読書記録2023

最近、一度読んだ本でも忘れていることが出てきて年を感じます。ひどいときは、新しく読む本だと思って、面白く読み進めていくうちに、何だか知っている気がしはじめて、読み終わる頃に、そういえば昔読んだことがあったと思い出すこともありました。「常に新鮮な喜びが味わえてうらやましいこと」などと言われる状態です。そこで、新しく読んだ本を忘備録としてここに書いておくことにしました(平成14年3月開始)。「新しく読んだ」というだけで、別に新刊の本とは限りません。


「歌ものがたり」 高崎正風口述、東京社 令和5年3月読了
 御歌所長をつとめた高崎正風の話を編集したもので、高崎正風が亡くなった直後に出版されました。明治天皇と和歌をめぐる様々なエピソードが紹介されます。高崎正風が島津斉彬の家督の騒動に連座して大島に流されていたことなどは初めて知りました。

「エンジニアから見た植物のしくみ」 軽部征夫、花方信孝著著、講談社ブルーバックス 令和5年2月読了
 書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。

「禅語の茶掛を読む辞典」 沖本克己、角田恵理子著、講談社学術文庫 令和5年1月読了
 あいうえお順に並べた禅語の解説と、その禅語を掛け軸などに仕立てたものの実例を示しての紹介です。禅と書道が一度に楽しめますが、そもそもそれらを楽しいと感じる人がどれだけいるかは難しいかもしれません。

「アシモフ選集数学編2量の世界」 アイザック・アシモフ著、共立出版  令和5年1月読了
 「量の世界」となっていますが、「単位の世界」とした方がより内容を反映しています。前半は、ヤードポンド法などとメートル法の比較などが中心なので、日本人にとっては羅列的で退屈かもしれませんが、後半になって、速度やエネルギーなども含めた単位の次元の話に入ってくると、突然、レベルアップします。前半を削って、後半をもっと丁寧に説明するとよい本になったでしょう。