フィコビリンを持たないワカメでも湯通しすると色が変わる理由は?

確かにワカメをお湯に通すと、赤黒く見える色から緑色に変わります。海苔などの紅藻では、「海苔を焼くと色が変わる理由」にあるように、焼くと紅藻の持つフィコビリンが退色して色が変わるのですが、ワカメは褐藻なのでフィコビリン系の色素は持っていません。湯通しをすると色が変わるのは、フィコビリンとは別の色素の性質によります。褐藻では、フィコビリンは持っていないのですが、代わりにフコキサンチンというカロテノイドを持っています。このフコキサンチンもタンパク質に結合した状態で強い吸収を示すので、やはりタンパク質が変性して色素としての性質が失われるため、湯通しをした時に色が消えるのです。