窒素肥料を入れると葉の色が濃くなるのはなぜか?

植物の体を作っているタンパク質、そして植物を緑色にしている葉緑素(クロロフィル)は、どちらも主に、炭素、酸素、水素、窒素の4つの元素が主な成分です。植物は空気中の二酸化炭素(炭素+酸素)と根から吸い上げる水(水素+酸素)を使うことができますから、最初の3つの元素は特に人間が与えなくても得られることが多いのですが、窒素は、これらとは別に根から吸収しなくてはなりません。窒素が足りないと、タンパク質やクロロフィルが少なくなり、成長が遅くなったり、色が薄くなったりする場合が多いのです。そのような時に窒素肥料を入れると葉の色が濃くなるわけです。ただし、多すぎる場合にはひょろひょろ伸びすぎてかえって収穫が悪くなる場合があります。また、クロロフィルは先ほどの4つの元素の他にマグネシウムを持っています。ですから、マグネシウムが不足した条件でも葉の緑色が薄くなる場合があることが知られています。