方の出入りも犠牲にしなくてはならない。しかし、CO2と水を別の場所から出入り出来るようになれば、一方を犠牲にする必要がないと考えた。調べてみたところ実際に水だけ出す水孔という機構がある。気孔はCO2や水蒸気など気体の出入り口であるのに対し、水孔は水のみが排出される。しかし、気孔のように状況に合わせて開閉できる構造にはなっておらず、単なる穴である。水孔の主な役割は過剰水分を排水することであるが、貴重な水分を垂れ流しにしかねないこの機構の存在に疑問を覚えた。そこでこの機構のメリットを考えてみた。本当に水孔は過剰水分を排水するだけの機構なのであろうか?体内の水分が過剰になったときは根が吸水作業を中断すればいいのではないか。これを行うのは体内の老廃物も一緒に排出できるからだと考えた。植物は吸収、または生産された不要な物質は葉の中に溜めておき、落葉などによってしか排出する機会が無い。しかし、水孔で排水する事ができるとしたら、体内の不要イオンや老廃物などを排出させることができる可能性がある。他の利点として、水孔の存在によって水をより積極的に吸収するようになるため、周囲の水を根に集め、植物にとって貴重なイオン類の栄養素を吸い寄せている可能性も考えられる。根は根の表面に接する水からしか栄養素を吸収することができない。水孔の存在によって根の表面の水の循環を早め、より新鮮な水が入手できるようになると考えられる。

A:よく考えていてよいと思います。この説明が正しいかどうかは、土壌水中のイオンなどの成分を、水孔から出てきた水の成分と比べればわかりそうですね。


Q:今回の授業を聞いていて、私は去年の植物形態学の授業でオオカナダモの葉を顕微鏡で観察した際気孔が見つからなかったことを思い出した。これは、水草であるオオカナダモは周りの水に溶けた二酸化炭素や酸素をそれぞれの細胞で吸収・放出していて、ガス交換に特化した気孔は必要ないからではないだろうか。また、植物にとって重要な水分はオオカナダモの生息地では豊富にあるため、気孔の開閉で調節をする必要もない。進化の過程を考えると陸上植物よりも水中植物の方が祖先にあたるため、このことから気孔が陸上進出によりできたものであるという裏付けにもなるだろう。

A:悪くはありませんが、ちょっと淡泊ですね。例えば、最後の結論の進化の部分などでは、水草の葉の気孔が退化によって見られなくなったのかどうか、といったことを考える必要があるでしょう。もう一息、しっかりとした考察が必要でしょう。