クロロフィルはなぜ有機溶媒によく溶け、水にはあまり溶けないのか?

クロロフィルは、おおざっぱにいって四角の1つの角から長いしっぽの生えたような構造を持っています。四角い部分の中央にマグネシウム原子が配位していて、この四角の部分(ポルフィリン環といいます)は水にある程度は溶ける性質を持っていますが、しっぽの部分(フィトール鎖といいます)は炭化水素の長い鎖なので、脂質の一種と考えられ、水に溶けにくい性質を持っています。全体としては、フィトール鎖の影響の方が大きいので、クロロフィルは水に溶けにくいのです。脂質的な性質が強いということは、逆に有機溶媒には溶けやすいことになります。世の中にはフィトール鎖を切断する酵素もありますが、それによってポルフィリン環の部分だけになると、ある程度水に溶けるようになります。