薄層クロマトグラフィーで光合成色素の溶出の順番はどのように決まるか?

実は色素の動きは、必ずいつも同じではなく、展開の溶媒によっても変化します。一般的に、光合成色素の分離の場合は、石油エーテルとアセトンの4:1の混合物を使うことが多いようですが、その場合には、β-カロテン>クロロフィルa>クロロフィルbの順番になります。この場合、展開溶媒はかなり油を溶かしやすい性質を持つ(つまり極性が小さい)ので、色素の方も、極性が小さいものの方が大きく動くことになります。カロテンは基本的には炭化水素だけでできているのに対して、クロロフィルは酸素分子なども含んでいるので、極性はより大きくなります。クロロフィルaとクロロフィルbを比べると、側鎖の1つがクロロフィルaでは-CH3なのが、クロロフィルbでは-CHOになっていて、bのほうが酸素分子が加わっているだけ、極性は若干大きくなることが予想されます。この結果、上記の順番になるわけです。分子の大きさや、形状が非常に異なる場合は、極性だけでは説明できない振る舞いをする場合もありますが、光合成色素の場合は、とりあえず、分子の極性で説明できるようです。クロマトグラフィーの原理はペーパークロマトグラフィーでも同じなので、基本的には同じ説明がペーパークロマトグラフィーでも通用します。