読書記録2003

最近、一度読んだ本でも忘れていることが出てきて年を感じます。ひどいときは、新しく読む本だと思って、面白く読み進めていくうちに、何だか知っている気がしはじめて、読み終わる頃に、そういえば昔読んだことがあったと思い出すこともありました。 「常に新鮮な喜びが味わえてうらやましいこと」などと言われる状態です。そこで、新しく読んだ本を忘備録としてここに書いておくことにしました(平成14年3月開始)。「新しく読んだ」というだけで、別に新刊の本とは限りません。


「志ん朝の落語2情けは人の・・・」 古今亭志ん朝著 ちくま文庫 平成15年12月読了
 僕のお気に入りは百年目なのですが、志ん朝のは、店の主人の言葉にかすかなトゲがあって、もう一息に感じました。

「志ん朝の落語1男と女」 古今亭志ん朝著 ちくま文庫 平成15年12月読了
 録音から起こした志ん朝の落語ですが、各編に編者(録音のプロデューサー)の解説が付いていて、面白いですね。

「魔都の聖戦1?4」 テリー・グッドカインド著 早川書房 平成15年12月読了
 これは「魔道士の掟」シリーズのファンタジーの第3シリーズです。相変わらずのサービス精神で、ある程度の水準は保っています。

「アシモフの雑学コレクション」 アイザック・アシモフ著 新潮文庫 平成15年12月読了
 昭和61年の発行で、原著は1979年。最近の雑学知識ばやりで急遽店頭に出たようです。ただ、今となっては情報がだいぶ古くなっていますね。また、星新一が訳しているのですが、所々訳がずさんです。後書きで、農芸化学を卒業して大学院にも行っているから内容的に間違っていることはない、と豪語していますが、「植物の葉緑素細胞は円盤形で、曇った日は光を広い面に向け」などといった記述が出ています。葉緑体も知らないようでは、東大農学部卒の名が泣きます。日本語としておかしな点もずいぶんありました。

「科学計測のためのデータ処理入門」 河田聡編著 CQ出版社 平成15年11月読了
 これ以前に、同じ著者のグループから「科学計測のための波形データ処理」「科学計測のための画像データ処理」という2冊が出ているのですが、最新のトピックまでカバーしたせいか、一段と難しくなったようです。生物屋としては、もう少しかみ砕いた表現が欲しいところでした。

「遺伝子改変植物の光と影 2」 佐野浩編 学会出版センター 平成15年11月読了
 非常に冷静・中立な語り口に好感が持てました。原著論文の要旨まで載っていて、至れり尽くせりですが、一般の読者には少し難しいのではないでしょうか。対象読者は大学院生あたりでしょうか。

「海を抱く - BAD KIDS」 村山由佳 集英社文庫 平成15年11月読了
 普段あまり買わない分野の本ですが、書店で目について衝動買いしました。登場人物が、若くて一生懸命でいいなあ、と年寄りじみた感想を持ってしまいました。著者は僕より若いようですが、それでも30代後半のようで、こういう本をきちんと書けるということは、才能のある人なんでしょうね。

「ゴブリン娘と魔法の杖」 ピアズ・アンソニイ 早川文庫 平成15年11月読了
 「魔法の国ザンス」というユーモアファンタジーのシリーズもの15巻目です。解説を読んで、なるほどと思ったのですが、第1巻目から比べると、ずいぶん対象読者が低年齢化しているような感じです。以前の方が趣はあったと思いますが、現在でも充分上質なファンタジーといえるでしょう。

「図解・わかるメカトロニクス」 小峰龍男 講談社ブルーバックス 平成15年10月読了
 身の回りのさまざまな機械の原理を解説した本ですが、30近い機械が取り上げられ、非常に中身の濃いものとなっています。それぞれについての説明が2?3ページで簡潔にまとまっていますが、普通なら取り上げる数を減らしてもっと個々の説明を増やすところでしょうね。3冊分ぐらいの情報量がぎゅっと詰め込まれた感じです。

「本朝二十不孝」 井原西鶴 岩波文庫 平成15年10月読了
 二十四孝の向こうを張って、不孝ものの話を集めたお話。1巻4編ずつで、5巻からなりますが、最初の方の巻の話は親殺しなど、大悪人の話が多く、後ろになるに従って犯罪としてはスケールが小さくなり、最終巻では、趣味に入れ込んだ若旦那の話や、改心して孝行者になる話など、軽い不孝ものの話になります。注が詳細についているのが煩雑と言えば煩雑ですが、内容の理解の助けにはなります。

「伝説は久遠に3」 ロバート・シルヴァーバーグ編 早川文庫 平成15年9月読了
 シリーズもののファンタジーの外伝を集めたアンソロジーの3巻目です。しばらく前に買っていて読み忘れていました。この巻はロバート・ジョーダン、アーシュラ・K・ル・グィン、タッド・ウィリアムズ、テリー・プラチェットの4編が入っていますが、ル・グィンはさすがですね。タッド・ウィリアムズとテリー・プラチェットの本は読んだことがなかったのですが、ここに入っているのを読んで、読んでみたくなりました。

「和歌を歴史から読む」 兼築信行・田渕句美子責任編集 笠間書院 平成15年9月読了
 この本は、著者のお一人の青柳隆志先生から頂いたもので、披講を扱った青柳先生の論考はすぐに読んだのですが、その他の部分はさぼっていたのを、ようやく読み終わりました。理系の論文というのは、内容の善し悪しはともかく、どれを読んでも似たような文体ですが、文系の論文というのは文体からして様々ですね。その論理の組立も、理系の人間が読んでも感心するような論理展開をするものもあれば、どちらかというと、論文と言うよりはエッセーのようなものまで様々です。まとめて読むと、そのような比較も楽しめます。

「声に出して読みたい日本語」 斎藤孝 草思社 平成15年9月読了
 現在、この本のCD化が進行中ですが、中の百人一首の部分の部分の披講を担当しました。披講にあたって、台本代わりにこの本をもらったので、読んでみました。有名な作品のさわりの部分を集めてコメントをつけたもので、きっと普段あまり本を読まない人が買ったんでしょうね。さすがベストセラーで、もらった本は第92刷でした。

「公家ハルコンネン1?3」 ブライアン・ハーバート&ケヴィン・アンダースン著 早川文庫 平成15年9月読了
 フランク・ハーバートの名作「デューン」シリーズを、息子とファンが組んで書き継いだ、という作品の第2部。デューンシリーズの難解さと思想性が無くなってエンターテイメントの作品になっています。それはいいのですが、登場人物が善玉と悪玉に完全に別れているのが少しね。最近のアメリカの風潮ですね。

「海より生まれし娘(上・下)」 ダイアナ・マーセラス 早川文庫 平成15年9月読了
 世を忍んでひっそり治療師として暮らす魔女が思わぬことから貴族の間の確執に巻き込まれ...というある意味で「ありがちな」ファンタジーですが、人物造形が比較的はっきりしているところが魅力で、善と悪とを決めつけないところに共感がもてます。お話としては完結しておらず、3部作の予定とのことなので、これからのお手並み拝見と言うところでしょうか。

「萌え萌えうにっくす!Unixネットワーク管理ガイド」 プロジェクトタイムマシン 毎日コミュニケーションズ 平成15年8月読了
 大学でネットワーク関連の知識を要求されることがあるので、多少は勉強をしておこうかと読んでみたのですが、内容自体はちんぷんかんぷんでした。ただし、ネットワーク管理者がどんなことをやっているのかのイメージはつかめました。十数年前に計算機センターのUnixにtelnetでアクセスしてメールを書いていた時代にUnixのコマンドはいくつか覚えましたが、そのぐらいではネットワーク管理にはとても役に立ちそうもありませんね。

「植物は何を見ているか」 古谷雅樹 岩波ジュニア新書 平成15年8月読了
 書評を生物学関係の書評の方へ載せました。

「黎明の王 白昼の女王」 イアン・マクドナルド 早川文庫 平成15年8月読了
 早川文庫のファンタジーはだいたいいつもチェックしているのですが、この本は8年ほど前に出たときに見落としていました。僕の好み、というわけではありませんが、なかなかの力作で、ファンタジーが好きなら一度は読んでおかないと、という感じです。語り口を変えた3部構成で、僕は影で黙々と献身する二人の乞食が出てくる第2部が気に入りました。第3部は、たぶん、過去の様々なファンタジーやSFへのオマージュになっているのではないかと思いましたが、個々の場面が、何の作品を頭に置いているかについては、僕ではわかりませんでした。

「植物の膜輸送システム?ポンプ・トランスポーター・チャネル研究の新展開?」 加藤潔、島崎研一郎、前島正義、三村徹郎 秀潤社 平成15年8月読了
 書評を生物学関係の書評の方へ載せました。

「妖精物語について」 J・R・R・トールキン ちくま文庫 平成15年7月読了
 指輪物語を書いたトールキンのエッセーと詩の本です。内容はいいんですが、エッセーの方のトールキンの口調が、どうも指輪物語の風格と合わずに軽いのが気になりました。原文を読んでいないので、わからないのですが、翻訳のせいかもしれませんね。

「上方落語桂米朝コレクション7芸道百般」 桂米朝 ちくま文庫 平成15年7月読了
 この巻では、「一文笛」が味わいがあって一番好みですが、なんと、これは米朝の新作落語だそうです。いやはや全く知りませんでした。古い噺と信じ込んでいました。

「上方落語桂米朝コレクション6事件発生」 桂米朝 ちくま文庫 平成15年7月読了
 この巻では、「らくだ」が一番有名でしょうが、これは、声音や態度を見ないと、本で読んでもいまいちですね。裁判がらみの噺がいくつか入っていて、いずれもなかなか秀作です。

「昇竜剣舞 1?7」 ロバート・ジョーダン 早川文庫 平成15年7月読了
 ヒロイック・ファンタジー「時の車輪」シリーズの第7部ですが、だんだん話が拡散して、最初の頃の第1部、第2部あたりでは各部の終わりで一応の完結を見ていたのですが、この第7部になるとお話にまとまりがなく、どこまで続くのやら、という感じです。原書では第10部まで既に出ているようです。

「藤原京 よみがえる日本最初の都城」 木下正史、中公新書 平成15年7月読了
 実際に藤原京の発掘に携わった著者が、文献なども駆使して、藤原京がどのような都であったかを推測します。その内容が住宅事情から都市問題の発生といった細かい点までに及ぶ労作ですね。ただ、図があまり多くないので、「まず南北の中央部で、東大垣から60メートルほど内側に入った地点から西へ約120メートルまでの間に、南側柱通りをそろえて一列にならぶ東西に長い掘立柱建物三棟と、その西に、北へ延びる・・・」といった記述が延々と続くと途中で頭に思い浮かべて考えることを放棄してしまいました。もっと地図が欲しいですね。あと、文献調査でいろいろな説が唱えられていたのが、発掘調査によってぽんと覆ってしまう様子を読むと、実際の発掘調査の与えるインパクトがよくわかります。

「知のツールとしての科学(上・下)」 ジョン・A・ムーア、学会出版センター 平成15年6月読了
 書評を生物学関係の書評の方へ載せました。

「光環境と生物の進化」 大石正、小野高明編 共立出版 平成15年6月読了
 書評を生物学関係の書評の方へ載せました。

「魔石の伝説 1?7」 テリー・グッドカインド 早川文庫 平成15年5月読了
 これは、4つ下に書いた「魔道師の掟」の続編です。主人公が「真実の探求者」というわりには間抜けな決断を時々するのでいらいらしますが、読者向けのサービス精神は相変わらずです。ただ、最後のクライマックスになるべき対決があっさり終わるのが拍子抜けでした。長く書いてきて息切れしたのでしょうか。

「アースシーの風」 アーシュラ・K・ル=グウィン 岩波書店 平成15年5月読了
 かの有名なゲド戦記の第5巻目です。二昔以上前に最初の3巻が出て、その後かなりあいて「最後の書」と称する第4巻が出たのですが、何と5巻目が出ました。4巻目は、何かまとまりがない印象で、ル=グウィンも衰えたかと思ったのですが、5巻目できれいに整理され、今度こそフィナーレという感じです。ル=グウィンの話は、登場人物の心の動きがよく描かれていて、やはり、最近の安手のファンタジーとはひと味違う感じです。

「西園寺公望」 岩井忠熊 岩波新書 平成15年5月読了
 最後の元老に関する評伝ですが、現代の目からすると、西園寺公望が目指した方向性というものが何だったのかが、もう一息の見込めません。しかし、少なくとも目指す先が陸軍による大陸支配、政治支配でなかったことは確かなようです。最後の元老として、一時期はおそらく日本の政界に一番影響力のあった人間が戦争を避けようと動いていながら、日本があのような方向に進んだということは、日露戦争の終結に対する反応からもわかるように、日本国民の多くが戦争やむなし、と思っていたということでしょうね。国民のレベルを上回る政治を期待するのは無理ということでしょう。

「上方落語桂米朝コレクション5怪異霊験」 桂米朝 中公文庫 平成15年4月読了
 この巻は、比較的小ぶりの噺が多く、また最後の下げにかけて盛り上がるといった噺ではなく、すっと肩すかしで終わる噺が多かったので、やや物足りない気がしました。「足上がり」なども芝居好きの番頭と丁稚の描写がすばらしいのですが、やはりやや終わり方が唐突な印象を受けます。まあ、落語の下げというのはそういうものかも知れませんが。

「魔道士の掟 1?5」 テリー・グッドカインド 早川文庫 平成15年4月読了
 ペストセラー・ファンタジーと呼ばれる一群のファンタジーの1つです。テンポよく、いろいろな要素を盛り込んであり、楽しめますが、深みにはかけます。登場人物の描写は優れていて、同じベストセラー・ファンタジーとされるロバート・ジョーダンの時の車輪シリーズよりはだいぶ上でしょう。

「森の小道・二人の姉妹」 シュティフター 岩波文庫 平成15年4月読了
 ずいぶん前に読んだ「石さまざま」で透き通るような情景の静かな描写に感動した記憶があるが、この2つの小編でも人と人との関わりが豊かな自然の中でくっきりと描写されます。第一級品の作品です。なぜ今まで、翻訳されていなかったのかが不思議です。

「インド神話」 上村勝彦 ちくま学芸文庫 平成15年3月読了
 マハーバーラタなどインドの古代叙事詩からインドの神々に関する事項を抜き出して、神話として構成した本です。叙事詩自体が、当時の神話を当然のバックグラウンドとして詳しく説明していないこと、また、複数の叙事詩の間でかなり食い違う点があること、などから、整合性のある統一的な神話とはなっていませんが、その人間的な神々の性格は魅力的です。

「ミトコンドリアはどこからきたか」 黒岩常祥 NHKブックス 平成15年3月読了
 書評を生物学関係の書評の方へ載せました。

「役に立つ植物の話」 石井龍一 岩波ジュニア新書 平成15年2月読了
 書評を生物学関係の書評の方へ載せました。

「錬金術師の魔砲(上・下)」 J.グレゴリイ・キイズ 早川文庫 平成15年2月読了
 ルイ14世の時代の歴史改変ファンタジーです。登場人物が魅力的で、一気に読みましたが、筋立てはやや強引なところがあります。後書きによると4部作の最初らしいのですが、こんなに登場人物を殺してしまって後が続くのかどうか、心配になります。

「霊玉伝」 バリー・ヒューガート 早川文庫 平成15年2月読了
 下記の続編。全3巻で最終巻は未訳です。今回は主人公たちは地獄巡りまでして難問を解決します。全作よりは少し質が落ちるかも知れませんが、新しい魅力的な登場人物も出現して、水準以上でしょう。

「鳥姫伝」 バリー・ヒューガート 早川文庫 平成15年2月読了
 世界幻想文学大賞を受賞したファンタジーで、昨年出たのを見逃していてついこの間買いました。お話としては軽い推理仕立てに、ユーモア・ペーソス・アイロニーという僕が評価する項目がきちんと配分されているので、あっという間に読みました。純朴な若者と海千山千どころではない老師のコンビが秀逸です。上質のユーモアファンタジーですね。

「上方落語桂米朝コレクション3愛憎模様」 桂米朝 ちくま文庫 平成15年2月読了
 この巻では、「植木屋娘」が気に入りました。この話は全く知らなかったのですが、植木屋の親父さんの気の良い正確のきっちりとした描写が全体の話の雰囲気を確かなものにしています。米朝師が元のさげが気に入らずに改変したというさげも、確かに話の雰囲気にあって格段によくなっています。

「歌を恋うる歌」 岡野弘彦 中公文庫 平成15年1月読了
 随筆というものは、たとえ自分について触れたものでなくとも、その著者の人となりがにじみ出てくるものである。昔、歌人の島木赤彦と窪田空穂の歌にまつわる随筆を読み比べて、窪田空穂の純朴な雰囲気に心が和み、島木赤彦の攻撃的な筆に「友人には持ちたくない」と感じたのを思い出した。この本の著者の岡野氏は歌人で歌会始の選者でもあるが、その随筆からはバランスのとれた確固たる精神が感じられる。この本は10年ほど前に文庫版として出てすぐに読んだのだが、今回読み直して、その印象を強くした。岡野氏の心のバランスが欠けている唯一の点が歌への執着なのだろう。戦争や大学紛争といったできごとも歌として昇華され、岡野氏自身の精神は揺るぎもしない、という感じを受ける。予兆、童謡(わざうた)といったものを歌の中に見る姿勢は、さすが民俗学者を師とした人だけのことはあって非常に鋭い。

「サンバガエルの謎」 アーサー・ケストラー 岩波現代文庫 平成15年1月読了
 書評を生物学関係書籍の書評の方へ載せました。

「植物オルガネラの分化と多様性」 西村いくこ、中野明彦、佐藤直樹監修 秀潤社 平成15年1月読了
 書評を生物学関係書籍の書評の方へ載せました。

「上方落語桂米朝コレクション2奇想天外」 桂米朝 ちくま文庫 平成15年1月読了
 この巻では、やはり、「地獄八景」がすばらしい。地獄のさまざまなお店の様子などが非常に生き生きとしています。むしろ最後の鬼のくだりがすこし浮いてしまうほどです。本で読むのではなく、一度聞いておきたかったですねえ。

「社団法人財団法人の設立実務」 長澤栄一郎 同文舘 平成15年1月読了
 植物生理学会は法人化を視野に入れて会則の改正を検討しているのですが、会則検討委員を委嘱されたので、少し勉強してみました。この本の姉妹編の「社団法人財団法人の運営実務」という本は、6年前に植物学会の会計担当理事になったときに読んでおいたのですが、内容的にはかなり重なっていて、設立時の会計・税務処理を除けば、特に新しい内容はありませんでした。

「上方落語桂米朝コレクション1四季折々」 桂米朝 ちくま文庫 平成15年1月読了
 昨年末に新刊の4巻目を読んだので他の巻も読んでみることにしました。この巻では、やはり、「百年目」がいいですねえ。大店の主が番頭にしみじみ意見をするところは何度読んでもしんみりします。