日向と日陰で葉の大きさはどう変わるか?

同じ植物で比べると、葉の厚みは、日陰の葉(陰葉といいます)の方が日向の葉(陽葉といいます)よりもたいてい薄くなります。これは、光が弱いところでは、すぐに光が吸収されて葉の裏側には光が届かないので厚い葉っぱを持っていてもしょうがない、という理由でしょう。光が強ければ、葉の中をある程度光が進みますから、葉の裏側にも光が届くので厚い葉っぱの方が全体の光合成は上がると予想されます。一方、葉の面積については、一般的には日陰の葉の方が大きくなるとされています。これは、もし葉の材料が一定の量に限られていれば、葉の厚みを薄くする分を面積を広くする方へ回せば、それだけ光合成として得をする、と考えると合理的に説明できます。その場合、それならば、日向日陰にかかわらず、どんどん葉を薄くして広げた方が得のような気がしますが、実際にはそうはなりません。これは、葉の表面には細胞の水が逃げていかないようにクチクラ層という硬い組織が必要で、この組織は直接光合成に携わらないということも1つの原因です。薄くすればするほど、葉の表面のクチクラ層の割合は増えますから、光合成が出来ない組織の割合が増えることになります。また、あまり葉が薄いと、すぐにちぎれてしまう、また虫に食べられやすい、といったこともあるでしょう。葉の大きさや厚みは、このような薄いことのデメリットと、厚くした時に光を有効に利用できないことのデメリットのバランスで決まっていると考えることが出来ます。