植物生理学I 第4回講義

植物の葉と環境

第4回の講義では、主に水草の異形葉を題材に植物と環境の関わりについて解説しました。講義に寄せられたレポートとそれに対するコメントを以下に示します。


Q:水草はCO2吸収して光合成を行う代わりに、HCO3-やCO32-吸収することでも光合成ができると講義で習った。では、どのようにして異なる物質が同じ目的に使われるのか、そしてpHによって炭素がCO2 、HCO3-、CO32-と姿を変える中で一番育ちやすいpHは存在するのか疑問を持った。調べてみると、1つめについてはCO2は、リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ(Rubisco)という酵素によって固定され、また重炭酸イオンは葉緑体に取り込まれた後、葉緑体中の炭酸脱水酵素によってCO2に変換され、このCO2がカルボキシラーゼによって固定されることがわかった。二つ目の疑問は解決するための実験を考えた。育ちやすいというのを光合成における光エネルギーの変換効率が良いと考えた。そして水のpH以外の条件は同じ環境と仮定して実験を進めた。pHの異なる3種の溶液中(pH5,8,11程度。CO2 、HCO3-、CO32-の3つの存在比が大きく異なる3つを選んだ)で、酸素電極による電子伝達活性の測定を行う。最も二酸化炭素の減少する割合が大きいものが効率の良いものである。ここで注意すべきは二酸化炭素の存在する割合は大きく異なるので、変化の割合に着目すること。この機械は水中の二酸化炭素の量をはかるものだが、炭酸イオンとして存在していても二酸化炭素とは平衡な関係にあるので大きな問題はない。

A:2つ目の点については自分で考えていますので良いと思います。ただ、1つ目の点については、単に調べたことを書いているだけなので、この講義のレポートとしては評価されません。別に長いレポートが良いわけではないので、2つ目の点だけについて書くので全く問題ありません。


Q:講義中に抽水植物の、水中、陸上での葉の形態の違いについての話が出た。陸上植物と水中植物の葉の形態的な違いの一つに、クチクラ層の有無がある。クチクラには乾燥や紫外線から葉を守る役割があるので、抽水植物でも、水中にある葉にはクチクラが無く、陸上の葉にはクチクラが存在するはずである。 クチクラは細胞外に分泌された、不飽和脂肪酸が主成分のクチンと、ロウからなる(1)。つまり、抽水植物は水中と空気中の違いを感じ取り、葉にこれらのワックスを分泌すると推測できる。
 水中、空気中の違いについては、講義中でも考えた。すなわち、浮力、光(光量、波長)、湿度、水流、気体濃度などの違いである。恐らく、クチクラ形成に関わる要因は1つや2つでは無く、複数の要因が、複合的に関与しているのだろう。しかし、その中にも影響の強弱や前後関係があるはずである。たとえば、感覚的にみて(科学的によろしくないのかもしれないが)、浮力が湿度よりも深く水中・気体中の感知に関与しているとは考えられない。これらの強弱・前後関係を調べるには、植物体(この場合、根が水中にあることから、水中の植物体が無難)を様々な条件下で育て、葉のクチクラ層の変化を調べればよい。できれば植物体を丸ごと使えればよいが、水中で湿度や気体濃度を、空気中並に変化させるのは、現実的に難しいので、条件によっては、葉のみを切り取って用いる必要がある。
参考文献1.「植物の生態 生理機能を中心に」,寺島一郎,裳華房,2014年,p.23

A:全体として何が主題なのかがわかりづらいレポートです。問題設定としては、真ん中あたりに出てくる「影響の強弱や前後関係があるはず」という部分なのだと思うのですが、そうであれば、それを最初に持ってきて、その答えを論理的に展開する形にすべきでしょう。


Q:葉が光合成するための光の受容体として平たいという最適な形態を獲得したとして、次に得られる形態は何だろうか。人類において都合よく考えるとすれば二酸化炭素を吸収しやすい形態を求めていくことができる。植物は光合成で二酸化炭素を吸収、利用するだけではなく、呼吸や植物の死体の分解で二酸化炭素を放出するためまずその差を考慮する必要がある。呼吸量の測定はフラスコ内などで実際に発生した二酸化炭素を吸収して純消費量を求めたりすることが可能であるが、それが成長過程のさまざまな森林などで通用するとは限らない。もし二酸化炭素をより吸収する形態が葉をより大きく、気孔数の増加などと仮定すれば葉の面積の増加は分解量の増量、すなわち二酸化炭素発生を促し元手を断つ問題となるだろう。森林の純生産量の測定方法を検討する必要があるが、正直私には難しい問題だった。

A:自分なりに考えている点は評価できます。ただ、日本語がわかりづらいですね。「人類において」「呼吸量の測定は・・・たりすることが可能であるが」といった言い回し、句読点の適切な配置に注意する必要があります。「もし二酸化炭素を」で始まる文は意味不明です。


Q:水中植物の葉は、気中植物の葉より薄いということを学習した。水中と大気中という異なる環境に理由があるようで、水中植物は葉を薄くすることで水に対する抵抗を減らし、水の浮力を支持に利用しているといったことが挙げられたが、やはり主としては光合成の効率を上げるためであろう。陸上植物は表皮にクチクラを作り、植物体からの水分の喪失や、強い光により植物体が傷つくことを防いでいるが、外界を水で満たされた水中植物ではクチクラによる植物体の保護は必要なく、また水による光の散乱より、陸上植物のように強い光が直接葉に照射されることも少ない。そのため、クチクラにより葉を厚くする必要もない。更に、クチクラを作らず、葉の細胞層を少なくすることによって、水中の溶存二酸化炭素を直接取り込めるという利点も生まれる。薄い細胞層のおかげで取り込んだ二酸化炭素が植物体に拡散するため、気孔から二酸化炭素を吸収しないという水中植物も多い。しかし、葉を薄くすることは同時に欠点も持つはずである。例えば、葉が薄いために漂流物がぶつかると植物体が傷つきやすい、草食性動物や魚介類の食害に容易くあってしまう、人間の生活排水などによる水質の大きな変化の影響を受けやすい、などといったことが挙げられる。しかし、水質変化や漂流物の来着は常には起こらないため、むしろほぼ常に行う光合成のために合わせた利点を持つ植物体を構成した方が、生存に効率が良いのかも知れないと推測した。
[参考URL]http://www.photosynthesis.jp/faq/faq11-4.html「光合成の森 水草も気孔から二酸化炭素を取り込むのか?」(2016.5.12)

A:最初の2/3は、講義の繰り返しです。「しかし、葉を薄くすることは」以下が自分の考えですから、最初の部分は削除して、自分の考えの部分を充実させるようにしましょう。


Q:今回の講義で、水中植物の葉は陸上の植物の葉より薄いということを学習した。それは水中植物は気孔を使えないために植物体の表面から拡散によって直接取り込み、そして細胞層を多くすると内部の細胞にCO2を取り込めなくなるためだという。そこで、CO2をより効率よく取り込むには、水との接触面積が大きくなるように葉を平たくするとともに凹凸をつけることだと考えた。また凸凹にすることで様々な光の入射角においても一定の葉の面積に光は当たると考えた。だが、身近な水中植物であるオオカナダモの葉は触るとツルツルとしていた覚えがある。そこでなぜ水中植物の葉が凸凹していないのかを考えた。水中植物は水の流れにより葉が動く。つまり、いろいろな角度から光が入射したとしても葉自身が動くために平たい葉でも均一に光を受けることができ凸凹にする必要性がないと考えた。また、凹んだ部分は光が当たりづらい上に、水もたまりやすく昼間はCO2濃度が、夜間はO2濃度が低下するために暗呼吸と明呼吸どちらにおいても効率が悪くなると考えられた。

A:自分なりの考えを展開していてよいと思います。ただ、最初の2文は講義の紹介なので不要です。


Q:今回の講義では水中と空気中で異なった葉の形をつける異形葉について学んだ。そこで疑問に思ったのが空気中で育った葉が水中に入ったらどうなるのか、また水中で育った葉が空気中に出てしまったらどうなるのかである。異形葉の植物が育っていく過程でそのような葉が出てきてしまうはずである。それを調べるためには実際に水中の葉を空気中に、空気中の葉を水中に入れて観察するのがよいと思われる。また、葉の発育段階によっても変化の違いが観察できると思われるので様々な発育段階での試行をするとよいと思われる。結果の予想としてはある一定まで育ってしまった葉は空気中から水中、または水中から空気中への環境の変化に対応できずかれてしまうと考えられる。

A:これも、自分で考えていて評価できます。できたら、最後の「結果の予想」に関して、なぜそのように予想したのかの理由が一言書いてあると、論理的なレポートになると思います。


Q:光合成に必要な気体は二酸化炭素であり、このとき酸素が合成される。酸素濃度は水中<気中であり、二酸化炭素濃度は水中≒気中であるという話から、水中葉は気孔やクチクラを発達させない代わりに、薄くしたり枝分かれさせることで葉の表面積を増やし、二酸化炭素の吸収に対応していることが今回の授業でわかった。では、酸素について考える。光があたっているときは、発生した酸素で呼吸すればよい。光が長時間あたっていないとき、植物が窒息する可能性はないのだろうか。魚がえら呼吸できるほど酸素があればよいが、富栄養湖などでは窒息の可能性がある。ハスなどでは、花托を通して空気の通り道があり、レンコンの穴につながっていて、その穴が空気の貯蔵に役立っている。また、葉の裏や葉柄が浮き袋になっており、沈まないようにして空気と接し続けようとし続けながら、空気の貯蔵をしている種もある。沈水植物で空気の貯蔵に対策のないものは、光量が小さく低酸素環境化では淘汰されるのではないかと考えられ、富栄養湖では湖面以外で生物が生存できなくなる。

A:沈水植物の呼吸について自分なりの考えを展開していてよいと思います。ただ、ハスもレンコンも、葉は地上部にあるので、要は、根が水中にあるかどうかの問題になるような気がします。そうだとすると、特に沈水植物に議論を限る必要はないように思いました。


Q:今回の授業において葉の形が変形していたら光以外の環境要因が重要な役割を持っているということについて学んだ。葉は基本的に平たいものである。しかし針葉樹の葉は名前のとおり針のように細長く、平たくはない。よって針葉樹は光以外の環境要因が光合成を律速していると考えられる。針葉樹は亜寒帯に生息しており、広葉樹の生息している温帯や熱帯に比べて寒い。葉が平たいということは表面積が大きいということである。一般的な葉はこのように表面積を大きくすることによってたくさんの光エネルギーを収集して光合成をしている。しかし表面積が大きいということは空気と接する面積が多いということでもあり、植物体の熱が逃げやすいという特徴もある。温帯では熱が逃げやすくても生命維持に影響が出ることはなく、熱帯では逆に熱を逃がさなくては植物体の温度が上がりすぎて生命維持できない。一方亜寒帯では熱が逃げてしまうと植物体内の水分が凍る危険性が出てきたり、凍らなくとも酵素などが活性されにくくなってエネルギーが生産されず、生きていけない。しかし表面積を極限まで小さくして葉が丸くなってしまうと光が葉の内側にまで届きにくく内部では光合成ができないため、葉の中に何もできない無駄な部分ができてしまう。そこで針葉樹は葉を細長くすることによって表面積は小さいが、光が葉の中心にまで届くような形になったのではないかと考えられる。このように針葉樹では光ではなく温度の方が光合成を律速しているため、針のような細長い形状の葉になったのではないかと考えられる。

A:これも、自分で考えていてよいと思いますが、単に表面積の問題であるのなら、針のようでなくとも、少し厚い葉を作ればよいように思いました。


Q:今回は、異形葉について学習した。異形葉は水中(沈水葉)と大気中(浮水葉)の2つの異なる生息環境において、葉の形状や特性が異なっている。水生植物の中には、コウホネなど、1つの個体にこの2種の葉の両方をつけている種が存在している。この双方の葉を持つ植物の葉の形成の仕組みと利点について、少し考えてみた。沈水葉と浮水葉の環境条件の最大の違いが、水の有無である。葉の形成は、茎頂分裂組織の周辺領域の一部において、葉の発生に関わる遺伝子がONになることで作られるものである。このため、茎が伸びてゆく過程で、茎頂部が水面から出たことにより、茎頂分裂組織の周辺領域の一部において、水の有無が感知され、それによって制御されていた遺伝子が働くことにより浮水葉が形成されるのではないかと考えた。しかし、前述した植物にははじめ沈水葉であったのが浮水葉へと変化するものもあるので、浮葉植物においては前述の仕組みがある程度まで存在する可能性はあるが、双方の葉を持つ植物では異なると思われる。この植物では、始めは沈水葉として形成されるが、陸上に上がるにつれ、まず表皮組織(クチクラ、気孔を形成する細胞、もしくはクチクラになる予定の細胞?)が水の有無を感知し、クチクラ形成を促したり、気孔の形成を促したりする仕組みなのではないかと考える。双方の葉を持つ植物は、沈水植物と比較すると、水面上にも葉を伸ばすことができるため、高さにおいて、沈水植物よりも有利になる。また、沈水植物は水中の多少の濁りにも弱く(光合成ができないため)、濁った水域では浅いところにしか生息できない(多くの場合、その深さでは波の影響を受けやすく、根が発達しない沈水植物にとってはかなり危険である)。その一方で、双方の葉を持つことができれば、濁りで光合成ができない分を浮水葉がカバーできるため、茎を長く伸ばすことができれば、濁った水域において、沈水植物よりも深いところまで生育し、有利に生息範囲を広げることができると考えた。

A:よく考えていてよいと思います。前半と後半では論旨が少し違うので、どちらかに集中したほうが論理はすっきりするでしょうね。この講義のレポートは、長い必要はありませんから。きちんとした論理展開ができていれば、短くても全く問題ありません。


Q:今回の授業で、水草が水中でいかにして二酸化炭素や酸素を効率よく取り込めるようにしたのかという話題が出た。結論としては葉を薄くする、クチクラをなくすなどの方法により効率を高めているということである。特にオオカナダモでは中学高校の実験で使用されるほど葉が薄い。また、クチクラが存在しないことで葉が柔らかくなっている。今回は水中で適応したことによる葉の変化の、自身の生態への間接的な影響について考える。まず葉が薄く、柔らかいということは捕食されやすいということにつながる。実際に店では金魚用の水草として売っており、金魚もアメリカザリガニもオオカナダモを捕食することが知られている。これだけ見ればデメリットしかないように思えるが、実際は自身の周りに生物が集合することを意味しているともとらえることができる。捕食されたとしても無性生殖により捕食による被害以上に数を増やすことができるので問題はない。また、自身を捕食する動物を捕食する動物や、自身を隠れ家として利用する生物も多く集まってくる。これにより、他の生物から発せられる二酸化炭素がオオカナダモの周りに多く集まる結果となり、光合成をするうえで有利になると考えられる。また、陸上の植物は風による空気の対流で常に二酸化炭素や酸素が豊富な空気が送られるが、オオカナダモは池のような閉鎖的な環境で生育することもあり、そこでは水が自然には対流が起きにくい。しかし、動物が多く集まることで水中に水の流れが生じることが予測できる。これにより流れの少ない場所に生育することになっても動物が生み出す水の流れにより新鮮な水が到達し、生育に有利になることが考えられる。これらのことより、オオカナダモが環境に適応するために葉の形を変化させた結果、生物が集合するようになり、自身の光合成にとって利益となる環境が自然と生み出されるようになると考えられる。つまり、葉が水中に適応するように変化した結果として、間接的に環境が自身に利益になるような方向に変化していく効果が得られると考えられる。

A:考え方としては非常に面白いと思います。特に、水の流れを作るために動物を呼び寄せるというアイデアは、初めて目にしました。ただ、食べられても問題はない、と言えるかどうかは、難しいように感じました。


Q:植物の中には水中と空気中(陸上)の両方で生育でき、両環境において形成される葉の形態が大きく異なるものが存在する。これを異形葉といい、一般的には空気中では幅が広く厚みがあり、水中では幅が狭く薄い。例えばRorippa aquaticaの場合、一般則によく従った異形葉形成を行うが、葉の形の変化は、KNOX1遺伝子によって制御されるジベレリン生合成遺伝子の発現度合によって決定することが先行研究により知られている。さらに、ジベレリン生合成遺伝子の発現から葉の形態形成に至るまでのカスケードの下流には、葉の縁の凹凸構造(ギザギザ)形成に関わるcuc遺伝子とオーキシンのフィードバック経路が関与していることもわかっている(1)。葉に細く切れ込みが入るためには、葉の外周に細胞分裂が抑制される部分(cuc発現部)と細胞分裂が促進される部分(オーキシン蓄積部)が交互に並ぶことが必要である(2)。ところで、水中葉は切れ込みによって生じた細い葉がさらに分岐し、多段階の凹凸構造が形成される場合がある。これはどのような仕組みのもとに形成されるのであろうか。前述の先行研究(2)により、蓄積したオーキシンがcuc遺伝子の発現を抑制することが判明している。細く切れ込んだ葉の場合、その先端にオーキシンが蓄積すると考えられるが、この場合、cuc遺伝子発現部位である切れ込みの根本とオーキシン蓄積部位の間に距離があることになる。そのため、cuc遺伝子が切れ込んだ葉の中間部分でも発現し、結果として切れ込みごとに分岐構造(あるいはフラクタル構造)が現れる可能性があると考えられる。これは、葉の切れ込みが深く細くなるほど、分岐が増えることともつじつまが合うと考えられる。
参考文献(1)Hokuto Nakayama, Naomi Nakayama, Sumer Seiki, Mikiko Kojima, Hitoshi Sakakibara, Neelima Sinha, and Seisuke Kimuraa, Regulation of the KNOX-GA Gene Module Induces Heterophyllic Alteration in North American Lake Cress, The Plant Cell, Vol. 26: 4733-4748, December 2014、(2)小山知嗣. 葉の凹凸形態形成の制御機構. BSJ-Review 6:115 (2015)

A:よく調べていますが、全体の論理が論文の論理になっていて、あまり自分なりの考え、という感じではありませんね。もう少し、オリジナルな論理が欲しいところです。


Q:今回の講義で水中植物の葉は陸上のものより薄いことを学んだ。これは酸素濃度や二酸化炭素濃度、湿度や密度などの環境の違いがあるからである。水中の方が二酸化炭素を取り込みにくく、光合成に必要な光も吸収しにくい。細胞層を薄くして二酸化炭素を取り込みやすくしていることは習ったので、ほかにどのように適応しているのか考える。オオカナダモは細胞層が2,3層しかなくそのまま観察できるということだが、葉の付き方を観察してみると小さな薄い葉が密生している。これは表面積を大きくしているという解釈も可能である。水中植物は陸上のものに比べ1枚の葉当たりの光合成効率は劣るであろうが、多くの葉で分けて光合成することで植物体全体のエネルギーを補っているのではないか。表面積を大きくするだけなら葉1枚の大きさを大きくすれば済む話ではあるが、例えば流れの早い川などの場合、水圧の影響を直接的に受けてしまう。また光を得るためには水の表面の方に葉がある方が良い。これを考えると大きな葉をつけると浮力に耐えられなくなる可能性がある。以上のことより、小さい葉を多くつける方が効率よく光合成を行え、水中での生活に適応しているのではないかと考える。

A:密生した葉の意義を、表面積を大きくしながら全体を小さくするという要請に求めた点に、よく考えているなと感じました。