植物生理学I 第11回講義

植物の種子

第11回の講義では、植物の果実と種子について、花粉管の伸長や自家不和合性などとともに解説しました。講義に寄せられたレポートとそれに対するコメントを以下に示します。


Q:自家不和合成の効率化を図るために、違う遺伝子を持つ種を作り、それをひとまとめにすればいいと思う。例えば果実の中に種がたくさんあるが、これが全て違う遺伝子を持てば、その果実を食べた動物にひとかたまりに運んでもらい、排出される位置は高確率で近いと考えられるため、自家不和合成の植物でも効率よく他の遺伝子を持つものと受粉することができる。実際、違う遺伝子をもつ種を同じ植物から作るのは限界があるので、やはり結局はどれだけ近い位置、狭い範囲に遺伝子的多様性を生むかが重要であると考える。違う環境に移動するときには、一個体だけの移動では生殖できないため、上記で述べたような方法を利用してある程度の数で移動すべきだとわかる。この点さえうまくいけば自家不和合成はよい機能と言える。

A:「違う遺伝子を持つ種」の最後の字を「しゅ」と呼んでしまったもので、最初は何を言わんとしているのかわかりませんでした。「タネ」なのですね。生物学では、「種」は普通「生物種」を意味して、一般に言われるタネは「種子」ですので、そのように使い分けた方がよいでしょう。パッケージで移動させるというアイデアは面白いと思います。


Q:数か月前に、新パナマ病に関するニュースを見て、バナナが同一個体から作られたクローンであるということを初めて知った。そして今回の講義を聞いて、そのシステムを理解することができた。そこで、バナナのように3倍体植物であるため不稔の植物に種子を作らせる方法はないだろうかと考えてみた。3倍体植物は減数分裂がうまくいかないため種子を作ることができない。これをコルヒチン処理することで偶数倍体を作れば稔性を生み出せるのではないかと考えた。ここで疑問に思ったのは、いまだそのようなバナナが研究によって開発されていないのは何故かということだ。それは、倍数体を作ってそれを受粉によって増やすよりも、従来通り株分けによって増やしたほうがコストや手間が少なくて済むからではないだろうか。しかし現在、ウイルスによるパナマ病によってバナナは絶滅の恐れすらあるため、そのような倍数体研究と、それをもとにした遺伝子改良を早急におこなうべきではないかと思った。

A:確かに倍数化すれば種子をつくらせることは可能かもしれませんね。ただ、アイデア一つだけなので、レポートとしてはもう少し論理的な展開が欲しいところです。


Q:今回は花粉管の伸長について学んだ。花粉管が柱頭を突き進むとき柱頭の方が硬いのではないかと思いそれについて考察する。花粉管が伸長するには柱頭の細胞壁成分を何らかの方法で分解するか、分解するのではなく物理的に押し広げて進めるだけの幅を取るかの方法が考えられる。柱頭を押し広げるならば花粉管の先端もそれなりの強度が必要になる。しかし顕微鏡で見ないと見えない程度の花粉管にそのような強度が備わっているとは思えない。柱頭の細胞壁成分を分解するならセルロース分解酵素を持っている必要があるが、これも花粉管から分泌されているとは考えにくい。そこで花粉管内部と柱頭の表面の細胞内部の浸透圧が関係しているのではないかと考える。その差によって花粉管の膜が伸び、柱頭の壁を進めると考えた。

A:柱頭が「硬い」という表現が適切かどうかはわかりませんが、感覚はわかります。一般的に考えられる可能性としては、そもそも柱頭は花粉管を通すためのものなのですから、細胞壁の間に余裕がある、という点も考えた方がよさそうに思いました。


Q:今回、授業において、胚珠は花粉管に対して、誘因物質を放出し、また、花柱を通過した花粉管のみが胚珠に到達することを学習した。このことから、花粉管は花柱を通過することで胚珠から放出される花粉管誘引物質に対する感受性を獲得すると考えられる。しかし、ここでなぜ花粉管は花柱通過時から花粉管誘引物質に対する感受性を持っていないのだろうかと疑問に感じた。たとえ、花粉管が花柱を通過時からこの物質に対して反応性を持っていても問題はないのではないのでなかろうか。ここで、花柱内には誘引物質に似た物質が存在するためではないだろうか。花柱内で花粉管が迷走することを防ぐため、花柱通過時は花粉管は誘引物質に対する感受性を持たない。そして花粉管が花柱脱出直前、もしくは胚珠近くにおいてこれに対する感受性を獲得するのではないだろうか。

A:これは面白い点に注目しましたね。確かに、最初から誘引物質感受性を持っていて困る明らかな点はないように思います。あと、僕が思いつくのは、花柱を通る間に何か必要な変化が生じるので、そこをバイパスするようなものが胚珠に入り込まないようにしているということぐらいですね。


Q:両性花において、自家受粉を防ぐために自家不和合性をもつという。これは合理的な機構だと考えられる。しかし一方で両性花は単性花などに比べ自家受粉起こりやすい構造だ。自家不和合性によって自家受粉を防ぐことができても、柱頭についた花粉は無駄となり逆に柱頭の機能においても表面に付着した花粉によって機能は低下すると考えられる。自家受粉を防ぎたいにも関わらずその可能性は高く、資源の浪費ともなる構造を両性花はなぜしているのかを考えた。ひとつは、雄花と雌花それぞれの花をつくるよりも一つの花に雄蕊と雌蕊をあわせもっていた方が効率は良いと考えられるためだ。もう一つは、外敵から襲われた際単性花の場合には雄花と雌花に割合にずれが生じる場合があるが、両性花にはそれがないということだ。

A:これも着目点は面白いと思います。雄花と雌花に割合にずれは、それほど重大な問題ではないように思いました。そもそも、花粉がどれだけ雌花に到達できるかわからないわけですから、1対1になる必然性自体がないのではないかと思います。


Q:自家和合性の植物ならば、自家受精のみを繰り返すことで純系を得ることができる。これは、作物の掛け合わせの検討が楽になるため有効だ。では、自家不和合性の作物も、自家不和合性を打破すれば、純系を得ることができるのではないか。調べたところ、桜島大根は二酸化炭素濃度を上げた状態で受精させると自家不和合性を打破できるようだ。このメカニズムに何か生物学的メリットはあるのか。二酸化炭素濃度が地球上で非常に高かった場合、地球での降水量が大きくなり、晴れの日が減る。その結果、風媒、虫媒ともにその確率が落ちてしまい、子孫を残せない可能性が上がる。そのため自家受精ができなければ子孫を残せなくなるため、自家不和合性を打破することで生き延びる確率を上げているのではないか。

A:ここで議論されているのは、地球規模の環境変動における二酸化炭素濃度変化ですよね。それを予期して植物が対応策を持っているというのは考えにくいのではないでしょうか。1万年後に役立つかもしれないメカニズムを持つことが適応的であるとはどうも思えません。なお、「調べたところ」という場合は、出典を明記してください。そのままコピペしているわけではないので、著作権法上の問題があるから、というわけではなく、単にこの講義のレポートの書き方として、ということです。


Q:今回の授業では果実は種子の周りにあるものであり、様々な形態があるということについて学んだ。そこで果実の多様性と果実が“熟れる”ということについて考えていきたい。まず熟れるということはどのようなことか。広辞苑に(文献1)よると「果実が熟す」こととある。熟すということは「十分にみのる」こととある。果実が十分に実るということはもう中の種子が出来上がってばらまかれても発芽することができる状態であると考えられる。このように種子が十分に成長したということに重点を置くとアサガオの果実とミカンの果実が熟れたという形態には違いが出てくる。アサガオの場合、果実がまだ青くみずみずしい状態では種子もまだ成長し切れておらず、柔らかい。種子が出来上がったときには果実も乾燥した状態になっている。これがアサガオの種子が熟れたということだと考えられる。一方ミカンの場合は種子が出来上がっていても周りの果実はみずみずしい状態のままである。これがミカンの果実が熟れた状態である。この差は種子散布の方法が違うことによる。アサガオは果実が開裂して種子が下に落ちることによって散布される。開裂するには果実が湿ってぶ厚い状態より薄くて乾燥していた方が都合がよいと考えられる。よって果実は乾燥した状態が熟れたときである。ミカンは動物や鳥に果実と種子の両方を食べられることによって散布されるため、動物にとっておいしそうなみずみずしく甘い状態、いわゆる果物が食べられる状態になったときが熟れた状態である。 このように果実が熟れたと一言で言っても形態が違い、それは主に種子散布の方法が異なることによると考えられる。
文献1.新村出.広辞苑.株式会社岩波書店.第6版.2008.p. 288, 1338.

A:考え方は面白いですね。ただ、結論が当たり前なところに着地してしまっているのが残念です。出だしを読んだ段階では、何かもう少し斬新な結論を期待してしまいました。


Q:今回は主に植物の種子に関して学んだ。自分は居酒屋でアルバイトをしており、ある時期、食材として大量のソラマメの豆を莢 (さや) から取り出すことがあった。ソラマメの莢の内側 (つまり豆と接している側) は、白いワタで包まれており、とても優しく豆を包んでいる。衝撃や乾燥、さらに外部から来る害虫等から豆を守るためであると考えられる。しかし、十分過ぎるほどしっかりした莢に豆は包み込まれているのに、結構な頻度で豆が黒くなっていたり、異常に小さくなっていたりし、正常に成長していない豆が含まれていることに気付いた。この原因として、①病気による影響、②成長障害による影響の2つが考えられる。恐らくだが、居酒屋に商品として販売するために大量栽培されているソラマメなので、病気に対する対策は施されていると考えられる。よって、自分が見たソラマメの豆は ②成長障害による影響 で上手く成長していなかったと考えられる(生物学的な考え方による原因の特定ではないが…)。成長障害による影響には様々な要因が考えられるが、自分が見たソラマメの豆の様子をもう少し詳しく書くと、1つの莢に2 ? 5個の豆が入っているが、1つの莢内に正常な豆と異常な豆が共存していた。(このことからも上記で考察した ①病気による影響 ではないことが考えられる。つまり、病気による影響であると、莢内の豆全てが異常である可能性が高いからである。)これは、栄養条件が十分ではない時、複数個の豆に対して均等に栄養を与えるのではなく、莢に存在する複数個の豆に不均等に栄養を与え、確実に正常な豆を1個以上作り出す機構が働いていると考えられる。もう少し考察してみると、 正常な豆を多く含む莢も、異常な豆を多く含む莢も見た目的には莢の形状や色にほとんど差異はなかった。つまり、ソラマメは正常な豆の成長よりも、まずは正常な莢の成長を優先させていると考えられる。ここで疑問に思ったのは、ソラマメの生存戦略として、栄養条件が十分ではない時、① 正常な莢の成長を優先させ、豆は不均等に栄養を与え、多少の犠牲は出してでも完全な豆を確実に少し作る戦略 と、② 莢の成長を多少疎かにしてでも、多くの正常な豆を作り出す戦略 のどちらが生存に関して有利であるのという疑問である。現状の観察結果としては、①の方であると考えられるが、コンピューターシミュレーションをした際の結果はどうなるのかを比較してみると植物の生存戦略に関してより知見を深められるのではないかと、今回の講義に触れ、植物の種子に関して普段疑問に思ったことを深く考えてみたことで思った。ただ、ここでは栄養条件が不十分であることを前提条件としているが、もし栄養条件が十分であるのに、不均等に豆を成長させているのならば、どのような要因がそれを引き起こしているのかということが疑問として生じてくる。

A:観察に基づいた考察は説得力があります。最後のコンピューターシミュレーションのところは、何を判断基準にするのかが非常に重要です。単に種子の数だけが問題なのではない、というのが前提なのですから。


Q:今回の授業で果実について扱ったが、今回は果実の色が変わる理由について考察していこうと思う。以前この授業で光合成について扱い、葉の位置や構造は光合成を行う上で効率がいいようになっているということを以前学んだが、果実を作ることで光合成の効率が落ちることが懸念される。しかし私の知っている限りでは果実は若いときは緑色をしていて、熟すと様々な色に変化していく。このシステムをとることによって、光合成の阻害量を極力少なくすることができると考える。さらに、葉や茎といった植物の体は多くが緑色をしており、まだ熟していない、緑色の状態の果実を目立たないようにすることができるというメリットもあると考える。つまり、気温の変化等に従い果実の色を調節することである程度、果実を食べられることにより間接的に種子をまくタイミングを調節できるというメリットも存在すると考えた。

A:悪くはないのですが、未熟な果実が緑色の理由を聞かれたら、おそらく100人中80人ぐらいが同様に答えるのではないでしょうか。もう少し独自性が欲しいところです。


Q:今回の授業では、野生イネと栽培イネの受粉様式の違いから、遺伝子の多様性について学んだ。野生イネが他家受粉をする理由として遺伝子の多様性を保ち続けることが挙げられ、遺伝子の多様性の保持は進化し続ける病原菌に対抗するために非常に重要であることは、野生型で他家受粉が保持されていることの合理的な説明になっている。しかし、他家受粉型と自家受粉型が混在するコロニーがあるとき、他家受粉型は生き残ることが可能なのだろうか。自家受粉植物のメリットとして、自然淘汰圧により洗練された形質が直接次の世代に受け継がれることが挙げられる。他家受粉植物の場合、よりよい形質が生まれる可能性があるが、劣悪な形質を持つ子孫が生まれる可能性もある点で、短期的にみれば自家受粉植物と比較して子孫を残すうえで「不安定」であると考えられる。ある植物について、他家受粉型と自家受粉型が同じ比率で混在するコロニーがあるとき、他家受粉型の場合は受粉時に昆虫に頼らざるをえないために、自家受粉型よりも受粉成功率が下がると考えられる。しかし他家受粉型が数を減らすにつれ、他家受粉型個体数に対する昆虫個体数の割合が高くなり、受粉成功率は上昇すると考えられる。従って、他家受粉型比率は単調減少ではあるものの減少率は徐々に低下していくと考えられる。このコロニーに対してメジャーグループである自家受粉型と他家受粉型の一部に対し壊滅的被害をもたらす病気が流行したとすると、生き残るのはほとんど他家受粉型のみとなる。したがって他家受粉型比率は大きく上昇すると考えられる。このように病気の流行を仮定すれば他家受粉型が生き残る確率が高くなると考えられる。しかしながら、他家受粉型個体数についてある一定数(ここでは分布密度Kとおく)を下回ると上述のような比率モデルでは考えられず(個体数が減少すると確率分布で近似できなくなる)、受粉の成功率が大きく下がり、絶滅に向かうと考えられる。このことを踏まえると、他家受粉型分布密度がKに至るまでに流行する病気の存在により、他家受粉型が生き残る可能性が高くなると考えることができる。しかしなかには病気の発生周期が非常に長く、発生前に他家受粉型が絶滅してしまうケースも考えられる。この場合は病気発生時に自家受粉型が壊滅的な被害を受け、植物種自体が絶滅する可能性もあると考えられる。上述の考察、および罹患する病気の存在しない植物がほとんど存在しないことから、他家受粉型と自家受粉型が混在するコロニー中で他家受粉型は生き残ることが可能であるもの以外はほとんどが絶滅してしまう現存する多くの植物が他家受粉という受粉様式を選択していることが説明できると考えられる。

A:途中まで、面白いなと思って読んでいたのですが、最後の結論は、結局「生き残ることが可能であるものが生き残る」と言っているのと同じではありませんか?結論の出し方にもう一工夫欲しかったように思います。


Q:今回の授業でオニバスなどの種子の特性について知ったが、種子散布においてオニバスは水に種子を浮かせ、ある程度進ませて落とすなどといった、あまり親と子が近くに存在することにならないように種子を離れさせる方法をとっていることが分かった。しかし能動的に種子を拡散させる方法の中に「自動散布」(1)という方法があり、果皮の収縮や裂開しようとするときの力で種子を飛ばす方法(1)であるが、動物や風、水により散布する方法に比べるとやや散布範囲が狭く、親の近くにも落ちてデメリットが多いように感じられる。実際、子供の時に種子を飛ばすタイプであるホウセンカを触ったことがあるが、種子はせいぜい数十センチほどしか飛んでおらず、時に数メートル以上移動させることができる動物や風、水により散布する方法より効率が悪いように感じられた。しかし、ホウセンカを例にとって考えるとこの散布方法が種子の飛距離のみならず、植物の生態と組み合わさることにより生存効率を上げたと考えられる。ホウセンカは「インドや中国などに自生するツリフネソウ科の一年草」(2)であるため、1年以内に種子を残した後に枯れてしまう植物である。枯れるということは他にとって競争相手となる存在がいなくなるということにもつながり、有利になる。つまり子にとっても発芽時には親が枯れており、親と近い位置に散布されたことによる親との生存競争が確実に発生しなくなるメリットになると考えられる。また自動散布は自分の構造のみが散布に影響するため、動物などの他の要因が必要にならず、散布が他よりも確実に行えると考えられる。よってホウセンカは子の発芽前に親が枯れることで親と子との競争をなくし、自動散布の親の近くに落ちるデメリットを少なくし、確実に散布ができるメリットをより生かすことで繁殖効率を高めて生き残ってきたと考えられる。このことはほかの自動散布型、もしくは種子散布範囲が狭い多年草以外の植物についても言えることであると考えられる。
1“種子散布”、筑波大学 生物学類 BotanyWEB(2016年7月10日参照)、http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/dispersal.html
2“ホウセンカの育て方”住友化学園芸(2016年7月10日参照)、http://www.sc-engei.co.jp/plant/flower/cultivate/262.html 

A:面白い点に着目していると思います。せっかくいろいろ調べているのですから、ホウセンカ以外の例も調べてみたらよかったのではないでしょうか。ここで主張されていることを一般化すれば、自動散布は主に一年草に見られる、ということになります。これが本当かどうかはホウセンカだけではわかりませんが、他に自動散布する植物をいくつかしれべてみれば一般化が可能かどうかがわかるでしょう。


Q:今週の講義の中で少しばかり紹介されていたベンケイソウの独特な繁殖方法について考察する。ベンケイソウはその葉の縁から不定芽を形成して繁殖することで知られているが、なぜこのような形態をとっているのだろうか。まずこれは、効率的に複数の芽を付けるための手段であると考えられる。葉の縁に芽を付けることで葉の数や面積に応じた量の芽を形成できるということになり、1個体につき効率的に複数の子孫を残すことが可能となっている。また、植物が成長する過程で一番死亡率の高い時期を葉の縁で育てることで、栄養や水分の不足そして、食害などから身を守る術になっているのではないかと考えられる。もう一つ、植物は光合成を効率的に行うために葉は出来るだけ重ならないような形で茎から伸びている。これによって不定芽が葉から落ちる際、同じ場所に落ちることを防止することにつながっているのではないだろうか。

A:これも目の付け所はよいと思います。ただ、アイデアを次々出している感じなので、全体としての論理の流れは感じられません。問題点を設定して少し書き方を変えると、論理の流れを感じさせる文章にすることができるでしょう。


Q:今回は植物の種子や果実について学んだ。植物は様々な方法を使って種子を遠くに拡散させ、生息範囲を広げようとしているのだとわかった。ここで疑問に思ったことは、そこまでして拡散させる必要があるのかということだ。なので、なぜ植物は拡散しようとするのかを考察する。その植物が種子を実らせるまで育つことができたその場の環境はその植物にとってとても適していたと考えられる。それならば、子孫も同じ環境で育てれば、より高確率で長生きできるだろう。したがって、広範囲に生息範囲を広げて、生存確率を下げる必要はないと考えられる。広範囲に広げることで確かにさらに良い環境に出会えたり、1度に感染症などで絶滅する危険を防ぐなどの効果が期待できる。わざわざ種子に一工夫を加えてまで拡散しようとした1番の理由は同種間での栄養の取り合いを避けるためだと考えられる。感染症などは他家受粉により、バラエティに富んだ個体を作れば感染しない個体も作り出せるだろう。しかし、栄養の取り合いだけは避けられない。同種であるため、必要な栄養も同じであると考えられる。また、うまく栄養を分け合えたとしても、1つの植物あたりの栄養量は減少し、個体は小さく、弱くなっていき、結果的に絶滅してしまうだろう。よって、種子を拡散させ、生息分布を集中させないことで植物は個々の生存確率を上げていると考えられる。

A:講義では拡散に必要性についてあまり触れませんでしたが、「植物のかたちには意味がある」の中には詳しく書いたので、興味があったら読んでみてください。


Q:今回の授業において、種子と胞子の違いについて触れた。植物は、コケの段階を経てシダに進み、さらに種子植物への段階へと一つ一つの進化段階を登るように前進的に進化してきた(前進説、1)。このことから、胞子よりも種子の方がより高等であるといえる。しかし、現代においても胞子を用いる植物は絶滅することなく存在している。それでは、胞子には種子にはない何か利点があるのだろうかと疑問を持った。まず、種子と胞子の比較をしてみる。「(1)種子の染色体数が2nに対し、胞子の染色体数はnである。(2)種子は花粉と卵細胞が受精後作成されるのに対し、胞子の場合はそういった行程を経ずに作られる。(3)種子は種皮があるが胞子はない。(4)種子は単体では飛行できないのに対し、胞子はできる」等が挙げられると考える。(1)、(2)から、胞子は自家受精ができないが、多様な遺伝子型が作られる可能性があるだろう。また(3)から、種子は種皮があることで乾燥を防ぐことができる。しかし、湿った環境や水中といった乾燥する恐れがない環境においては、胞子にとって種皮は必要ないのだろう。胞子を用いるコケ類は、湿った環境で生息していることからもいえるだろう。(4)は、胞子にとって最大のメリットではないか。また、より散布域を広げるために軽量化を測り、シダ植物の中で大胞子と小胞子の二形態の胞子をつけるものが出現したのだろう。さらにこれと(2)から、種子植物よりも短時間で広範囲に繁殖することができるのだと考える。よってこれらのことから、胞子を用いる植物は、湿った環境においては種子植物よりも、短時間で広範囲に繁殖することができるというメリットがあるといえる。そのため、現代においても絶滅することなく存在しているのだと考える。
引用文献:1) 啓林館.植物の分類と系統.http://www.keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_2_kaitei/contents/bi-2/3-bu/3-3-4.htm(2016-7-10)

A:よく考えていますね。実は、種子の場合も軽量化はある程度可能です。しかし、その場合には、中に栄養をためておくことができませんから、自分だけでは初ができなくなってしまいます。この辺りの話も「植物のかたちには意味がある」の中に詳しく書きました。


Q:今週の授業では花粉管の伸長方向はLUREと呼ばれる物質が制御しているという話があった。このLUREによって花粉管は胚珠に向かって伸長し、種特異性も持つため異なる種間では交配しない要因である。LUREを発見した東山哲也教授らの研究によると、LUREは卵細胞の隣にある助細胞で分泌される低分子タンパク質で種特異性がある。また花粉管側にはLUREに応答するPRK6という受容体が存在し、受精にはそれら二つの働きが不可欠である。さらに東山教授はナズナの花粉管にシロイヌナズナのPRK6発現遺伝子導入することにより、異種間でも花粉管の応答が見られたことを確認した。しかし、このような仕組みだけでは複数の胚珠を持つ場合に柱頭に近い胚珠に花粉管の伸長が集中してしまうと考えられる。実際にはほとんどの場合で大きく競合することなく伸びていく。この理由を考える。それぞれの胚珠からはLUREが分泌されているため、その点では同様に花粉管を誘導する能力がある。問題は花粉管がなぜ競合しないかだ。花粉管に競合しないように胚珠に向かう機能があるとは考えにくいため、めしべにその原因があるものと考える。そこで私は二つの仮説を考えた。一つは花粉管が伸びるいずれかの比較的初期の段階で、ターゲットとなる胚珠に向かうように定める物質または機構が存在し、花粉管一本一本を仕分けしているのではないか。もう一つは花粉管が受精のために枝分かれするようなポイントで一つの胚珠に一本の花粉管しか伸びないように花粉管の動きを制御する機構があるのではないか。
参考文献:http://www.jst.go.jp/pr/announce/20090319/、http://www.jst.go.jp/pr/announce/20090319/、http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2009/2009-06/page05.html

A:最初から5文目までは、自分の考えたことではないので、省略可能です。例えば受容体の話が後半で出てくるのであれば前半で紹介が必要ですが、そうではありませんから。仮説については、「ターゲットとなる胚珠に向かうように定める物質または機構が存在し」というのは、「人はどのようにして目でものを見ることができるのですか」と聞かれて、「ものを見ることができるための物質又は機構が目に存在しているからです」と答えたのと同じ印象を受けます。あまり答えてもらって気がしませんね。